4月21日

スタジオ :

吉澤一彦アナウンサー
武内絵美アナウンサー


ゲスト  : 水越 伸
東京大学大学院情報学環 助教授「メディアリテラシー」の実践・研究を行う。

【放送内容】

今回は、「メディアリテラシー」を番組で取り上げての第6弾。
視聴者の方にビデオ制作を体験していただきました。
実際に取材したVTRの編集・作品完成までをお送りします。

  「メディアリテラシー」とは・・・

新聞・テレビ等の「メディア」からの情報を 「一方的な受け手」に なるだけでなく、メディアの仕組みや現状などをよく知り、 情報の選択をする能力を身につけること。
「メディアリテラシー」で「体験する」(実際にビデオ制作をする)ということは 作品のできとは別に、メディアを身近に感じ、理解する上で重要な行為。
今回の「編集」という作業は、一般には知ることができない部分。 この作業をすることによって新たにわかることもある。

(水越氏 談)

  『ビデオ制作』体験

ビデオ制作メンバー:

横浜市保土ヶ谷区の「まちのメディア研究会」のみなさん8名。
男性4名・女性4名の2チームに分かれ、ビデオを制作。

「まちのメディア研究会」とは、
20代〜70代のメディアに関心がある人々が、定期的に集まり、意見の交換・研究などを行う市民グループ。




《前回までの流れ》

『制作開始』

3分のビデオ作品を作る。テーマ:「保土ヶ谷」
女性グループ・・・ 保土ヶ谷在住の世界的舞踊家・大野一雄氏(95歳)を通して「保土ヶ谷」を描く。
男性グループ・・・ 保土ヶ谷の宿場町ができて400年。
「保土ヶ谷宿400年倶楽部」(市民サークル)を通して町づくりを描く。
 
『事前用意』

各グループが制作にあたり、担当を決め、準備。
 
『ロケ』

取材開始。現場で相談しながらロケを進める。
テレビ朝日スタッフが、同行、ロケ中にアドバイス。



《今回》

『編集』

「取材したテープの確認作業」
全ての素材をもう一度見直し、編集方針を決めていく。
その際に「使いたい素材」「使えない素材」などを選択。
「映像のみ使用」「音のみ使用」「映像の順番」・・・等を話し合い、より良い効果が出るように組み立てていく。
「「テロップ」の入れ方を考える」
仮編集で仕上がった素材をみて、テロップの内容を決める。
位置・言葉の量などを整理する。
「本編集」
映像を3分の長さに仕上げる作業。
テロップを実際に画面上にのせ、文字のバランスなどを調整をする。
 
『音処理をする作業』

出来上がった素材にナレーションと音楽を付ける。
 
『完成』

本編集を終え、音の処理をして完成。
完成後、それぞれのグループの作品を全員で試写。
意見交換。



『試写を終えて』

(女性グループ)

相手の作品に対して:
保土ヶ谷の紹介番組としては正統的作品。
石碑の紹介の際、映像が短すぎて文字などが読めず「不親切」では。
3分という短い作品の中で多くの情報を入れたいと思うあまり
1つのカットが短かったように思う。
制作した事、全体を通して:
画面を通して「テーマ」が伝わったと思う。
希望の映像が、一部入らなかったことに少々後悔。
すごく大変だった。
それぞれの意見をまとめることが難しかった。
取材し、何度も映像を見ている自分達にはわかる事柄が、
初めて見る人達には「伝わるのだろうか?」という思いを持った。

(男性グループ)

相手の作品に対して:
取材対象の魅力が伝わってくる良い作品だと思った。
映像に出てくるモノの付属的意味をもう少し補足して欲しかった。
制作した事、 全体を通して:
満足できるところまで仕上がったと思う。
お互いが意見を出し、協調しあう「チームワーク」を感じ、その総合的作品がテレビだと思った。
今回の作業を通して、いろいろと学べたと思う。



『スタジオ』

「放送される」ということを前提に作品をつくる。
このことは、家庭などで「ビデオを撮って、見る」という行為とは意識の上でかなりの違いがある。
ここが重要な点。作業上の視点が変わってくる。
作る過程を知ることも重要ではあるが、その過程で「意見の交換」をしあい、ディスカッションを重ねることが「メディアリテラシー」ということにつながる。
作品試写が終わってからは「作業を経験したからこそ」の意見があり、これも「メディアの理解を深める」という点において、1つの成果では。

(水越氏 談)