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#962
2025年5月18日
映像取材部の仕事(後編)
【番組司会】山口豊(テレビ朝日アナウンサー)
八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】花田 克治(映像取材部 映像取材担当部長)
鳴坂 昇大(映像取材部 カメラマン)
八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】花田 克治(映像取材部 映像取材担当部長)
鳴坂 昇大(映像取材部 カメラマン)
テレビ朝日の報道、その最前線を担うのが映像取材部。
事件・事故・政治・経済・海外のニュースを
24時間365日、休むことなく取材を続ける部署。
今回は報道カメラマンの1日に密着しました。
事件・事故・政治・経済・海外のニュースを
24時間365日、休むことなく取材を続ける部署。
今回は報道カメラマンの1日に密着しました。
<取材前の準備>
午前8時半、カメラ倉庫で準備を行っているのは、
カメラマン歴14年の鳴坂さん。
必要な機材を揃え、カメラの動作チェックを行ったら出発。
車両は、映像取材部専用のワゴン車です。
― 持っていく機材はその日の取材で決めている?
カメラマン歴14年の鳴坂さん。
必要な機材を揃え、カメラの動作チェックを行ったら出発。
車両は、映像取材部専用のワゴン車です。
― 持っていく機材はその日の取材で決めている?

◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
取材によってマイクが何本も必要だったりするので
その日の取材内容で変えています。
今日は単独取材ですので、できるだけコンパクトにしています。
必要な機材を揃え、カメラの動作チェックを行ったら出発。
車両は、映像取材部専用のワゴン車です。
取材によってマイクが何本も必要だったりするので
その日の取材内容で変えています。
今日は単独取材ですので、できるだけコンパクトにしています。
必要な機材を揃え、カメラの動作チェックを行ったら出発。
車両は、映像取材部専用のワゴン車です。


<映像取材部の車両>
花田部長が取材車両の特徴を教えてくれました。
◎花田克治(映像取材担当部長)
取材車両はルーフに台を架装してもらっています。
ルーフ上に上がれるんですけど、高さが必要な取材になったときに、
この屋根の上からも撮ります。
今はハイブリッド車が基本ですが、
これは取材先で急に充電しなきゃいけない時に、
ハイブリッド車だとこれで充電して何とかなります。
ルーフ上には脚立が一つ載せっぱなしになっていたり、
その前にあるのは衛星電話のアンテナですが、
災害が起きたときに携帯の基地局がダメになって電話できないという
ケースがあります。
そのときに連絡がつかないと困るので、安全管理の意味も含めて
衛星電話で確実にそのクルーと連絡がつくよう準備しています。
◎花田克治(映像取材担当部長)
取材車両はルーフに台を架装してもらっています。
ルーフ上に上がれるんですけど、高さが必要な取材になったときに、
この屋根の上からも撮ります。
今はハイブリッド車が基本ですが、
これは取材先で急に充電しなきゃいけない時に、
ハイブリッド車だとこれで充電して何とかなります。
ルーフ上には脚立が一つ載せっぱなしになっていたり、
その前にあるのは衛星電話のアンテナですが、
災害が起きたときに携帯の基地局がダメになって電話できないという
ケースがあります。
そのときに連絡がつかないと困るので、安全管理の意味も含めて
衛星電話で確実にそのクルーと連絡がつくよう準備しています。


<「暖かい気候」を伝えるニュース映像>
最初の撮影地は渋谷。
3月末のこの日、気温が急上昇。
夏日のような「暖かい気候」を伝える映像の撮影です。
― 街中の取材は大変じゃないですか?
3月末のこの日、気温が急上昇。
夏日のような「暖かい気候」を伝える映像の撮影です。
― 街中の取材は大変じゃないですか?

◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
特に渋谷は人が多いので、
機材を人にぶつけないように、邪魔にならないように、
撮影するときもなるべく人の動線に入らないように、
道路の端で撮るように心がけています。
撮影を終え、車両に戻ってきた鳴坂さん。
ここから大切な作業があります。
特に渋谷は人が多いので、
機材を人にぶつけないように、邪魔にならないように、
撮影するときもなるべく人の動線に入らないように、
道路の端で撮るように心がけています。
撮影を終え、車両に戻ってきた鳴坂さん。
ここから大切な作業があります。
◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
これから”昼ニュース”向けに今撮った素材を
本社に送ろうと思っています。
取り出したのはライブユーと呼ばれる小型のモバイル中継装置。
これを使ってテレビ朝日本社に映像を送ります。
これから”昼ニュース”向けに今撮った素材を
本社に送ろうと思っています。
取り出したのはライブユーと呼ばれる小型のモバイル中継装置。
これを使ってテレビ朝日本社に映像を送ります。
◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
携帯の電波と同じなので日本全国、電波が届くところなら
すぐ伝送もできます。
直接映像をつなげれば生中継もできるようになっています。
携帯の電波と同じなので日本全国、電波が届くところなら
すぐ伝送もできます。
直接映像をつなげれば生中継もできるようになっています。


<車中で待機>
◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
これからは発生待機なので
何かニュースが発生したら、そこに駆けつけて撮影する。
突発の事案を待っている状況です。
待機中は車内で昼食。
そして、車内で“昼ニュース”をチェック。
鳴坂さんが撮影した映像がたくさん使われていました。
これからは発生待機なので
何かニュースが発生したら、そこに駆けつけて撮影する。
突発の事案を待っている状況です。
待機中は車内で昼食。
そして、車内で“昼ニュース”をチェック。
鳴坂さんが撮影した映像がたくさん使われていました。

◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
伝送した映像はすぐに編集してくれます。
いまニュースで流れましたけど、自分の映像を使われると嬉しいです。
それを皆さんに観てもらっていると思うと、責任感を感じます。
伝送した映像はすぐに編集してくれます。
いまニュースで流れましたけど、自分の映像を使われると嬉しいです。
それを皆さんに観てもらっていると思うと、責任感を感じます。
<事故現場の取材>
待機をしているとデスク電話が。
事故現場の取材です。
おおよその到着時間を伝え、現場に向かいます。
取材は時間との戦い。
事故の痕跡がなくなる前に映像に収めることが大切です。
到着すると鳴坂さんは早足で現場へ。
すぐさまカメラを回し始めます。
しかし、事故を起こした車両も被害者の姿も見当たらなかったため、
現場検証の様子を撮影して終了。
到着して何もない、ということはよくあることだそうです。
事故現場の取材です。
おおよその到着時間を伝え、現場に向かいます。
取材は時間との戦い。
事故の痕跡がなくなる前に映像に収めることが大切です。
到着すると鳴坂さんは早足で現場へ。
すぐさまカメラを回し始めます。
しかし、事故を起こした車両も被害者の姿も見当たらなかったため、
現場検証の様子を撮影して終了。
到着して何もない、ということはよくあることだそうです。

<記者も兼ねる報道カメラマン>
撮影のあとは再び車中で待機。
長時間になるときは、仮眠もとります。
1時間後、映像取材部のデスクから電話。
トラックと乗用車の衝突事故の現場へ。
都内を40分かけて移動です。
事故現場に到着すると、すぐに撮影開始。
事故の状況がわかるように、撮影を進めていきます。
そして鳴坂さんは撮影を一旦中断。
近隣の方に状況を聞き込み。
カメラマンがインタビューも行うんです。
長時間になるときは、仮眠もとります。
1時間後、映像取材部のデスクから電話。
トラックと乗用車の衝突事故の現場へ。
都内を40分かけて移動です。
事故現場に到着すると、すぐに撮影開始。
事故の状況がわかるように、撮影を進めていきます。
そして鳴坂さんは撮影を一旦中断。
近隣の方に状況を聞き込み。
カメラマンがインタビューも行うんです。


◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
ここの現場はテレビ朝日の報道は私しかいないので、
現場に到着して初動の情報を集めることが大事。
映像だけではなくてニュースとして成立させる。
事件事故の状況を、自分で情報を収集という意味では
そこまでが取材部カメラマンの仕事です。
ここの現場はテレビ朝日の報道は私しかいないので、
現場に到着して初動の情報を集めることが大事。
映像だけではなくてニュースとして成立させる。
事件事故の状況を、自分で情報を収集という意味では
そこまでが取材部カメラマンの仕事です。

<カメラマン1人での取材>

― カメラマン1人での取材というのは多いんですか?
◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
突発取材だと、ほとんど1人で行きます。
三脚にカメラを置いたまま自分が写る側に回って喋ったり、
撮影しながらその状況を、実況という形で説明しながら撮ることもあります。
◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
突発取材だと、ほとんど1人で行きます。
三脚にカメラを置いたまま自分が写る側に回って喋ったり、
撮影しながらその状況を、実況という形で説明しながら撮ることもあります。

◎花田克治(映像取材担当部長)
たとえば夜のニュースだと、実況一つあるだけで使い勝手が全然違います。
その現場で感じたことを一言入れるだけで、
VTRがより分かりやすくなる。
それは意識してやるように日頃からカメラマンにお願いしています。
たとえば夜のニュースだと、実況一つあるだけで使い勝手が全然違います。
その現場で感じたことを一言入れるだけで、
VTRがより分かりやすくなる。
それは意識してやるように日頃からカメラマンにお願いしています。

<記憶に残る取材現場>
◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
1月にアメリカ大統領の就任式でワシントンへ、
「報道ステーション」の取材で行きまして中継がありました。
向こうの気温がマイナス12度。
中継の準備もあって機材から離れられないので、
マイナス12度の中4時間くらい外にいたというのが大変でした。
1月にアメリカ大統領の就任式でワシントンへ、
「報道ステーション」の取材で行きまして中継がありました。
向こうの気温がマイナス12度。
中継の準備もあって機材から離れられないので、
マイナス12度の中4時間くらい外にいたというのが大変でした。

◎花田克治(映像取材担当部長)
北京支局の特派員をやっていました。
SARSが広がった頃、それまで生死に関わるような
感染症の取材というのはしたことなかったので、
衝撃的なことをいろいろ現場で体験しました。
北京支局の特派員をやっていました。
SARSが広がった頃、それまで生死に関わるような
感染症の取材というのはしたことなかったので、
衝撃的なことをいろいろ現場で体験しました。

<報道カメラマンに求められること>
◎花田克治(映像取材担当部長)
一番は、観ている人にちゃんと伝わる映像を撮ってほしいということです。
原稿がなくても映像を繋いだら、
ちゃんと伝わるように撮れているかどうか。
実はすごく難しくて、新人の頃から先輩のカメラマンやデスクに
指導されながらだんだんできるようになっていきます。
「どう観ている人に伝えるか」というところは、忘れちゃいけないところ。
ただその時にそれを支えるものとしては、
洞察力というか「現場でどういうものがあるか」という観察力が必要。
「瞬時に何をしたらいいのか」という判断力が、
経験を積むとだんだん身についてきます。 そういうものを活かして
「どう伝えていくのか」ということが一番大事なことだと思っています。
一番は、観ている人にちゃんと伝わる映像を撮ってほしいということです。
原稿がなくても映像を繋いだら、
ちゃんと伝わるように撮れているかどうか。
実はすごく難しくて、新人の頃から先輩のカメラマンやデスクに
指導されながらだんだんできるようになっていきます。
「どう観ている人に伝えるか」というところは、忘れちゃいけないところ。
ただその時にそれを支えるものとしては、
洞察力というか「現場でどういうものがあるか」という観察力が必要。
「瞬時に何をしたらいいのか」という判断力が、
経験を積むとだんだん身についてきます。 そういうものを活かして
「どう伝えていくのか」ということが一番大事なことだと思っています。
<これからの映像取材部>
◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
カメラで映像を撮るだけではなく、映像を主体とした取材だったり、
もっとカメラマンとして発信していけたらと思っています。
◎花田克治(映像取材担当部長)
観ている人から「テレビ朝日のニュースの映像が一番分かりやすい」
と言ってもらえるように、現場に出ているカメラマンのレベルアップ
ができるような、そういう部署にしたいと思っています。
カメラで映像を撮るだけではなく、映像を主体とした取材だったり、
もっとカメラマンとして発信していけたらと思っています。
◎花田克治(映像取材担当部長)
観ている人から「テレビ朝日のニュースの映像が一番分かりやすい」
と言ってもらえるように、現場に出ているカメラマンのレベルアップ
ができるような、そういう部署にしたいと思っています。
<映像取材部が求める人材>
◎花田克治(映像取材担当部長)
好奇心が旺盛な人がいいと思います。
やっぱり「なんでこういうことが起きているんだろう?」というのを
自分の目で見て知った上で、それを「発信していきたい」という
そういう人とぜひ一緒に働きたいと思います。
◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
僕も好奇心旺盛な人が、この仕事には合っていると思っています。
いろんなことが日々起きるので、それに対して興味を持って
現場に行って伝えるということが大事だと思います。
好奇心が旺盛な人がいいと思います。
やっぱり「なんでこういうことが起きているんだろう?」というのを
自分の目で見て知った上で、それを「発信していきたい」という
そういう人とぜひ一緒に働きたいと思います。
◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
僕も好奇心旺盛な人が、この仕事には合っていると思っています。
いろんなことが日々起きるので、それに対して興味を持って
現場に行って伝えるということが大事だと思います。
<映像取材部の仕事とは?>
◎花田克治(映像取材担当部長)
元々カメラが好きで始めた仕事なので、
「とにかく好きにやってきた」もうそれだけなんです。
「とにかくいろんなところに行って見てみたい」という、
その一点かなと思います。
隙あらば、本当は自分でカメラを持って行きたいくらいです。
立場上それも出来ないので、カメラマンのみんなを応援して
代わりにやってもらっている感じです。
◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
一言で言いますとエキサイティングですね。
毎日いろんな発見があって、
常に探求心を持ってやれることが映像取材部の良さだと思います。
元々カメラが好きで始めた仕事なので、
「とにかく好きにやってきた」もうそれだけなんです。
「とにかくいろんなところに行って見てみたい」という、
その一点かなと思います。
隙あらば、本当は自分でカメラを持って行きたいくらいです。
立場上それも出来ないので、カメラマンのみんなを応援して
代わりにやってもらっている感じです。
◎鳴坂昇大(映像取材部カメラマン)
一言で言いますとエキサイティングですね。
毎日いろんな発見があって、
常に探求心を持ってやれることが映像取材部の良さだと思います。
