● ● ● ● 6月12日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 アナウンサー
上宮 菜々子アナウンサー
スタジオ出演  青木 功(プロゴルファー)
森下 桂吉(テレビ朝日アナウンサー)


【放送内容】
プロゴルファーとして、また全米・全英オープンでのユニークなゴルフ解説者として活躍中の青木 功さんを迎え、“プレーヤー”そして“解説者”の目から見た「テレビとゴルフ」について語って頂きます。

☆ 青木 功氏プロフィール
1942年生まれ。1964年プロに転向。1978年 世界マッチプレー(英国)優勝
これを契機として、80年代からは、海外ツアーでの活動を本格化させた。
1980年 全米オープンでジャック・ニクラウスと優勝を争い2位
1983年 ハワイアンオープンでは日本人男子初となる米国トーナメント制覇を果たす
1992年 シニアツアー参加権利(50歳以上)を得てからは、米国シニアツアーで活躍
2004年 日本男子初となる世界ゴルフ殿堂入りを果たす
60歳を越えた現在もプロゴルファーとしても世界で活躍中、またジュニアの育成にも力を注いでいる。


目黒のゴルフ練習場で収録を行おうとしたところ、いきなりハプニング発生!?
なんと本番直前になって青木さんは、収録場所で突然ゴルフの練習を始めました。慌ててスタッフは収録のための椅子を端に移動することに。 クラブの感触を確かめながらおよそ15分ほどの練習。間近で見るプロのスイングに吉澤アナウンサーそして最近ゴルフを始めた上宮菜々子アナウンサー、制作・技術スタッフ全員、思わず見とれてしまいました。
「結構うまいだろ?まるでプロゴルファーみたいだな・・・」とおどけてみせる青木さん。
“世界の青木”は意外にも!?お茶目な性格のようです。


「世界ゴルフ殿堂」入りについて
青木さんは、昨年、日本男子初となる「世界ゴルフ殿堂」入りを果たしました。 「トーナメントで優勝すれば賞金がもらえるし、日本の代表になれば外国にも行ける。貧しい農家に生まれた私にとって広い世界を見たいというのは大きな夢でした。」
世界中からたくさんの人たちがお祝いに駆けつけた授賞式での喜びのスピーチです。

「家でマージャンをやっている時に“世界殿堂入り”の話を聞いてうれしくてそのままドンチャン騒ぎになった」
「プロになって40年、成績が悪くてプロゴルァーを辞めようと思った時もあるし、それでも『これしかない!』と思ってやってきた、40年間のいろいろな想いをあらためて思い出した」


ゴルフとテレビ
〜プレーヤー青木 功”とテレビについて〜
「試合に出場するようになった時からテレビ中継はあった。スイングする自分の後ろにカメラがいると躊躇する。とてもうっとうしい。集中できなくて考えがまとまらないうちに打ってしまうことも多い。テレビは報道する義務はあると思うが、プレーヤーの邪魔をする権利はないはず。プレーヤーにとって邪魔にならないカメラアングルについてあらためて考える必要はあると思う」
「ゴルフの中継では、優勝候補の選手ばかりを追いかけすぎる傾向がある。もっといろいろな選手の素晴らしいショットをたくさん見せた方が良いと考えている。撮られている本人が時には撮られて都合が悪い時がある。そんな時は中継する側ははそれを察して他のプレーヤーの映像に瞬時に切り替えるなど、選手と中継制作スタッフとのコミュニケーションをもっと密にする必要があると思う」
「アメリカのゴルフ中継のディレクターは試合前にたくさんの選手に会って“この選手は一体どういう考えをしていて、どういうゲームをするのだろうか”いろいろ考えている。選手とディレクターとのコミュニケーションが実にうまくとれている。また選手とギャラリーとの関係もとてもよい関係であると感じる。アメリカのトーナメントは、選手、ギャラリー、ゴルフ中継のスタッフが一体となって“ひとつのトーナメントを作っていくんだ”という想いを強く感じる。」


〜“解説者 青木 功”とテレビについて〜
「ゴルフ中継で解説する際には事前に打ち合わせは行わない。“ゴルフは筋書きのないドラマ”だから実際何が起こるかわからない。自分はプレーする本人になりきってその時思ったことを話すように心がけている」
「解説ブースを出て外で解説をすることがよくある。OBになったボールを走ってこの目で確認してリポートしたり、ターフ(選手のスイングにより削り取られた芝)を手にとり芝の厚さを視聴者に見てもらって実感してもらうなどプレーヤーの視点でいろいろ伝えようと考えている。」
「一番印象に残っているのは2000年の全米オープン3日目、6番ホールでのタイガー・ウッズのセカンドショット。自分では不可能だと思ったプレーをタイガー・ウッズは見事に可能にした。“不可能なことを可能にする”これこそゴルフなのだ、とあらためて思った。あの時はタイガー・ウッズに本当に魅せられた」
「解説をしてみて役に立つことは、人のプレーを見ていて良いところを自分のプレーに生かすことが出来ること。まさに“人の振り見て我が振り直せ”です。これで良いと思ってしまったら人間はこれ以上進歩しない」
「日本のゴルフ中継は、アメリカと違って“笑い”がない、ゴルフは屋外でやっている開放的なスポーツだけにプレー中に面白いことがあったら笑って楽しい雰囲気を出してみても良いと思う。和気あいあいとしながらもプレーの時は集中する、そういうメリハリこそが大事なのではないかと思う」

全米オープンゴルフの見所
(6月17日〜20日までアメリカのパイン・ハーストで行われます)

全米オープンで優勝するのは誰かまだわからない。タイガー・ウッズが優勝するのではないかとみんなは期待していると思うけど、全米オープンは、アプローチとパッティングが良い人が優勝するのではないかと思う」

全英オープンゴルフの見所
(7月14日〜17日までイギリスのセントアンドリュースで行われます)

「最有力候補は、タイガー・ウッズかもしれないが、ヨーロッパの選手たちはみんなコースを研究しているからそう簡単には勝たしてはくれないと思う」

青木 功のこれから
「今までと変わりなくゴルフを愛してゴルフに没頭してゴルフと一緒に人生を旅していきたいと思います」
「ジュニア・ゴルファーの育成について、子どもの笑顔を見たり、子どもと話したりするだけで自分の疲れが一気に吹き飛んでしまう。子どものゴルフは、あまり形にとらわれずに単純にゴルフを楽しめばそれで良いと思う。ゴルフを楽しんで良い思い出をたくさん作ることが大切だと考えている」


放送番組審議会からの報告》
5月27日に開催された放送番組審議会では、「やべっちF.C.」について審議されました。 「やべっちF.C.」は毎週日曜日の夜11時30分から放送。Jリーグ、日本代表を軸として選手の本音・素顔に迫る「日本サッカー応援番組」です。次のような意見が出ました。

サッカーの好きな人が見ている番組。これだけの固定客をつかんでいるのは大したもの。サッカー界でも評価されている。
中高生が一番興味を持つようなスポーツ番組であり、青少年に見てほしい推薦番組に成長すると良い。
試合では見られない選手の人格や人間的な魅力をもっと知らせるような多面性がほしい。
30分番組なのでいろいろな情報を盛り込みすぎて散漫にならないよう、狙いを絞ったほうが良い。「人」を見せるということに絞ってみては。
サッカーは世界最大のスポーツ。それを生かして、番組でも各国それぞれの社会的背景なども分りやすく啓蒙できるのではないか。



次回の放送は、7月3日(日)の予定です。