1月11日

スタジオ : 吉澤一彦アナウンサー
市川寛子アナウンサー
スタジオ出演: ジャーナリスト 田原総一朗氏


【放送内容】

新春の第1回放送は、『田原総一朗 テレビを語る!』と題し、「サンデープロジェクト」「朝まで生テレビ」の司会者、田原総一朗さんにテレビへの提言・苦言を語ってもらいます。



時代の変遷と「サンデープロジェクト」「朝まで生テレビ」

番組は生き物である。番組が勝手に切り開いた。こんな政治討論番組になるなんて誰も予想してなかった。
両番組が始まったら、ベルリンの壁崩壊、天安門事件、湾岸戦争、ソ連の崩壊など、時代を変え、いきなり世の中を揺るがすような大事件が起こってきた。

政治家にとってのテレビとは

高度経済成長期の頃、政治家はマスコミをほとんど問題にしていなかった。
バブルが崩壊したあと、世の中の流れが変わり、政治家は難しいことを国民に対し、メディアを通じ説明する必要が出てきた。そこで、表情なども伝えられるテレビがもっと大事になり、政治家にとっては重要なメディアとなった。

テレビと政治の関係

□ 政治家に対する田原流スタンス
政治家はテレビを宣伝機関だと思って、自分たちの主張を宣伝している。宣伝の裏に隠されている政治家の本音を引き出したい。
テレビは公平だと思っていない。政治家は本音と建前は違うから、政治家の本音をいかに引き出すかが勝負である。
 
□ 小泉首相とテレビの関係
小泉さんはテレビメディアを使うのがうまい。国民の捕まえ方もうまい。勘がいい。
あれはひとつの才能だと思う。状況の捕まえ方もうまい。

テレビと視聴率

□ 果たして視聴率は重要か
テレビは視聴率至上主義があたりまえ。新聞や雑誌だって売るのに必至。視聴率がとれてスタッフも出演者もプロフェッショナルだ。
しかし、視聴率をとるために何をやってもいいわけじゃない。自分の作りたい番組をやって視聴率をとるのがプロ。
 
□ 田原総一朗の考える番組とは
大勢の人が偏向していると思ったら偏向している。そう思わないぎりぎりのところであえて番組を作りたい。
出演者に惚れているから、惚れている人の本音を聞き出したい、魅力を出したいと思っている。

テレビの現在 そして未来

□ 現在のテレビは面白いか
テレビの人たちが優等生になってきた。安全な道を歩きすぎる。もっと道を切り開き、自分たちで道を作ってほしい。テレビ局に入るとエリートになった気分になるのでは。
昔は映画監督などになれなかったり、記者になれなかった落ちこぼれの人間が、自分勝手にテレビを作っていた。
エリートとは、自分で企画ができる人で、それを実現できて、失敗したときには責任をとれる人である。
 
□ 地上デジタル放送とテレビの今後
テレビは究極はソフトである。自分のやりたい番組ができていればいい。それを視聴者がみてくれる。
「サンデープロジェクト」「朝まで生テレビ」も作りたい番組にしたいと思っている。さらにそれはスタッフが作り出したもので、みんながそう思っている。番組作りは集団作業。みんな参加意識がある。
地上デジタル放送で双方向がうまく入れば導入したい。双方向はとっても大事である。テレビの視聴者は、映画や舞台などと違い「観客」ではなく、「参加」をしている。双方向で視聴者が番組に「参加」できる方向を考えたらよい。
 
□ テレビ業界への提言
テレビ業界が続いていくにはどれだけ新しい企画がでるか。どんどん変わらなければダメ。
変わるということは新しい企画、新しいコンテンツをどれだけ出せるかにかかっている。最近は、昔の企画を真似ている。企画が貧困だ。


次回の「はい!テレビ朝日です」の放送は、1月25日(日)の予定です。