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新潟テレビ21 報道制作センター 稲田 健助 報道部長の話
「地震による被害の状況は、我々が伝えていかないと関心が薄れてしまう、世論も沈静化してしまい、行政の支援も止まってしまう。復興への道のりを引き続き重点的に取材していきたい」
冨高さんの取材も続いていました。どのような取材を心がけてきたのでしょうか。
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新潟テレビ21 報道制作センター 冨高 由喜 アナウンサーの話 「震災の当事者ではない方々に、被災された方々の困窮する姿、奮闘する姿を伝えることで、支援を募るメッセージを発信できればいいと思う」
冨高さんは、最大の避難所 小千谷市総合体育館で精力的に取材を続けてきましたが、ある壁にぶつかりました。
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新潟テレビ21 報道制作センター 冨高 由喜 アナウンサーの話
「努めて地元の方々を勇気付けるコメントをしようとしてきましたが、被災された方々の吐露する“いつまで続くんだ”という感情を前に、それができなくなってきました」
彼女は、この壁に直面してから、テレビはこの人たちのためにどんなことができるかを、より深く考えるようになったそうです。
新潟テレビ21は、地震のあとも、連日被災地の復興の様子を取材し続けてきました。地震で本殿などが倒壊した小千谷市の神社が新年を迎える準備を、長岡支社の木村さんが取材していました。
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新潟テレビ21 報道制作センター 長岡支社駐在 木村陽介 記者の話
「すごい被害のあった場所の現状を伝えることも大切だが、ローカル局として、被災者が欲しがっている情報をどれだけ伝えられるかに着目しながら取材している」
被災者の前向きで明るい表情に、ほっとする木村さん。取材後、すぐに小千谷市内のホテルへ移動。ここは地震発生時に取材陣の前線基地となったホテルです。新潟テレビ21は、今現在もなお、一室を借り、映像送信装置とファックスを設置。その後の小千谷市の復興する姿を地元局として発信し続けているのです
地元のケーブルテレビ局NCTも、地域に密着したテレビ局ならではのきめこまやかな生活情報や、復興に役立つ情報など、文字情報番組などで伝え続けてきました。
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NCT 村山 公男 専務取締役の話
「最初は、被災被害状況、それから生活支援情報、次に安心、安全情報。大変だ、という一方で、ここは大丈夫ですよ、という番組づくりを心がけています。だから、被害程度の軽度な地域にも取材に行くようにしているんです」
「中でも一番視聴者の方々に喜んでいただいたのは、地震対策本部会議の生中継でした」
NCTは、長岡市役所で行われている災害対策本部の会議を、朝と夕方、毎日2回生中継。被災者からは、市が実施しようとしていることが明確にわかると大きな反響をよびました。
長岡市の郊外に建てられた仮設住宅に富高さんが取材に訪れました。全村移転となった山古志村の人々も、ここで年越しをすることになりました。その仮設住宅の人々はどんな思いで過ごしているのでしょうか?
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新潟テレビ21 報道制作センター 冨高 由喜 アナウンサーの話
「こんな大変な時になぜカメラを回しているのか、と怒られたことがある。逆に来てくれてありがとうと言われたこともあります。それでも、大変なところにマイクを向けて申し訳ない、というという気持ちがいつも強くあります」
大晦日のこの日、冨高さんは小千谷市の浅原神社で行われる恒例の年越し花火大会の取材。この神社も、地震で鳥居が倒壊していました。
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新潟テレビ21 報道制作センター 冨高 由喜 アナウンサーの話
「神社が地震を拾ってくれて、自分たちのところに行かないようにしてくれた、と住民の方々がおっしゃっているんですよ」
彼女はこれから先、どんな報道を目指していくのでしょうか。
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新潟テレビ21 報道制作センター 冨高 由喜 アナウンサーの話
「被災者と直接話しをして、困っているという話を、できるだけ伝えたいと心がけている。また、さらに、小さなことでも何か手伝いになることができたらと思う」
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新潟テレビ21 報道制作センター 長岡支社駐在 木村 陽介 記者の話
身寄りのないお年寄りを仮設で取材した。2年の期限で出なくてはいけない、そのあとはどうなるのだろうという話を聞いた。報道する事でこのような人達を手助けできたらと思う」
阪神淡路大震災から10年たちました。このときの教訓は、どう活かされてきたのでしょうか。
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ジャーナリスト 大谷 昭宏さんの話
「テレビが被災地に必要な情報をどうやって流すかというのは、かなり難しいテーマ。協力して頂いた方に私たちは何をお返しできるのだろうかということは、常に心を離れない」
「今回の新潟中越地震では、阪神淡路大震災の時に比べ、地元のテレビ局が、地域により密着したきめ細かい情報を出していたと思う。少しでも、被災者のお役に立つ報道を心がけているということは、10年越しの教訓が活かされているのかな、という気がする」
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テレビ朝日報道局 関川 修一 副編集長の話
「キー局としては、物質の提供の促進や、ボランティアの喚起など、外側からしか出来ない支援を中心に行っていくことになるでしょう」
「時が経つにつれ、地震報道が他のニュースに埋没していかないよう、継続的に復興の力になるためのニュースを発信していきたい」
「今度、東海・東南海・関東直下型地震など、近い将来に発生が予想される甚大な地震に備えて、ANN加盟局全体で訓練を継続し、災害時に迅速で的確な報道ができるよう努力していきます」
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