7月14日

スタジオ : 吉澤一彦アナウンサー
松尾由美子アナウンサー


  今村千秋(コメンテーター室)




【放送内容】


テレビ朝日では、7月から多くのドラマが始まりました。
今回は、その中の2つのドラマに密着、制作現場の様子を
お伝えしていきます。併せて「放送番組審議会」報告。

作品は、
7月5日 夜11:15スタート 金曜ナイトドラマ「ツーハンマン
7月8日 夜 7:00スタート 「暴れん坊主将軍
 ツーハンマン」の制作現場に密着

撮影には、40~50人ものスタッフが参加、それぞれ作業をしている。
監督・助監督を中心に打ち合わせ開始。
撮影台本にカット割り(*1)
 ↓
カメラリハーサルなどを繰り返し、それぞれのカメラワークや役者さん達の動きを確認、本番撮りをしていく。
この際、サードの助監督(*2)などは、撮影の為の準備やバミリ作業(*3)
時に助監督は、エキストラの(*4)演技指導などをするのも重要な仕事。
屋外のロケは時間との戦い。
日の光や影との関係などを気にしながら作業を進めなくてはならない。
照明スタッフがレフ板(*5)などを使い、光を調整したりすることもある。

*1「カット割り」…場面をどのように撮影するかを決めること。
*2「サード」…複数いる助監督はファースト、セカンド、サード…と呼ばれ、それぞれ仕事内容が異なる。
*3「バミリ」…ガムテープなどで役者の立ち位置などに目印をつけること。
*4「エキストラ」…映画やテレビでメインの出演者以外に通行人や群衆などを演じる出演者のこと。
*5「レフ板」…光を集め反射させる特殊な銀色の板のこと。

 
“ドラマ作りにおける演出の心得は?”(松田秀知監督 談)
全てが手作り。数秒のシーンを幾つも重ねて、やっと数分のシーンが出来上がる。
1つの作品はその作業の繰り返しで出来上がるモノ。
それぞれの過程に愛情なり、優しさなりを持っていることで役者さんもスタッフものってくる。結果、良い作品になる。
現場の雰囲気をいつも把握している必要がある。
 
(スタジオ)
「通販業界」を舞台にしたドラマは初。
時代を映し出すドラマとしては、とてもおもしろいのでは?
ドラマ内で紹介した商品が「実際に購入できる」という試みも話題を呼ぶことになるのでは…。

 暴れん坊将軍」エキストラ撮影現場に密着

12回目の新シリーズスタートにあたり、視聴者の方々の出演者を募集。
応募総数527通。
その中から最終選考、結果7名が決定。
この7名の方々はエキストラとして「江戸の町の人々」に扮し、主演の松平健さんと共演。

第4話・第8話の撮影に密着
エキストラ出演者:京都市在住 下村 渓子さん
         千葉県在住 植田 洋介さん
               植田 豊子さん ご夫妻
(その他の方は、別の放送回に出演予定)
 
午前7:00 植田夫妻、東京出発、京都へ。
   ↓
午前9:30 東映京都撮影所到着。京都在住の下村さんと合流。
撮影スタッフの案内にて撮影準備に入る。
撮影所内の「俳優会館」にてメークや衣装などの出演準備をする。
   ↓
  「俳優会館」到着。
すぐに結髪室(*)にて「かつら合わせ」。
結髪担当が、役柄にあった「かつら」を選び、サイズ合わせやのせ具合の調整。
   
「結髪」… 役者の髪型を準備する専門の人達のこと。
時代劇など時代考証が難しいものについては、熟練の結髪さんが担当。
女性は、一度かつらをはずしメークをする。
メーク終了後、最終的にかつらをつける。

“視聴者エキストラを迎えて気を付けた点は?”(結髪担当:山田真佐子氏)
「かつら」を付けることが初めての人は、付けたときの違和感(痛みなど)の具合がよくわからなかったりすることがある。
季節的な事なども考慮しつつ、本人に合ったものを選ぶ。
また、撮影は長いので、かつらをつけるタイミングなども考える。

   ↓
  次に「美粧室」にてメーク。
ここでは、全ての役者さんが浴衣姿。
時代劇用のメークがしやすいように。
男性の場合は「メーク」と「かつら」を両方ともここで行う。

“メークをするときに心がけることは?”(美粧担当:久斗敏厚氏)
その人達の良い面を出してあげるように心がけている。
持ち味を活かした化粧をする。

   ↓
  「衣裳室」にて衣装をつける。
時代考証や役柄、身分に至るまで衣装で表現。
担当は、衣装の着方や付けている小物、細部にわたり神経を使う。

“視聴者エキストラに対する感想は?”(衣裳担当:下村千里氏)
ありがたいと思います。
今回のような体験をしていただくことによって、裏で支えるスタッフのことも感じてもらえるようになるでしょう。自分達もさらに一生懸命になると思います。
その結果、より作品を楽しんでもらえるようになるのでは…。

   ↓
  撮影現場へ移動。
助監督より撮影スタッフへ出演者紹介。
   ↓
  撮影準備。
今回は「4話:植田夫妻出演」と「8話:下村さん出演」の回を一度に撮影。
話数が違っていても「同じ場所でのシーン」がある時にこのような撮影方法をとることがある。
   ↓
  段取りを説明。
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  リハーサル。
   ↓
  本番。
   ↓
午後  
2:30 2組の出演シーンのみ、撮影終了。

“視聴者エキストラに対する感想は?”(森本浩史監督 談)
日常での動きとは別に、撮影の中での動き(決まり事)などがあり、
その事を気にしながら自然に見せることが難しい。
そんなことも含めて良い経験をされたのではないでしょうか。

“エキストラ出演を終えての感想”
下村渓子さん: 一生に一度あるかないかの経験。貴重な体験ができました。
相手の役者さんが自然に話しかけてくれたことで、撮影中はとてもリラックスができました。
植田洋介さん: 突然セリフをもらった事に驚いた。
実際やってみて心配してたよりはスムーズにできたように思いました。
植田豊子さん: 今までテレビで見ていて、多少思っていたところはあったが、思っていた以上に撮影は大変だということを実感しました。
今後、番組の見方が多少変わるように思います。


このような形で「時代劇」と「視聴者の方々」が交流を図るといったことは重要。
このような経験をすることが、結果「メディアリテラシー」ということにも
つながるのではないでしょうか。

メディアリテラシー:メディアからの情報を的確に判断し読み解く能力
 
 放送番組審議会」報告
対象番組:「決定!これが日本のベスト100

放送と青少年に関する委員会」声明