バックナンバー

#976
2025年8月24日

ニュースを支える報道編集

【番組司会】山口 豊(テレビ朝日アナウンサー)
      八木 麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
ニュース番組で流れるVTRを編集する
「報道編集」の仕事を紹介します。



<“報道編集”とは>
報道番組に欠かせない、様々なニュース映像。
制作しているのは、「報道編集」という部署。
取材映像や音声を、整理・加工し、
ニュースをわかりやすく伝えるVTRを制作。
朝の情報番組から夜の報道番組まで、
総勢170人以上の編集スタッフが24時間、
シフト制で、テレビ朝日のニュースを支えています。



<“報道編集”の仕事に密着>
朝10時、報道編集の現場はミーティングから始まります。
デスクの岩崎さんから、今日のニュースの予定などを伝達。
スタッフ全員で情報を共有します。


ミーティング終了後、
スタッフはまず自分の作業スペース(編集ブース)を確保します。
大きなモニターには、誰がどこにいるか
一目で確認できるようになっています。
編集ブースの数は、およそ40。
「スーパーJチャンネル」の編集時には全てが埋まります。

日中の時間帯、スタッフが主に作業するのは
午前11時45分からの「ANNニュース」
そして、夕方の「スーパーJチャンネル」。
番組中に流れるVTRを手分けして編集していきます。

岩崎さん(編集デスク/編集歴22年)

「ANNニュース」のVTRは10~15本。
ニュース1項目につき1~2人の編集スタッフが担当します。




<新人スタッフの育成>
「ANNニュース」のVTRは、比較的短いものが多いので
新人スタッフも先輩の指導のもと、編集を担当します。

吉村さん(教育担当/編集歴11年)

世に出すものなので間違ったものは出せません。
1つずつ新人に教育担当が教えて
編集のイロハを1から学んでもらっています。
編集スタッフは経験ゼロの人も多い。
私も経験ゼロからのスタートでした。
覚えることが多くて大変ですけど
みんな粘り強くやってくれています。




<ニュース映像の編集作業>
編集作業はまず、記者が書いた原稿をもとに
必要な取材映像を編集ソフトに読み込みます。

そこから使用する箇所を自分で選び編集。
ポイントは、画を見るだけで
視聴者に内容が伝わるような構成にすること。

会見など、コメントの使いどころは
記者からの指示を受け、その部分を抜粋します。

ニュース原稿を読みながら
内容が伝わるか何度も見直し、
決められたVTRの長さに調整し、仕上げていきます。

指導する先輩は、気になるところを随時アドバイス。
“時間がない中でも丁寧な編集を行う。”
これはスタッフ全員の共通認識です。

完成したVTRはオンエアサーバーにアップロード。
担当する記者、そして編集デスクなどがチェックを行います。
放送開始5分前、VTRは完成しました。


鈴木さん(教育担当/編集歴12年)

10分前に必ず1回VTRをサーバにアップするようにしています。
その上でクオリティアップ、テロップや画の修正を行います。
放送10分前を切ってからでも、
しっかりVTRをチェックする時間があれば、
バージョンアップして新しいものを作るようにしています。


午前11時45分、お昼のニュースがスタート。
編集スタッフは、ブースで自分の映像をチェックします。

新人編集マン(入社2カ月)

まだ経験も浅いですけど
こうしてニュースの1本として放送されるというところに
すごくやりがいを感じています。

ニュース終了後は、
スタッフ全員ですぐにミーティング。
映像の注意事項や
「スーパーJチャンネル」にむけて情報を全員で共有します。

ミーティングを終えると
チーフデスクの岩﨑さんは早足で報道フロアへ向かいます。
参加したのは政治部、社会部などの各部署、
そして「スーパーJチャンネル」・「報道ステーション」の
番組スタッフが集まる午後のニュース会議。
岩崎さんはメモをとりながら内容を確認していました。


岩崎さん(編集デスク/編集歴22年)

ここで午後の主な動きを確認します。
どういう素材が入ってくるのかを把握して
各番組がどういうラインナップかを確認します。




<「スーパーJチャンネル」の編集作業>
午後3時を過ぎると、編集室は徐々に慌ただしい雰囲気になります。
午後4時48分から始まる「スーパーJチャンネル」に向け、
取材を終えたディレクターと編集マンが作業を開始します。

この日のVTRは、およそ90本。
その中でも大きなニュースは“備蓄米”そして“台風の情報”。

このような大きなニュースの場合、
「スーパーJチャンネル」では数名で担当を分け、作業を効率化します。

備蓄米のニュースは9分の尺を4つのブースで分担し、
ディレクターと編集スタッフで
それぞれ担当するブロックを作業していきます。

<ニュース映像のナレーション>
ニュースに欠かせないのが
よりわかりやすくするためのナレーションです。
「スーパーJチャンネル」では
2人のナレーターが14時過ぎから待機します。
担当するのは高地さんと小日向さん。
ニュースの内容に合わせ、男女で読み分けています。


ブースには、原稿を持ったディレクターが続々と来室。
休む間もなくナレーションを収録していきます。

高地真吾さん(ナレーター)

次から次へディレクターが来て、
扉を開けたら次の原稿が来て持っていって収録
という繰り返しです。原稿は目だけ通して、
固有名詞でわからないところがあったら
それだけ聞いてテストなしで収録していきます。



小日向えりさん(ナレーター)

アドレナリンが出てくるような感じです。
VTRの本数もたくさんなんですけど
楽しいニュースであったり、ちょっと悲しい事件だったり、
びっくりするような事故だったり、
いろいろなテイストがあって
それを読み分けるのがすごく難しいです。




<編集作業を効率化させる工夫>
ナレーション収録にも編集作業を効率化させる工夫があります。
それはナレーション原稿の上にセットされたカメラです。

和田さん(編集ナレーション収録担当)

原稿のどの部分がどの時間にあるのかを
編集スタッフが画面上で確認しやすくするため、
ディレクターが原稿にタイムを書いています。
音声と一緒に原稿の映像を収録することで
必要なナレーションを探しやすくしています。




<放送直前の仕上げ作業>
編集ルームに戻ると作業は佳境に。
決められた放送尺におさめるため、
4人で分担したVTRの合計を計算し
最後の調整をしていきます。

そして、それぞれが完成したところで
統括するディレクターが最終チェックします。
映像はもちろん、テロップなど細部まで確認して
VTRを完成させます。

横山さん(「スーパーJチャンネル」ディレクター)

報道編集のみなさんは優秀ですよ。
若い人たちも、1年目2年目の方も
いきなり編集に入ってやっていますからすごいと思います。



― 報道編集に求めるものは?

横山さん(「スーパーJチャンネル」ディレクター)

いろいろと話し合いをしながら
時間の中で良いVTRを作ること。
お互いに意見を出しながらやっています。


<放送中の編集スタッフ>
放送が始まっても報道編集の仕事は終わりではありません。
ニュースサブ(副調整室)にも報道編集のスタッフがいます。

山田さん(編集デスク/編集歴24年)

編集室の状況をニュースサブに伝える役割です。
VTRがいつ完成するか、
VTRをクオリティアップさせるために
バージョンをどんどん上げていきますが、
それがいつまでに出来あがるか。
いまバージョン2が来ているのでこれ出せます、
そういうことを連絡する役割です。



放送事故が起こらないように、
VTRが完成する時間、そして正確な尺を
最前線に伝える重要な役割。
チェックにチェックを重ねて
VTRは番組で放送されているんです。

<「報道編集」の魅力>
岩崎さん(編集デスク/編集歴22年)

映像も言葉と一緒で、映像という言語を使って
「うまく表現できたな」っていう達成感が得られます。
みんなで1つのものを作っている、ということ。
報道編集のチームだけではなくて、
取材カメラマンや記者やディレクター
全部あわせたチーム感で1つのものを作っている
達成感があります。