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#932
2024年9月29日
第63回テレビ塾「外報部・海外特派員の仕事とは?」①
【司会】山口豊(テレビ朝日アナウンサー)
八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーション】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
本間智恵(テレビ朝日アナウンサー)
【出演】大和 聡史(報道局ニュースセンター 外報担当部長)*6月12日開催時
大平 一郎(報道局ニュースセンター 外報部デスク)*6月12日開催時
力石 大輔(ロサンゼルス支局 支局長)
小俣 貴史(お客様フロント部 モデレーター)*6月12日開催時
林 美沙希(テレビ朝日アナウンサー)
八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーション】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
本間智恵(テレビ朝日アナウンサー)
【出演】大和 聡史(報道局ニュースセンター 外報担当部長)*6月12日開催時
大平 一郎(報道局ニュースセンター 外報部デスク)*6月12日開催時
力石 大輔(ロサンゼルス支局 支局長)
小俣 貴史(お客様フロント部 モデレーター)*6月12日開催時
林 美沙希(テレビ朝日アナウンサー)
<テレビ塾>
18歳以上の視聴者の皆様を対象に、テレビ朝日スタッフがテレビの仕事・仕組みについて分かりやすくお話しする企画です。
<外報部とは?>
- 大和:
- 報道局にはニュースセンターと報道番組センター、情報番組センター、
クロスメディアセンターの4つの部署があります。
ニュースセンターには 政治部、経済部、社会部、外報部や、
私や大平さんも所属していた映像取材部の5部門に分かれています。
外報部は海外のニュースを中心に担当している部署で
A N N(オール・ニッポン・ニュースネットワーク)という、
11支局27人の特派員で世界中のニュースをカバーしています。




<中継 六本木―――ロサンゼルス>
― 今日はロサンゼルス支局と中継が繋がっています
- 力石:
- ロサンゼルス支局から中継でお伝えします。
私も、大和さんや大平さんと同じく報道カメラの部署からスタートしました。
その後すぐ社会部へ異動「モーニングショー」でディレクターに就き、2011年からロサンゼルス支局で記者を担当しています。
<外報部の仕事の様子>
V T R
外報部は各国のニュースを取り扱うため24時間3交代制で動いています。
時差があるので確認事項がある場合は、電話やチャットで連絡を取ります。
地上波だけでなく、インターネットサイト「テレビ朝日ニュース」や「アベマニュース」でも世界中のニュースを速報しています。
外報部には海外出身で多言語を使える記者も多く在籍しており、情報収集や取材する時などにも力を発揮しています。また、特派員の経験があるデスクも在籍していて、若手とベテランが力を合わせ、より正確に分かりやすく、多角的な視点でニュースを伝えています。
特派員が送ってくるニュースの他にも、テレビ朝日が契約している海外の通信社から24時間映像や情報が配信されてきます。この膨大な量の情報から、外報部員は日本の視聴者に何を伝えるべきか判断します。近年ではSNSが急速に広がっているため、投稿された動画を投稿者の許可を得て報道するケースも増えています。取材に行くことが困難な場所でも、いち早く映像が手に入るというメリットはありますが、フェイクニュースが増えているため、慎重に検証していく必要があります。
外報部は各国のニュースを取り扱うため24時間3交代制で動いています。
時差があるので確認事項がある場合は、電話やチャットで連絡を取ります。
地上波だけでなく、インターネットサイト「テレビ朝日ニュース」や「アベマニュース」でも世界中のニュースを速報しています。
外報部には海外出身で多言語を使える記者も多く在籍しており、情報収集や取材する時などにも力を発揮しています。また、特派員の経験があるデスクも在籍していて、若手とベテランが力を合わせ、より正確に分かりやすく、多角的な視点でニュースを伝えています。
特派員が送ってくるニュースの他にも、テレビ朝日が契約している海外の通信社から24時間映像や情報が配信されてきます。この膨大な量の情報から、外報部員は日本の視聴者に何を伝えるべきか判断します。近年ではSNSが急速に広がっているため、投稿された動画を投稿者の許可を得て報道するケースも増えています。取材に行くことが困難な場所でも、いち早く映像が手に入るというメリットはありますが、フェイクニュースが増えているため、慎重に検証していく必要があります。




スタジオ
- 大平:
- ミャンマーや中国出身の方は、言語ができるということもある上、現地の状況を知っていることから、ニュースを集めて書くことは非常にメリットが多いです。
- 大和:
- 外報部の記者は外国語を話せる方が良いですが、最近では自動翻訳機があるのである程度カバーできます。そういう意味で、もともと海外のニュースに対して関心が高く、勉強しながらニュースを出していける方であれば、これまで語学をやってない人材が共に働けるようになっています。


<紛争地取材>
- 大平:
- 戦争や紛争がおきている地域を取材する前に、まず最初に考えることがあります。
このように起きていることを「伝える必然性」が自分たちの中に
しっかりとあるかどうか。
皆さんに知ってもらいたいものがあるかどうかということがあります。
次に大事な作業は、「安全確保」できるかということになります。


<紛争地取材の安全策>
- 大平:
- まず物理的な安全、これを守るためにはいくつかの装備を現地に持っていくことになります。この装備は、行く場所や時によって違います。防弾チョッキやガスマスク、放射線測定器、GPS位置情報共有端末、これはウクライナに実際に持っていったものです。
この物理的な装備とは別に大事なこと、それは「情報」です。
携帯電話の回線が途絶えた場合、何らかの通信手段がないと誰とも連絡が取れない。やはり衛星携帯電話は必需品です。イスラエルやウクライナだと空襲の危険があります。そのような時は、空襲がどこで起きているかを把握できるアプリがあるので、これをスマホに入れリアルタイムの空襲情報を得て、危険な地域に近寄らないことを徹底していました。
加えて、もっとも重要だと考えているのが「フィクサー」の存在です。現地で助けてくれる通訳であり、コーディネーでもあり、取材のアポイントを取るジャーナリストの方です。こういった方の情報は非常に大事です。
もう一つ大事なのが「逃げ足」です。これは社内で共有していた、ウクライナの地図ですが、何かありそうな時点ですぐ逃げられる体制を整えています。このような準備はしても、うまいこといかないことがありました。



私の苦い経験ですが、アフガニスタンの取材でカブールという首都に向かっていました。
車内で現地の人と話していたのですが、銃を持っている人が検問と称してバスに乗り込んできました。アフガニスタンでは、銃を持っている人は珍しくありません。
何かなと思っているうちに、この人が私のカメラやワイヤレスマイクを奪っていました。私も抵抗せず、どうぞと渡したら彼らは降りていきました。その後、首都のカブールに無事到着しました。そこで本社から聞いたのは、我々の直後に走っていた記者が現場近くで同じ頃に射殺されたとのことでした。何も知らないでいましたが、後で聞くとそこは「山賊街道」と言われている場所でした。
情報も集めないまま突入していった極めてダメな例としてこの時の教訓は痛いほど身に染みています。
<変わる外報部の仕事>
- 大平:
- 以前はテレビ朝日の地上波で決められた時間に放送していくことが主体でした。今はABEMANEWSやテレビ朝日以外のプラットフォームYAHOOニュースとかSNSにも情報を出しています。ということは、締め切りがないということです。24時間いつでも情報を出せる状態。時差の問題もあるけれどニュースを出す点で、24時間体制が求められるようになっています。
もう1点大きく変わったのが「中継」です。テレビで記者の生中継を観たことあると思いますが、海外での中継も同じです。国内も海外も生中継はそれなりの機材が必要です。特に海外の場合は機材を持っていくのが大変な場所があります。
右下の写真は2003年イラクのバグダッドです。この中継場所の外には、大きなお皿アンテナですね、積んだ中継車がずらりと並んで、各局が中継を屋上からやっていました。
現在は、これほどの機材がなくても中継ができ、いつでもどこでもできるというような時代になりました。


<小型化した中継機材>
- 大和:
- この10年ぐらいで一気にテレビ局の中で広がったのが背中に背負っている
IPモバイル中継機です。スマートフォン約4台分のユニットそれぞれが通信することで
高画質の映像を伝達できます。ただスマホと同じく電波が繋がる場所でしか中継できません。
海外でも電波がつながらない地域がたくさんあります。
それをカバーするのがこのスターリンク(スペースXが提供する衛星を利用したインターネットサービス)で、以前は大きなトラックだったのが今は片手で持てるくらい小型化しています。
中国やロシア、北朝鮮などの国でスターリンクの使用が認められてないところがあり、これを持っていればどこでもというわけではないですが、本当に便利になってきています。




次回、第63回テレビ塾「外報部・海外特派員の仕事とは?」②は10月13日に放送予定です。