11月3日

スタジオ : 吉澤一彦アナウンサー
松尾由美子アナウンサー
  掘越 むつ子 テレビ朝日番組審議局・ 番組審議会事務局長



【放送内容】


今回は、10月24日に決定した「プログレス賞」の受賞作品の紹介と10月の 「 放送番組審議会 」の報告です。



《番組審議会からの報告》

対象番組:「スーパーモーニング

《「プログレス賞」」受賞作品発表》


2002年度「プログレス賞・最優秀賞作品」は
11月11日(月)深夜2:57〜再放送いたします。


「プログレス賞」とは

「PROGRESS」とは、進歩・向上などを意味する言葉。
この賞は、制作者達の日々の努力の過程を評価していこうという目的でもうけられた賞であり、対象作品は、テレビ朝日系列24局が去年の4月から今年の3月までの1年間に制作・放送した番組。
その中から、各局の 放送番組審議会 が優秀なものを選出し、その作品に贈られるもです。
作品のジャンルは問いませんが、評価の基準は、地域に密着したテーマ、それぞれの 放送局ならではのこだわりのある作品であるかどうかという点です。
今回の受賞作品は、下記の作品です。


今回の受賞作品

最優秀賞・・・
「大地の記憶 〜集団自決 57年目の証言〜」 (制作: 北陸朝日放送
【選考のポイント】
忘れ去られようとしている史実にスポットを当て「戦争の悲劇」を語り継ごうとしている姿勢が選考理由でした。
開拓団の集団自決の背景にある歴史的真実を冷静に追跡している点が高く評価されています。
この作品のディレクターの元で作品制作後すぐに「新しい命」が誕生しました。
こうして新しい命に「歴史は受け継がれていく」のでしょう。
【ディレクターコメント】
「戦後が終わった」という認識が日本人の多くにあります。
それを掘り起こす為には「当時、日本人が悲惨な戦争の被害者だったこと」また、「加害者としての日本人」や「共に苦しんだ近隣アジアの人たち」を取り上げることが必要でした。
しかし、それらを作品の中に描くことが、とても大変でした。

優秀賞・・・
「琉球に沈む太平洋巨石文明 〜沖縄海底遺跡の謎3〜」 (制作: 琉球朝日放送
【選考のポイント】
第3弾にて「新しい発見」があった事も評価された点。
今回、新しい試みとして海底遺跡の様子を「CG」を使い説明、ペルー取材を敢行、地元に根付いた作品ながらグローバルな視点で作品を作った事が評価されました。
【ディレクターコメント】
今回の取材は「与那国」が中心でしたが、その他の海底遺跡といわれているところも激しい海流の場所が多く、撮影がとても困難でした。

奨励賞・・・
「緑の大地に夢馳せて 〜110年目の岩手・小岩井農場」 (制作:岩手朝日テレビ
【選考のポイント】
自然の移り変わりと農場で働く人達の姿を通しての「小岩井農場」の様子を伝える。
作品は「宮沢賢治」の詩と共に進んでいく構成になっていた。
この作品は、「心和む作品」との評価。併せて「地元ならでの密着した取材」があり、「BSE」や「林業の衰退」などという社会的な背景もよく描かれているのも選考されたポイントです。
【ディレクターコメント】
一般的に小岩井農場は「観光農場」と思われています。
現実は違い、林業や畜産などをやっている日本で唯一の「民間総合農場」。
「本当の小岩井農場」というものを知らない若い世代の人達に「真の姿」を伝えたいという思いでこの作品を作りました。

奨励賞・・・
「手を握るしかできない 〜パニック障害との闘い〜」 (制作:名古屋テレビ
【選考のポイント】
社会的には殆ど認知されていない「パニック障害」
この病気の克服していこうと頑張る患者の方々の姿を捉えた作品であり、社会性の高さが評価された。
この作品のディレクターは、「カメラマン」であった。
そのため、作品上の映像も独特かつ説得力のある画が評価された。
タイトル「手を握るしかできない」もそんな彼の思いからつけられた。
【ディレクターコメント】
自分の作っているHPにアクセスしてきた「パニック障害」に悩む女性からのアクセスが番組のきっかけでした。
「パニック障害」という症状に悩む人たちのネットワークは、調べれば調べるほど広く、これは一度「きちんと取材をして報道する必要があるのではないか・・・」と思い、番組を制作しました。