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● 11月17日 ●
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【放送内容】
今回は、テレビ局の中にある「編成部」という部署の仕事を紹介。
この部署の「スポーツ番組」担当に密着します。
編成部とは…
放送全体の司令塔のような役割を担う重要な部署。
編成部の仕事は大きくわけて4つ。
- 番組の放送計画を立てる。
- ドラマ・バラエティー・スポーツ・報道・情報番組などの企画、立案。
- 放送にあたっての社内外との連絡、調整。
- 緊急対応
緊急対応とは…
事件や事故・災害などの社会的に大きな影響がある出来事が突発的に起きた場合、通常の番組に変わり「特別番組」を放送する。
これらの判断・調整をすること。
プロ野球日本シリーズでのスポーツ編成部員の仕事
現在21名の編成部員、うちスポーツ担当は3名。
チーフ:榊原誠治
花畑和宏
保坂有祐
2002年 9月18日
西武ライオンズ、マジック2
この日に西武の優勝が決まる可能性があり、「速報テロップ」などの準備を始める。(この日は、優勝決まらず)
9月21日
西武ライオンズ、マジック1
自力優勝はなく、優勝決定は他チームのナイトゲームの結果待ちとなる。
ナイトゲーム終了後「優勝決定」。
早速、用意していた「速報テロップ」を放送中のドラマ画面に出す指示をする。
日本シリーズ試合中継のための社内会議
テレビ朝日は、第3戦・第5戦を放送予定。
野球放送は延長の可能性があり、その後の番組、放送時間が変更になることを考えなければならない。
会議終了後、放送時間延長を踏まえて日本シリーズの「放送実施要領」を作成。
今回は、試合終了まで放送する予定になっている。
そのために試合の終了時間のあらゆるパターンを考慮して、後に続く番組の編成スケジュールを作成。延長早見表を作る。
今回は、5分刻みでの試合延長時間パターンを考え、試合の延長次第での「後番組の開始時間の遅れ」「中止」などが決められた。
階段延長早見表・・・
番組延長とその後の番組との放送時間の関係をいくつかのパターンにし、その変更を一覧にした表のこと。
階段に見えることからこのように呼ぶ。
「放送実施要項」が決定した事を関係各署に報告。系列23局の担当者にも伝達。
こうした社内の調整だけではない社外との連携をとるのも、編成部の仕事のひとつ。
10月29日
日本シリーズ第3戦当日
保坂担当は、番組内で使用する番組時間変更の告知テロップを作成。
試合開始。
榊原・保坂両担当は、番組放送中はサブにスタンバイ。
ここから、野球担当プロデューサーと 試合の進行を確認しながら放送時間延長の指示を出す。
今回の試合は予定時間内には終了せず「放送延長」が決まる。
「サブ」とは…
副調整室
試合の状況をみて1度目の延長を指示。
「とりあえず、21分延長します」と保坂担当が指示。
「とりあえず」という言葉は、「その後も変更、さらなる延長の可能性あり」という意味で使用している。
この時サブから関係部署に「延長」の連絡を入れる。
この指示により「変更テロップ」が画面にでる。
と同時に放送中継中に「アナウンサー」が放送延長を伝える。
「関係部署」とは… 放送の最終作業をする「主調整室」
視聴者の方からの問い合わせに答える「視聴者センター」
放送時間の変更がある「後の番組担当者」 など。
試合の状況を確認しつつ「延長」の判断を繰り返し、その都度同じ作業をする。
「54分延長」判断をしたところで、今回は後の番組「ロンドンハーツ」の休止が決まり、関係部署に連絡。
最終決定は「65分延長」
11分遅れで「ニュースステーション」放送スタートとなった。
中継放送終了後、「編成局」に戻り「作業の事後処理」と「報告書作り」をする。
この日は、深夜に「アジアU−20選手権」の放送があり、この中継も延長が考えられるため準備に入る。
深夜12:26からの放送。
この時には再びサブへ。試合の動きを確認しながら「延長」の指示を出す。
深夜2:31試合終了。
「編成局」に戻り、事後の作業を終え、1日終了。
スポーツ生中継というのは「種目」によって延長の形が異なる。
したがって、スポーツごとに実施要領がある。
事故のない放送をするためには、各部署との連携がとても重要。
その為に「とりあえず」とか「決定です」とか…今の状態をはっきり伝える言葉をルール化、それを用いて伝達するようにしている。
11月20日(水)
サッカー「日本VSアルゼンチン」
11月24日(日)
第20回記念大会「全日本大学女子駅伝」
12月 1日(日)
「福岡国際マラソン」
放送時間…等、詳しい情報については
「テレビ朝日ホームページ スポーツ」でご確認ください。
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