「速報!甲子園への道」は、夏の高校野球の地方大会の結果を当日の夜にダイジェストでお伝えする番組です。今回2人が取材に向かったのは、昨年の東東京の優勝校・都立雪谷高校と筑波大学付属高校の一戦。試合が行われたのは江戸川区民球場。この日の東京の気温は39.5度。選手・番組スタッフ共に体力勝負です。
古賀さんは1週間で仕事を覚え、ディレクターとしてデビューすることになっています。取材から編集まで独りで行えるようにと、この日から実践訓練に入るのです。もちろん上宮アナも初取材。行きのロケバスでの2人の表情からも緊張ぶりが伝わってきます。
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(ロケ取材)
試合が始まると、古賀ディレクターは、先輩ディレクターから指導を受けながら、自分でハンディカメラを回します。今回、番組では昨年の東東京の優勝校ということで、都立雪谷を中心にした構成を立てることになっています。かつて野球を指導したこともある筑波大学付属は気になりますが、ディレクターとして、都立雪谷側のベンチ・スタンドを精力的に回ります。
上宮アナはスコアブックをつけています。これも、新人アナが覚えなくてはならない重要な仕事。また、合間を見つけて、スタンドで応援する選手の家族の方々を取材しますが、皆さん試合に夢中で思うようにインタビューができません。
午後3時30分、ゲームセット。試合は都立雪谷の圧勝。さっそく、古賀ディレクターはかつての教え子達のいる筑波大学付属のベンチ裏へ、そこでは選手達が皆号泣していました。
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■古賀ディレクターのコメント
「本当だったらそっとしておいてあげたいところだけど、こういう画が高校野球の象徴であり、人の心を揺さぶると思う。最後までしっかり追いかけていきたい」
しかし、彼女は選手達にカメラを向けたものの、インタビューを試みることは出来ませんでした。ディレクターの立場と個人の感情の狭間で、彼女の心は揺れていました。いきなり、取材というプロの仕事の本質を見せ付けられた瞬間でした。
上宮アナは選手達の去ったグランドで、試合のまとめのコメント撮り。しかしなかなかうまくいかず、7回目でようやくOK。「リポート原稿の暗記は大変」
■吉澤アナウンサーのコメント
「コメントはそもそも自分の言葉で語るもの。暗記したものをそらんじるというのは、取材が甘い証拠。これからの訓練の中で、もっと勉強していくことになるでしょう」
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(編集)
午後7時20分、テレビ朝日編集室に戻ってきた古賀ディレクター、「速報!甲子園への道」の3つの取材班のディレクターからテロップ原稿を集めて、電子画へ発注します。ナレーション原稿はディレクターの仕事ですが、今回は先輩ディレクターの仕事ぶりを観察します。
上宮アナは、画にあわせて出来上がったばかりのナレーション原稿を読んでいきますが、なかなかうまくいきません。「スポーツの盛り上がりを表現するための緩急がうまくつけられなかった。まだまだです」
(そしてOA)
深夜0時、放送まであと40分、古賀ディレクターは副調整室で出来上がったテロップをチェック。間違いを見つけ急いで修正。0時40分放送開始、1日の集大成である放送の進行を見守ります。そして0時55分放送終了。ホッと息をつく間もなく、すぐに反省会へ。
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■古賀ディレクターのコメント
「現場での仕事は、まだ想像の及ばないところもあるので、独り立ちしてやっていけるのか不安もあるけれど、また、明日から先輩の仕事ぶりをよく見て、はやく仕事を覚えたい」
反省会は3:00に終了。初日なのでこれで終了だが、本当はもう一仕事ある。
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