9月15日

スタジオ : 吉澤一彦アナウンサー
松尾由美子アナウンサー
ゲスト  : 和田秀樹 (川崎幸クリニック老人科 精神科医)



【放送内容】


今回は「高齢化社会とテレビ」と題して、これから進む高齢化社会の中でのテレビ放送の役割・あり方…等を考えていきます。



《日本の高齢者人口の推移》

2002年4月1日
60歳以上の人口
約3134万人
(総人口の24.6%)…総務省統計局調べ

2020年には…
約4182万人
(総人口の33.7%)…国立社会保障・人口問題研究所調べ

このような流れを受けて、来年から開始される地上波デジタル放送では、「高齢者にやさしい放送」にするために字幕放送を多くするなどの取り組みが進められている。

《街の声を聞いてみました》

Q. あなたにとって「テレビ」とは?
A. 必需品。
生活の一部。
大切な情報源。…など

Q. 「テレビ」は必要ですか?
A. 情報入手の手段、現場の状況を知る上で必要。
討論会などでさらに詳しく理解できるから必要。
勉強という意味で必要。
インターネットなどでニュースを見るから不必要。…等
アンケート結果
(対象:60歳以上 街頭152人 番組調べ)
  必要  94.7%
必要ない 1.3%
回答なし 3.3%

Q. よく見ている番組は?
A. トリックもの・サスペンスドラマ(60代)
政治・討論もの(60代)
ドキュメンタリー(60代)
企業・事情についてのサクセスストーリーもの(60代)
旅番組(70代)
ニュース(70代)
ドキュメンタリー(70代)
ドラマ(70代)
碁の番組(80代)
大河ドラマ(80代)
素人のど自慢(80代)…など
アンケート結果
(対象:60歳以上 街頭152人 複数回答あり 番組調べ)
  1.ニュース・報道番組 82.2%
2.天気予報      68.4%
3.旅行・紀行番組   50.0%
4.スポーツ      36.8%
5.旅行番組      30.0% 

Q. .テレビに対して一言
A. なるべく良心的なことをやってもらいたい。
「野球放送」の時のCMの入れ方を工夫してもらいたい。
「きゃーきゃー」と騒がしいだけのものはテレビを消してします。
空き巣の手口などを見せてしまうのはよくない。
子供に見せたくない「過激なもの」などは避けてほしい。
歌謡番組・懐メロを増やしてほしい。
英語が多くてわかりにくい。
民放でも教養のある番組をもう少し多く。
演歌の番組が見たい。
世の中をちゃかした番組は、子供にとってよくない。…など



《一般家庭の一日を拝見》

「重田さんご夫妻」の場合
埼玉県在住。
光雄さん(80歳):サラリーマン生活終了後、自営業10年。現在はリタイヤ。
節子さん(71歳):専業主婦。
   
5:45 朝の番組をつける。
6:06 ご主人、起床。
ザッピングしながら「情報系の番組」を見ている。
9:09 テレビを消す。
10:54 テレビ再開。
2人で「再放送ドラマ」を見る。
11:59 「ワイドショー」をみながら意見を言う。 
15:30 2人そろって「サスペンスドラマ」をみる。
17:00 テレビを消す。…2人で世間話。
奥さん、番組が気になりテレビをつける。
17:14 ご近所の奥さんがやってくる。
(テレビはつけたまま)
18:30 2人で夕食。
20:00 2人で「懐メロ番組」をみながら、歌う。
21:00 お気に入り「ドラマ」。
22:05 テレビを消す。
  終了。
〈この日の総視聴時間〉
  全21番組 13時間17分

高齢者2人でいるご夫妻としては、平均的なこと。
テレビを通して会話を楽しんだり、共通の話題を持ったりしながら過ごしているから。
子育ての代わり…。テレビが自分たち以外の「3人目の家族」となっている。
(和田氏 談)

女性は年齢を重ねるとともに段々とテレビの視聴時間が長くなる。
一方男性は、定年を機に家にいる時間が増える。そこを境に、テレビの視聴時間が急増する傾向がある。
これは、働いていた頃と同様に社会との接点を持つための情報源としてテレビを活用しているから。
(和田氏 談)     


《街の声をうけて》…(和田秀樹氏 談)

テレビは、いろいろな意味で「心の友」になっている。
脳の老化予防としても関わりがある。

今の時代「高齢者」というイメージを作り手側がもう一度、考え直す必要がある。
昔ながらの「高齢者」=「時代劇」というものではない。
高度成長期時代に社会に貢献してきた人たちが「高齢者」となってきた現代、テレビ番組の好みも以前とは違ってきている。

現代は、人としてのタイプ(価値観)が世代によって分けられる傾向にある。
一方の方向性(シゾフレ型)だけでテレビを作っていくと「高齢者」にとっては興味のないものばかりになってしまう。
この傾向を考えてテレビを作るようにするといいのでは。

現代の「高齢者」=メランコ型人間
現代の「若者」 =シゾフレ型人間
メランコ型とは…個人主義で競争志向が強く自分の価値観を重視する。
シゾフレ型とは…自分の意見よりも他人の意見に迎合しやすい。

テレビは「高齢者」の社会参加のためのツールである必要がある。
意見を言える場であったり、社会に参加する場であったり、情報を入手する場であったりする必要がある。

テレビが生まれ育った時代を共に生きていた人たちが、今の「高齢者」の方々。
このことを踏まえ番組を作ることが大切。
「懐メロ」などのジャンルに入る曲も様変わりしてくるだろう。

日本の「高齢者」の方々は、他国と比べ「知的水準も高く」「経済的にも豊か」。
彼ら向けの娯楽提供・ビジネス…が十分成り立つ。
テレビ番組をもっと工夫すべき。

高齢者は、「今まで使っていたもの」は案外使いこなせるもの。
従って、パソコンの「キーボード」などよりは「リモコン」の方が使いやすい。
リモコンの操作をより工夫することでテレビの用途も更に広がる。