8月18日

スタジオ : 吉澤一彦アナウンサー
掘越むつ子(アナウンス部 部長)



【放送内容】


「新人アナウンサーの研修」と題して、
入社から3ヶ月の間に行われた研修の様子、初めての取材、
そして最終課題でもある「高校野球中継リポート」に密着。
新人アナウンサーの研修の様子をお送りいたします。



《2002年度「新人アナウンサー」プロフィール》

吉野真治 : 東京都出身。学生時代はサッカー部。
体育会系のリーダ的存在。
清水俊輔 : 神奈川県出身。スポーツ実況をするのが小さい頃からの夢。
目標は、オリンピック中継。
松尾由美子 宮崎県出身。小柄ながら声は大きく、とにかくいつも元気。

現在、テレビ朝日には、男性36名、女性22名、計58名のアナウンサーが在籍。
アナウンサーの仕事は「ニュース」「スポーツ実況」…などに始まり、「ワイドショーの司会」「料理番組」「バラエティーのアシスタント」…等、さまざまな役割を期待されるようになってきました。

《新人研修 主な課題》

発音・発声
ニュース
フリートーク
リポート
インタビュー
ナレーション
実況練習
野球講義
スコアブック読み
情景描写
天気予報

期間:5月~7月の3ヶ月間。
研修中の7月中盤には、それぞれが「現場デビュー」をする。
研修最後の課題は「高校野球中継リポート」。

《高校野球中継リポート、密着》

7月26日:
スポーツ局にて「2002高校野球中継」会議に出席
担当プロデューサー、ディレクターより中継でのポイント・注意点などの具体的な指示を受ける。

Q. リポートのポイントは?(プロデューサー 三平裕之氏談)
A. 一般の高校生達の試合を紹介するにあたり、彼らにはプロ選手のような知名度がない。視聴者の方に、その部分をいかに伝えるか?
日頃の彼らをどれだけ伝えていけるか…という点にあると思います。

Q. 放送中、リポートの入る回数は?
A. 5~8の話題を用意して、実際入れることのできるのは、最低…“1つ”でしょう。

7月28日:放送日前日
球場にてリポートの準備。開会式から2週間、取材を続けてきた。
各自が、取材のポイントを持って本番への準備をしている。
試合中、応援席でそれぞれが「ネタ」(リポートの材料)を探す。
試合途中、放送席の先輩アナウンサーのもとへ。
自分達が集めた「ネタ」を報告してアドバイスを受ける。
試合終了後、会社に戻り「報告」をまとめる。
スポーツ局の「リポート会議」に出席。
自分達が取材してきた内容を報告、実際に採用するか否かが会議で検討され、明日のリポート内容が決まる。
アナウンス部に戻り、3人でレポートの練習。

7月29日:放送当日「西東京大会決勝戦」
両校の応援席に別れ、リポートをする。
自分の取材した内容を始めてリポートする。
初めての事でリハーサル中には失敗も…。
しかし、本番に入ると自分達の取材内容をしっかりと伝えることができた。
終了後、先輩からアドバイスを受け、合格点をもらう。
試合会場から戻り、試合VTRをみて「反省会」。
それぞれが自分達のレポート部分を見直し、アドバイスしあう。
先輩アナウンサーからのアドバイスも次回に活かせるよう、メモを取る。

8月5日:卒業VTR制作
7分間の「ニュースコーナー」を制作。
実際のスタジオで「ニュースの原稿」「VTRの紹介」「フリートーク」この全てを入れた7分間のコーナーを1人で作る。
フリートークについては「自分らしく、のびのびと」というアドバイスを受け、準備に入る。
このVTRの制作が終わり、閉講式(アナウンス部長よりの総括)があり、「アナウンサー新人研修」は、すべて終了した。

《アナウンサーとして》(アナウンス部長 掘越むつ子氏談)

新人アナウンサーについて…
まずは、「プロ」としての自覚を持ってもらいたい。
アナウンサーは、「言葉を手段として」正しい情報を伝えるのが役目。
「正しい発音」「正しい表現」「正しい言葉」を身につけておくことが重要。
物事を正しく伝える土台作りを新人の時代にきちんとしておくこと。
プロになって3年の間に「基礎問題」はすべてできるようになっていて欲しい。
基礎問題=「生中継」「取材・リポート」「スタジオワーク」…などのこと。
それ以降に「応用」がいっぱいある。
ここで個性をだし、どんどん成長していって欲しい。
入社してからの3ヶ月の研修はその「土台作り」の第一歩。
今回の研修で一番重視したのは「実況練習」。
これは、目にしたモノを「全て言葉にする」といった作業。
これを訓練することは非常に重要であり、「スポーツ実況」などだけでなく、瞬時に状況を判断する必要がある場面で役に立つ。

ここ最近は新人アナウンサーがかなり早い時期に現場に出ることが多くなってきた。
結果、現場での経験を重ねながら成長していく。
このことは「番組」「視聴者の方」がアナウンサーを成長させてくださっていることであり、いかに「愛されるアナウンサー」になれるか?ということが重要。
「テクニック」ではなく、自分達自信の「心の成長」「成熟」が大切なのでは。

失敗を恐れず、いろいろな事にチャレンジしてほしい。
そして、人間として愛されるアナウンサーになってもらいたい。