7月21日

スタジオ : 吉澤一彦アナウンサー
松尾由美子アナウンサー


  北澤晴樹(ANNニュースセンター)




【放送内容】


「政治」「経済」「世界の動き」「天気」「流行」…等の最新情報を伝えているのが「ニュース」。
このニュースは、どのようにして項目が決められるのか?
そして、ニュースを作る現場は、今何を目指しているのか?
編成デスクの仕事を通して「ニュース項目」が出来るまでをお送りします。

「ニュース報道」のポイント(1) (北村氏 談)
「速く」「正確に」「公正に」
この3つの点に基づきニュースを送り出すことが重要。
「社会的関心度」がどれくらいあるか?という点が、
情報を取り上げる基準(ニュースの価値判断)になる。

 《ニュースの制作現場》に密着

テレビ朝日のニュース番組

「ANNニュースフレッシュ」 午前 6:10~
「ANNニュース」 午前11:45~
「ANNニュース」 午後 2:55~
「スーパーJチャンネル」 午後 4:55~
「ニュースステーション」 午後 9:54~

これらの番組は、ANNニュースセンターのフロアで作られている。
このフロアにあらゆる方面からの最新情報が集められる。

(取材から原稿書きまで)情報を集めてくる担当= 出稿部。

出稿部(取材担当)は
治部・外報部・経済部・系列局部・社会部・ウェザーなどに分かれ、
専門的情報を取材。

これら出稿部が集めてきた情報をもとに定例ミーティング(予定会議)が行われる。
そこで情報を整理、「どの時期に」「どの番組で」「どのように伝える」かなどの方針を決める。

予定会議の中心になるのは「編成デスク」。
編成デスクが、各出稿部からの最新情報を聞き、ニュースの「ネタ」の優先順位を決める。

編成デスクは、「予定会議」での方針決め、
その後の「ニュース項目の差し替え」「原稿のチェック」「放送の立ち会い」までを行う。

  ~7月10日の場合~

「台風6号」日本列島直撃。
11日深夜0時頃、関東地方へ接近。
 
10日 午後6:20 ウェザーセンターに最新の情報が入ってくる。
   ↓
10日 午後7:00 翌日のニュースの為の「予定会議」。
ウェザーからの報告、経済、社会部…等からの報告を聞く。
   ↓
10日 午後8:00 編成デスク、翌朝の「項目表」作成作業。「第0稿」を作成。
デスクの判断により「台風関連」の情報が主な内容に。
「社会的関心度」を配慮しての決定。
社会部などに「台風関連情報」が続々と集まる。
編成デスクに情報をまとめて報告する。
情報を伝える順番なども考え変更。
編成デスクは「第0稿」の項目を入れ替える。
「第1稿」作成。
   ↓
11日 午前1:00 社会部から最新情報が入り、ニュース項目の入れ替えを検討。
台風により2つの大きな事故発生。
このニュースを項目にいれる。「第2稿」
   ↓
11日 午前4:40 編成デスク、決定稿「第2稿」の原稿チェック。
朝ニュース用。
原稿チェック終了後、尺調整。
尺調整とは、それぞれのニュース項目の時間配分を調整すること。
この時、新たな情報「インタビュー」を項目に入れることとなり、尺調整。「第3稿」
   ↓
11日 午前6:10 「ANNニュースフレッシュ」放送
   ↓
11日 午前8:30 昼ニュース担当の編成デスク出社。
引継を行い、業務終了。(野田デスク→辻デスクに交代)
   ↓
11日 午前9:00 昼ニュースの「予定会議」
編成デスク、取材内容報告をまとめ、項目作成。
台風が治まりつつあるため、昼ニュースの項目には、政治・経済・社会・海外情報までの幅広い情報が項目に入ってきた。
   ↓
11日 午前11:45 編成デスク、ニュース本番立ち会い。
   ↓
11日 正午 午後ニュースの項目準備。
昼で伝えきれなかったニュースを報道するようにしている。


この後も新たな情報が入ってくる度に対応、
最新の情報、「関心度の高いもの」をいち早く伝えるよう作業は続く。

ニュース報道のポイント(2) 選び方の基準
「速く」「正確に」「公平に」
   
「速く」「正確に」= 災害報道などは、人命にかかわること。
「台風」「地震」「津波」…などの情報はできるだけ速く正確に伝える必要がある。
「公平に」= 送法にも義務づけられているように、1つの物事をあらゆる角度から検証し情報として伝えることが重要。
「放送法」:意見が対立している問題については出来るだけ多くの角度から論点を明らかにすること。・・・第三条の四
「社会的な関心事」= ニュース番組で取り上げる順番やボリュームに関係してくる。
上記の基本を踏まえた上で、
各番組で「伝えるニュース項目の選び方」に特色がある。
「スーパーJチャンネル」… 後半(6時以降)のニュースは、1つの出来事を掘り下げて伝えるように心がけている。
番組の特徴としては、主婦や子供達が興味を持つような身近な話題を取り上げるようにしている。
ニュースの内容で司会者の特徴を活かせるような内容は、取り上げるようにしている。
「ニュースステーション」… 「ニュース性の高い」特集と「別の目的の」特集を番組構成上使い分けている。
「特集」については、事前に司会者達がVTRを視聴。
それぞれが意見を持って、番組本番へ。
視聴者の方々にも喜怒哀楽を感じてもらえるような「特集」づくりを意識している。


ニュース報道のポイント(3)
放送時間帯などに応じて番組ごとの特色も打ち出すが、いずれにしても「限られた時間内に」「最大の情報を」、「視聴者の方々の関心度」の高さを念頭に「速く」「正確に」「公平に」報道するよう心がけているということです。