中村 昭治アナウンサー
石川県出身 東京大学卒業 大学では、軟式野球部で活躍
趣味 スポーツ観戦 旅行 読書
一番担当したいのは、スポーツ中継
久保田 直子アナウンサー
東京都出身 立教大学卒業 大学では、ゴルフ部に所属
趣味 ゴルフ ボーリング マラソン
一番担当したいのはスポーツ
矢島 悠子アナウンサー
神奈川県出身 中央大学卒業
趣味 昼寝 散歩 作文
小学生の時から、アナウンサーになるのが夢で、大学ではアナウンス研究会に入っていました
<川瀬アナウンサーの話>
新人アナウンサーには、発音、発声、ニュースリポート、実況などアナウンサーの基礎を身につけること、そして社会人としての常識、知識、考え方も研修の3ヶ月間で一生懸命取り組んでほしかった。
4月25日(研修1日目)
三人そろって初めてのアナウンス部へ!まずは、先輩たちに自分たちから挨拶するように言われました。ところが…ここで緊張した中村アナが…!
挨拶で自分の名前を名乗るのを忘れてしまい、先輩アナウンサーからいきなり突っ込まれてしまいました。自己紹介は社会人の基本です。
<飯村 真一アナウンサー(入社16年目)のコメント>
久保田アナウンサーは、はじけるタイプ。矢島アナウンサーは、おとなしそう。どこまで心を開いて自分の殻を打ち破るのか、この先期待したい。中村アナは、タレントの“さかなクン”に似ている。性格的にはまじめそう。
<武内 絵美アナウンサー(入社6年目)のコメント>
研修ではいろいろあると思うけど今の彼らのフレッシュさを忘れないでがんばってほしいな、と思います。
<市川 寛子アナウンサー(入社3年目)のコメント>
研修ではへこむこともあると思うけどアナウンサーの基礎がしっかり見につくはずなのでがんばってほしい。
先輩たちに挨拶をすませた後、すぐに研修に入りました。
この日の朝、手渡された「アナウンス教則本」。
これは、発声や発音からはじまるアナウンサーの基礎を学ぶためのもので、まさにアナウンサーのバイブルとも言えるもの。3か月間の研修は、この「教則本」をベースにして行われます。
講師は、川瀬アナウンサー(入社20年目)。まずは「発声」の講習です。練習を繰り返して、ひとつひとつマスターしていくことが大切だと教えられました。こうして、4月から6月にかけての45日間の研修がスタートしました。
研修は、午前10時半から午後の6時まで。先輩アナウンサーを中心とした講師に「アナウンスの基礎」を徹底的に叩き込まれます。
4月27日(研修3日目)
吉澤アナウンサー(入社28年目)の「発音・ラ行」の講習。
私たちが日常、普通に発音している「ラ行」。意外にも正しく音が出ていないことがわかりました。
<吉澤アナウンサー“ラ行”のアドバイス>
あんこの皮が上あごにくっついていて、それを舌でとる感じで“ラ”を発音する。
頭では理解出来ても、なかなか正確に発音することが出来ません。早くもピンチ…。
吉澤アナウンサーからは、すぐに出来なくても、じっくり取り組んで、確実にマスターするようにと、アドバイスされました。
5月10日(研修8日目)
ボイストレーナーの和田 麻里先生による「トレーニング・発声」の講習。
腹式呼吸をマスターすることによって、正確な発声ができるようになり、滑舌も良くなるのです。
まさかアナウンサーになって呼吸法まで勉強するとは思いませんでした。
さらに、まさかの研修が続きます!5月14日(研修12日目)。
プロレス見学!私たち3人は、これまで生でプロレスを見たことはありませんでした。実況担当の吉野 真治アナウンサー(入社4年目)から説明を受ける中村アナウンサーは、担当したい番組がスポーツ中継。なにやらイキイキとした表情。矢島アナウンサーと久保田アナウンサーは、初めて見たプロレスの熱気と迫力の前で圧倒されっ放しでした。
研修も半分が過ぎた6月4日(研修26日目)、
松井 康真アナウンサー(入社19年目)が基礎の滑舌の上達度をチェック。
ところが3人とも全然出来ていなくて松井アナウンサーはガッカリ!
研修中、新人アナウンサーは毎日、日誌を書きます。
このころ、思うように上達しない自分自身に、三人はすっかり自信をなくしていました。
弱気を見せない中村アナウンサーですが、日誌には本音が・・・。
「正確な発音ができない。ニュースを読んでも伝わらない。 はたして自分はアナウンサーになれるのか。 かなり危機感を感じる…」
いつも明るく元気な久保田アナウンサー。
うまくいかない苛立ちのなかで、自分を励まし続けているようでした。「出来ないなんて、言わない…。残りあと1か月。まだまだ出来る!リキむな!ワタシ!」
そして、小さい頃から夢見てきたアナウンサーの第一歩を踏み出したばかりの矢島アナウンサー。
やっぱり自信をなくしていました。「イメージ不足。理解不足。 頭ではわかっていても、実際にはできない。 泣き虫No.1! すぐに泣いてしまう…」
(矢島アナウンサーのコメント)
今、六本木留学していると思っている。六本木に3ヶ月留学して知らない言葉を覚え、知らない文化を知ってそれで帰っていくんだと思っている。
6月22日(研修36日目)
古澤 琢アナウンサー(入社9年目)による「リポート」の講習。
テーマは「誰かのインタビューを必ず一人まじえながら、3分間でアナウンス部のリポートをする」
ところが、中村アナウンサーの本番収録の時、インタビューをお願いしていた上山アナウンサーが電話中で打ち合わせ通りにインタビューできませんでした。収録後、リポートの様子を古澤アナウンサーがチェック。
(古澤アナウンサーのコメント)
リポート内容、リポーターの動き、インタビュー相手への質問内容の確認などすべてにおいて準備不足。もう7月にデビューするんでしょ?これはひどい…。
自信のなさでしょうか。ひどく落ち込んでいる三人を見て川瀬アナウンサーは…。
(川瀬アナウンサーのコメント)
三人ともヘコみすぎている…。もうちょっと前向きに話を聞こう!
川瀬アナウンサーの言う通り、落ち込んでいる場合ではありません。研修期間は、残りわずか10日。私たち三人は、徹底的に基礎を繰り返して勉強することにしました。
そして、研修も、いよいよあと1日を残すのみとなりました。
7月5日(研修45日目)
最終日のこの日は、研修の成果を発表する「卒業制作」を行います。
「卒業制作」の内容は、いろんなパターンのニュースやリポート、理想のアナウンサーについてのフリートークを6分間にまとめます。
(久保田アナウンサーのコメント)
「うまくいくといいな、でもうまくやろうとするといつも失敗する。」
(中村アナウンサ-のコメント)
「精一杯やってこようと思います。」
(矢島アナウンサーのコメント)
「今日も慌てずに出来ると良いなと思っています」
普段放送で使われているニューススタジオで卒業制作が行われます。憧れのキャスター席に座って緊張しないわけがありません。研修の成果がどこまで出るのか・・・。
本番収録が終わり、卒業制作のVTRを見ながらアナウンス部の先輩たちによる感想、意見をいただきます。
<中村アナウンサーの卒業制作作品について>
山口 豊アナウンサー(入社13年目)のコメント
「途中で妙な咳が出るのも極度に緊張しているからなんだろうけどもう少し力が抜けるといいね」
森下 桂吉アナウンサー(入社23年目)のコメント
「カキクケコが全部濁っている。ガギグゲゴに聞こえる。
固有名詞、人の名前、数字が聞き取りにくい」
松苗 慎一郎アナウンス部長のコメント
「いま自分が伝えられることは何なのか、それを伝えるためには何が必要か、自分で理解出来ていれば自然に伝え方も表情も決まってくるはず。早くそういったところにいけるよう頑張りましょう」
自分が感じていた弱点を次々と先輩アナウンサーに指摘された中村アナウンサーは、悔しさのあまり号泣してしまいました。
<久保田アナウンサーの卒業制作作品について>
佐々木 正洋アナウンサー(入社28年目)のコメント
「VTRので出だしのあたりは及第点です。テレビ映りが良いのはかなり良いこと。」
寺崎 貴司アナウンサー(入社20年目)のコメント
「自分の気持ちの整理が出来ていないばかりか、自分の気持ちやいろいろな状況を表現する時の“語彙”とか“ボキャブラリー”が貧困。」
<矢島アナウンサーの卒業制作作品について>
佐々木 正洋アナウンサー(入社28年目)のコメント
「もう少し丁寧に伝える気持ちがあったほうが良い。」
吉澤 一彦アナウンサー(入社28年目)のコメント
「最初は笑顔で話していたのに急に険しい表情で話し出した。これではその前の表情も演技だと思われてしまう」
(矢島アナウンサーの話)
卒業制作作品を自分で見て、“ラ行”がうまく言えてなかったり、姿勢が斜めになっていたりしてもう一度やり直したいと思った。しかし憧れのキャスター席に座って心地よかった、もっと座っていたいなと感じた。
(川瀬アナウンサーの話)
まったく“素の状態”から50点取れるところまでは思った以上に順調にきたと感じた。ただこれからもっと良いアナウンサーになっていくため60点、70点、80点目指していくにはまだまだそれぞれ頑張っていってほしいな、と思います。
研修が終わった翌7月6日、東京ドームのそばに駐車している車のなかでナレーションを読んでいるのは、中村アナウンサー。「報道ステーション」のスポーツコーナーで早くもデビューです。
しかし、30分以内でナレーションを録り終えなければ、この日の放送に間に合わなくなってしまいます。力みすぎてNGは連発したものの、なんとかディレクターのOKがでました。憧れのスポーツアナウンサーでのデビュー!うれしい汗です!
川松 真一朗アナウンサー(入社3年目)のコメント
「中村アナウンサーはまだおっかなびっくりで読んでいる。もっと自信をもってドーンといけ!」
そして中村アナウンサーがナレーションを担当したスポーツニュースが無事放送されました。
久保田アナウンサーは、「Get-Sports」の司会でデビュー!生放送の本番で慌てずに司会の大役を見事果たしました。
矢島アナウンサーは、「はい!テレビ朝日です」の司会を担当。7月7日この日、初めての収録が行われました。収録前の打ち合わせでは、番組オープニングのあいさつの内容について話したいことがたくさんありすぎて、整理がつかなくなってしまいました。スタジオに入るとはカメラがいっぱいあって一体どのカメラを見て話せばいいのかわからなくなり、吉澤アナウンサーに教えてもらいました。そして、本番では挨拶もうまく言えて、あっという間の30分が終わりました。
<矢島悠子アナウンサーの話>
初めてスタジオに入ってカメラの多さにビックリして頭の中が真っ白になってしまった。カメラの中に吸い込まれてしまうのではないかと思い、なかなか目を合わせることが出来ませんでした。
<川瀬眞由美アナウンサーの話>
新人アナウンサーが頑張っている様子を見てあらためて私たちも頑張っていこうと毎年感じる。
また、新人の時に指摘されたことは何十年とアナウンサーをやっても引きずってしまうもの。だから今のうちに基礎を徹底的に練習しといたほうが良い。研修の3ヶ月で覚えたことは3ヶ月で忘れてしまうものだから、この先自分を見失わずにのびのびとやっていってほしい。
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