● ● ● ● 7月31日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
矢島 悠子 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 飯村 真一アナウンサー
上山 千穂アナウンサー


【放送内容】
朝刊の内容がすべてわかる、「やじうまプラス」
その舞台裏では、より新しいニュースを伝えようとスタッフや出演者が生放送のための準備に追われ、本番が終了するまで慌ただしく動き回っています。 「やじうまプラス」がどのように制作されているのかを紹介します。

※ やじうまプラス 月曜~金曜あさ6:00~8:00
土曜あさ5:50~8:00


制作準備は前日朝9時から
放送のための準備は、前日の朝、生放送を終えた直後の全体会議からスタートします。
想定される放送内容がチーフディレクターにより発表されます。
ただし、当日の朝刊を見てすべての内容が差し変わる可能性が十分にあります。

(田中義樹プロデューサーのコメント)
「はじめて知る事件・ニュースを大事にしたい」
「本番中に起きたことを最優先にして番組に取り組んでいきたい」
「とにかく新鮮なニュースを届けたい」


徹夜で前日放送されたニュースのVTRをチェックしている「やじうまプラス」の曜日担当の番組スタッフ。
朝刊にどのような記事が載っていても対応できるよう準備しているのです。


やじうまプラスは2時間で作られる
スタッフや出演者たちがやって来るのは午前3時。
制作スタッフはニュース、芸能、スポーツ班に分かれ、出演者と合わせて50人!
毎日、総力戦で放送に望んでいます。 毎朝4時頃、朝刊がきて放送開始まで2時間で紹介する記事を決めVTRを編集し、番組を構成します。
前日に行われた、「サッカーのワールドカップ予選」の影響でいつもより15分遅く、朝刊が到着しました。
2時間しかない制作時間の中で、この15分はかなりのタイムロス。
スポーツ紙6紙.一般紙6紙.ほか専門紙合わせて合計450部の新聞が運び込まれました。

「やじうまプラス」にとって、「朝刊」は命。番組開始まで2時間を切った中、
スタッフ、出演者全員がいっせいに放送で紹介する記事を探し始めます。

取材したこの日は、朝刊、スポーツ紙のすべてが、サッカー・ワールドカップ予選一色。

(鈴木 正也ディレクターのコメント)
「今日はサッカーネタしかないから一番苦労する日です」

(惣部 潔プロデューサーのコメント)
「日本にとって関心が高いのはサッカー・ワールドカップ予選かもしれないけれど世界的にはイラン」


2時間の番組をサッカーだけで構成するわけにはいきません。
社会面・経済面・政治面など視聴者が気になる記事探しが続きます。

新聞25紙およそ1000項目の記事の中からこれは!と思った記事を切り取っていきます。

午前4時30分から5時までにプロデューサー相手に各コーナーのプレゼンを行う
ニュース・芸能・スポーツ各コーナー担当が面白いと思う記事のポイントを プロデューサーに売り込みます。
より新しい、より関心ある記事で迫り、プロデューサーはそれを瞬時に判断を下して番組の中身を決定していきます。

午前5時、放送内容が決定。各スタッフは同時進行で作業を進めます
ここから、担当ディレクターたちは一斉にデスクに向かいます。
担当ディレクターたちは台本代わりとなる「項目表」を作ります。
「項目表」には紹介していく新聞名・記事の内容、スタジオカメラマンが紹介する記事をすばやく映すための図、
コメントして欲しい人の名前などを順番に書き込んでいきます。

「項目表」が出来ると、すぐさまADさんが、番組で使用する新聞紙面を手馴れた手つきで切り取っていきます。

記事をよりわかりやすくするためにディレクターが、その記事の内容にあったVTRの編集作業を電話で指示します。
5階報道編集室では同時にたくさんのネタに対応するため4台の編集機がフル稼働でVTRを編集。
そして6階情報編集室でも別のコーナーの編集が並行して行われています。
本番中にも次々と編集依頼がはいるため、編集作業は本番終了まで延々と続きます。

本番25分前
「やじうまプラス」の生放送スタジオ。その裏ではADさんが、番組で使用する新聞紙面のしわを取るためアイロンがけをしています。そのとなりでは指で触るだけで画面の中で記事が大きくなる「タッチパネル」用の新聞をパソコンに取り込んでいます。
6階スタッフルームでは司会の飯村 真一アナと村上 祐子アナは、2時間の生放送の中で どんな話題にも対処できるようひたすら新聞を読み込んでいます。

コメンテーターのテリー伊藤さん、伊藤洋一さんが6階スタッフルームにやってきました。 来るやいなやすぐさま新聞に目を通します。

本番まであと20分
限られた時間の中での番組作り。役割分担をきちんと行い、同時進行で作業が進められていきます。
アナウンサーは、新聞記事をベースに自分が話しやすいように文章を書き込んでいきます。

(古澤 琢アナウンサーのコメント)
「新聞紙を実況すれば番組としてはもっと面白く成立すると思う」


5階報道編集室では放送直前に入ってきた海外ニュースの吹き替えをADさんが急遽、行うことになりました。
ニュースをより分りやすく伝えるためです。
4階スタジオでは番組前半で使用する新聞記事がボードに貼られていきます。
水平で折り目がないように、そして手早く。ここにも地味ながら熟練の技があります。

6階スタッフルームでは、飯村アナと村上アナがVTRに合わせたナレーションのリハーサル。生放送ではぶっつけ本番の一発勝負です。

新聞記事のポイントをアナウンサーたちは自分で書き込んでいきます。
4階スタジオでは、それを元にADさんが、放送で接写する記事に、一行一行赤ペンで線を引いていきます。

本番まであと5分!
司会の飯村アナが慌ててスタジオへ向かったその時、5階編集室で番組前半に放送するVTRが出来上がりました。ディレクターが4階副調整室へ走ります。
そして同じ頃、ADさんが進行表を持って6階スタッフルームを飛び出していきました。

本番3分前。番組前半のVTRも進行表もなんとかぎりぎりで間に合いました。

本番2分前。スタジオに出演者が顔を揃えました。
2時間で一気に制作した『やじうまプラス』の生放送がついにスタートします。

(上山 千穂アナの話)
「記事選びのポイントについて、前日の夜のニュースから進展のあるニュース記事を中心に選んでいく。また午前8時前のコーナーでは専業主婦を意識して生活に密着したより関心のある記事を選ぶようにしている」

午前6時。ついに番組がスタート!
番組開始7分。一瞬たりとも、気を抜くことは許されません。プロデューサーも、放送内容を厳しくチェック、どんどん指示を出していきます。

アナウンサーならではのテクニック
ニュースコーナーを担当する上山アナは、新聞紙面が画面に映っているときには、原稿を正確に読むために出来るだけ顔を近づけて読みます。そして自分の顔が映る時は瞬時にカメラ目線で。話しているコメンテーターが画面に映っている時は隣で次の記事のリハーサルをおこなっています。
ひとつのコーナーが終了すると次のコーナーの新聞をADさんが貼りかえていきます。
この作業も本番が終わるまで何度も繰り返されます。

4階副調整室では、次々と文字テロップが作られます。これも生放送ならではの作業といえます。
午前6時50分。番組後半部分の進行表がようやく出来上がり出演者、スタッフに配られました。
飯村アナがナレーションを読んでいるスタジオの隅では出番を控えた西脇アナが最後の原稿チェックをおこなっています。
そして、出来上がったばかりのVTRが次々と飛び込んできます。
放送するVTRが、記事の内容とあっているかどうかスタッフは注意深くチェックします。

新聞記事をただ読むのではなくより分りやすく伝えるためのリサーチが本番直前まで続く
6階スタッフルームでは、上山アナと担当ディレクターが次のコーナーの準備をしています。
新発売となった「使いきりビデオカメラ」の記事。
この大きさと重さを視聴者に実感してもらうためにいろいろアイデアを出しあいます。
大きさを見せるために急遽、模型を発注することにしました。「使いきりビデオカメラ」の重さ140グラムをどのように表現したらいいのかリサーチが続きます。 「生卵2個分」と同じ重さであることを調べ上げ早速放送で伝えることにしました。

続いて、「都内に出没する猿」の記事。
猿が発見された場所をつないで地図を作り見せることにしました。さらに、その場所へ、今からヘリを飛ばしてサルの行方を空撮で見せることに決めました。本番20分前のことです。果たしてヘリは間に合うのでしょうか。

上山アナのコーナーが始まる直前、全体の進行が1分30秒オーバーして進行していました。急遽、上山アナの8分間のコーナーを原稿の長さを調整して6分30秒に縮めました。出来上がった原稿を持ち、上山アナは、再びスタジオに走ります。4階スタジオでは本番直前、ディレクターが記事の演出変更をスタッフ全員に指示しました。
そして本番。「都内に出没する猿」の記事の紹介。手配してから20分、ヘリが現場に到着。
サルの行方を見事空撮で見せることに成功しました。そして「使いきりビデオカメラ」の記事も直前に手配して作ったカメラの模型を見せながら分りやすく紹介することが出来ました。
たとえ小さなベタ記事でも視聴者にわかりやすく実感してもらうために最大限の努力をする・・・「やじうまプラス」の真骨頂が発揮されました。そしてニュース項目を1つも落とすことなく制限時間の中ですべて伝えることが出来ました。
午前8時。放送は無事に終了。しかしこれでその日の仕事は終わりではありません。
午前9時。出演者、スタッフ全員が集まって反省会が始まりました。反省会でのみんなの意見を活かして明日の番組に向けての準備がスタートしました。

(飯村 真一アナウンサーの話)
「2時間の生放送の間にも、文字テロップをたくさん作っていくので放送で流れる際に間違いがないか細心の注意を払っている」


「体調管理には特に気を使っている。前日の夜のニュースをチェックしていると1日5時間も眠れない。それだと毎日放送に携わっていて体力がもたなくなってくる。だから1週間の中でとれるときに睡眠をしっかりとったり昼寝をしたりして睡眠不足を解消している。それには家族の協力も大切です」

(上山 千穂アナウンサーの話)
「新聞記事を見ている人が飽きないように展開も含めて面白く1分でまとめることがとても大変です」


「コーナーの時間が決まっているので時間をオーバーするわけにはいかない。コメンテーターに対してはいかに要領よく記事をまとめて興味のあることをコンパクトにコメントしてもらうか、常に意識している」

放送番組審議会からの報告》
7月8日に開催された放送番組審議会では、放送番組全般について審議されました。
次のような意見がでました。

最近の報道・情報系番組は少しマンネリ化しているのではないか。情報の見せ方に新鮮味が見られず事件を取り上げるスタンスに首をかしげることがある。新たな表現方法、番組作りへの挑戦をしてほしい。期待している。
ロンドン同時多発テロの報道であらためてテレビの実力を感じた。若貴問題に関するものは果たして情報なのか。
情報系やエンタテイメント系などの多種多様な番組があってよいがどこかに啓蒙的なスタンスがなければ視聴者を引き付けることが出来ない。
「やじうまプラス」「スーパーモーニング」「ワイドスクランブル」「スーパーJチャンネル」「報道ステーション」この5つの番組はやはり素晴らしい。それぞれが振り切った内容になっている。バラエティーも充実して良く出来ている。

以上、放送番組審議会からの報告でした。

次回の放送は、8月7日(日)の予定です。