● ● ● ● 10月31日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦アナウンサー
上宮 菜々子アナウンサー


【放送内容】
スーパールーキー宮里 藍さん等の活躍で、最近特に人気が高いのがゴルフ番組。ゴルフは、3日間かけて順位が競われ、1ラウンドまわるのに、およそ4度間半もかかる過酷なスポーツ。広いゴルフ場で、大勢の選手が同時にプレーします。ゆえに、中継も大掛かりな規模で行われ、さまざまな工夫がされています。今回は「ゴルフ中継の舞台裏」と題し、2004年10月15日(金)〜17日(日)にかけて行われた「富士通レディース2004」の中継準備から本番までの様子をご紹介します。

中継の準備
 

(中継10日前)
ゴルフ中継の準備は、放送の10日前から始まります。通称「イントレ」と呼ばれているカメラ台は、すべて手作業で組み立てられていきます。細いパイプの上で、作業は慎重に行われます。高さは16.5メートル、ビル5階の高さのものを中心に、ゴルフ場のなかには大小11基ものカメラ台が建てられます。さらに、中継基地となるプレハブの放送センターも作られました。

(中継4日前)
雨が降る中、中継センターとなるプレハブに技術スタッフが集まってきました。次々とテレビモニターや中継に必要な機材を運びこみ、セッティングしていきます。テレビモニターは35台以上。テレビ局の副調整室をそのままそっくり持ち込んだ立派な放送センターが出来上がりました。

放送センターの脇には、マイクロタワーと呼ばれる一番高いイントレが建てられました。コース内のワイヤレスカメラの映像を受信したり、テレビ朝日に中継映像を送信したりするもので、この日はケーブルをつなぐ作業が行われました。高さはなんと24メートル、地上7階相当もあります。

ゴルフ場のなかに、ゆっくりと中継車が入ってきました。狭いカート道路を、芝生を傷めないように、細心の注意をはらって進んでいきます。今回は、中継車が3台使われます。100メートルの光ケーブルが100本用意されました。中継車と放送センターを光ケーブルで繋ぐ作業を始めます。ケーブルを下に這わせず、上に吊ります。ギャラリーがたくさん集まってきても邪魔にならないようにするためで、ゴルフ中継ならではの工夫。広大なゴルフ場のなかで、中継のために使われるケーブルは、なんと全長10キロメートル。

ゴルフ中継の特殊性について担当プロデューサーはこう語ります。


● 斉藤保志 プロデューサーのコメント
「バレーボールや野球との違いは、ボールがひとつではないということ。ゴルフは複数の人間が、別々の組でスコアを競う」
「同時多発でいろんな所でいろんな事が行われている。それを視聴者の皆さんに、わかりやすく、ゲームの流れを途切れないように見せるのが大変なのです」



(中継3日前)
16.5メートルのカメラ台に、滑車を使って手作業で放送機材を吊り上げていきます。カメラ・三脚・レンズなど、総重量はなんと100キロ!大変な力仕事です。
カメラ台はたった1.5メートル四方!カメラマンは、ここでゴルフの競技中、ずっと立ちっぱなしで撮影します。また、競技は、常に何が起きるかわかりません。カメラは、その瞬間をとらえる重要な役割を担っています。


阿達カメラマンのコメント
「 スタンバイを含めて3〜4時間は立っている。一旦競技が始まると降りられないので、トイレは、スタンバイ前に済ませます。ファインダーを覗いている間は、常にボールをはずしてはいけないという緊張、プレッシャーがある。」



放送センターでは、設営が完了し、細かな調整に入ります。用意した20台のカメラがすべてつながり、モニターチェックが行われています。


● 品本幸雄テクニカルディレクターのコメント
「カメラは20台、スタッフは100人近い。ゴルフ中継は他のスポーツ中継やスタジオ番組よりも、技術面でかなり大掛かりなので、人も機械もまとめていくのが大変です」



同時に多くのプレーヤーがボールを打つゴルフ中継。1〜18番まであるホールの中で、主に14〜18番までを中心に中継されます。14・15番ホールは、ワイヤレスカメラの映像が放送センターへダイレクトに入ってきます。16・17・18番ホールは、3台の中継車がそれぞれ1ホールずつを担当し、独自にスイッチングした映像を放送センターに送ります。

全長342メートル以上ある18番ホールでは、同時に2組6人のプレーヤーがいて、そのプレーヤーを6台のカメラを使って撮影します。18番ホールは、特に優勝にからむ最終ホールだけに、ここを担当する中継スタッフは誰のプレーを優先して選択するのか細心の注意を払わなくてはなりません。


● 中継担当ディレクターのコメント
「中継車のなかでは、スイッチャーとディレクターが同じ視点で見ないようにしている。 ディレクターは、全体を見ることが大切」



放送センターには、3台の中継車から送られてくる映像に加えて、2台のワイヤレスカメラやタワーの映像など合わせて、15系統の映像が送られてきます。センターのディレクターは、競技の展開を見ながら、瞬時に映像を選んで中継していきます。

10日以上前から行われてきた準備も整い、いよいよ本番の時を迎えます。


(中継当日)
このトーナメントは3日間行われましたが、テレビ朝日が中継した最終日は、50人ものプレーヤーが決勝に進出。この日は、晴天に恵まれ、たくさんのギャラリーが集まってきます。中継スタッフが本番前の打ち合わせを始めました。


● 斉藤保志 プロデューサーからの指示
「中継では、宮里選手がポイントになる。宮里選手を入れ込んだ画づくりを意識して下さい」



● 放送センターの横井 ディレクターからの指示
「ギャラリーも多く天気も良いので、こうしたカットを入れつつ、プレーをしっかりと見せて下さい」



さっそく練習場に向かったのは、実況を担当する進藤アナウンサー。宮里選手にすかさず声をかけて、インタビューを申し込みました。実況席に座る前に、選手の情報を得ることは、とても大切な仕事です。スタート直前の選手を相手に、細心の注意を払ってインタビューします。


● 宮里藍さん インタビュー
「できるだけ楽しいプレーをお見せしたい」



放送センターのディレクターの横井さんは、注目選手のキャディーさんに、クラブセッティングの確認をして、番組作りの情報を集めています。


●放送センターの横井 ディレクターのコメント
「ゴルフは、同次元で同じ玉が飛び交っている。瞬時の判断が要求される。ドキドキ感を持ちつつ、競技全体を冷静に見るように心がけている」



大会最終日は50人のプレーヤーがエントリー、宮里選手は2位で、上位争いは熾烈です。
1番ホールには、5000人近いギャラリーが集まっていました。丸川アナウンサーは、最終組のひとつ前の組についていって、現場から選手の様子をリポートしていきます。

いよいよ最終組のスタートです。宮里選手、服部選手そして西塚選手。中継では、上位選手が競う最終組のプレーを中心に見せていきます。ただし、前を行く選手の中から、誰が上位に上がってくるかわかりません。同じ時間帯に、異なった場所で、優勝争いに関わるプレーが重なった場合、放送センターのスタッフが、そのプレーを収録しておいて、いつでも放送できる状態にしておきます。中継開始の時間が迫ってきました。


●放送センターの横井 ディレクターの指示
 「まもなく、本番いきます」



太陽の光が反射する池の水面をすべるようにして、コース全体を見せていく美しいオープニング映像は、クレーンカメラで撮影します。

16番ホールでプレーしている佐々木選手の様子を丸川アナウンサーがリポートします。

同時に多くのプレーが異なった場所で行われるゴルフ競技。早くもどのプレーを選択するか、判断を迫られるシーンが出てきました。トップをいく前の組の佐々木選手と、最終組の3位の宮里選手のプレーが同時に行われようとしています。そこで、佐々木選手の中継映像をそのまま先に放送して、その間に、宮里選手のプレーを収録することになりました。そして、横井ディレクターは、佐々木選手のあとに、宮里選手のプレーをすぐに放送することにしました。

2台のワイヤレスカメラは、14番ホールから18番ホールすべてを担当しています。撮った映像は、放送センター脇にあるマイクロタワーに送られます。この日、ハンディカメラは、最終組についてまわりました。

宮里選手を撮っている途中で、突然、ハンディカメラマンが先に走っていってしまいました。どうしたんでしょう?実は、先回りをして、宮里選手を待ち構えていたのです。バーディーパットを決めた宮里選手の嬉しそうな表情を見事とらえました。ハンディカメラマンは、体力的にもとてもハードな仕事です。一緒についてまわっている音声さんも走ります。服部選手のパーパットでは、沈む瞬間の臨場感ある音がとれるように、音が1番良く拾える場所へまわりこみました。

18番ホール、ハイタワーのカメラを担当する阿達さんが、宮里選手ら最終組がやってきたところを、俯瞰映像でとらえました。身長154センチの宮里選手のパワフルなティーショット。迫力ある映像に仕上がりました。

トップ争いをしている最終組の服部選手とひとつ前の組の佐々木選手のプレーが、18番ホールで同時に行われようとしていました。この時、横井センターディレクターは、佐々木選手のプレーを選択。佐々木選手の映像が流れている時に、服部選手の表情をとらえるように、18番ホールの中継車に指示を出しました。18番ホールの担当ディレクターはカメラマンにそれを伝えました。指示を受けたカメラマンは、素早く服部選手の表情をとらえます。中継スタッフの見事な連係プレーです。無事収録することができました。

こうして佐々木選手のプレーのあとに、服部選手の表情を見せることで、横井ディレクターは、優勝争いをする二人の対決ムードを盛り上げました。
このあと、佐々木選手と服部選手によるプレーオフに突入!最後は、服部選手が見事なショットを決め、優勝!
こうして、1時間半の放送は終わりました。スタッフの表情から、中継は納得できるものに仕上がったようです。


●放送センターの横井ディレクターのコメント
 「撮りたいものを、撮って出せた。 勝負どころでの画作りの判断がうまくできたと思う」



●吉澤 一彦アナウンサーのコメント

「今回“ゴルフ中継の舞台裏”をご覧になって頂いたことで、これまでとちょっと違った視点で、さらにゴルフ番組をお楽しみいただければ嬉しいです」



テレビ朝日からのお知らせ
 

・「テスト・ザ・ネイション」IQテスト体験ブース
昨年、話題になった「テスト・ザ・ネイション」が今年も11月3日(水)文化の日に放送されます。インターネットや携帯電話、データ放送で、全国の皆さんに参加していただいて一斉にIQテストをするというテレビ史上初のスケールの大きな番組です。

上宮アナウンサーが、テレビ朝日1階のアトリウムにある「テスト・ザ・ネイション」体験ブースに行ってきました。

●上宮 菜々子アナウンサーのレポート
パソコンに向かうと、実際の番組と同じ形式で問題が出題され、その場でIQ診断してくれます。全部で20問あるのですが、どれも難しかったです。記憶力を試す問題、漢字に関する問題から数学に至るまで、様々なジャンルの質問が出されます。しかも、1つの設問につき制限時間が10秒〜20秒しかないので大変!質問に答える間に流れる音楽にもドキドキします。 体験が終わって、しばらく待つと結果が紙でもらえます。甲子園出場校の戦力グラフのように、言語・数・論理・記憶・知覚の5項目の分析も出てきますが、なんと、私の言語能力は「1」。アナウンサーなのにどうしよう!と大ショック。これから、がんばります!

「テスト・ザ・ネイション」IQテスト体験ブース
テレビ朝日1Fアトリウム  11月3日(祝)まで(土日祝のみ)

「テスト・ザ・ネイション」
11月3日(祝) よる7時 テスト開始



放送番組審議会からの報告》
 
10月15日に開催された放送番組審議会では、「報道ステーション」について審議が行われました。

報道ステーションは、今年4月にスタート。月曜日から金曜日の夜9時54分から放送しています。メイン司会は、古館伊知郎さん。親しみやすく、わかりやすいニュースを目指しています。

次のような意見が出されました。

スタート当初に比べると、硬さがとれて違和感がなくなった。スタッフのチームワークも良くなっている。
4月から半年でとても落ち着いた番組になった。
キャスターたちがかもし出す和気あいあいのスタジオ、知的な感じ、清潔感が、将来はきっと良い武器になると確信した。
難解なニュースも「報道ステーション」ではわかりやすい。スタッフが常に工夫し懸命に取り組んでいるのが伝わってくる。
経済ニュースが弱い。伝え方が難しい素材だが、上手に工夫してほしい。
オープニングのあと、1日のニュースが伝わるヘッドラインが欲しい。

テレビ朝日 ドラえもん募金
 
テレビ朝日では、新潟中越地震災害による被災者を援助するために、
「ドラえもん募金」を行っています。

電話1 本で100円を寄付できるシステムですので、ご協力いただける方は
「0990‐53‐5000」にお電話ください。


なお携帯電話、PHS、公衆電話からはご利用できません。
回線状況により、お電話がつながりにくいことがありますが、ご了承ください。
電話番号のお掛け間違いの無いよう、よろしくお願いします。


次回の放送は、11月14日(日)の予定です。