バックナンバー

#929
2024年9月8日

美術の仕事 クイズ番組の電飾(後編)

【司会】山口豊(テレビ朝日アナウンサー)
    八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーション】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】西尾 亘平・山本 怜莉(「くりぃむクイズ ミラクル9」電飾担当)
水曜よる8時から放送中の「くりぃむクイズ ミラクル9」。
クイズの正解など視覚的にわかりやすく光の効果などを演出する「電飾」。
前回に続き、テレビの美術の仕事から「電飾の仕事」を紹介します。(後編)

― スタジオに何やら装置が運ばれてきました。

山本 :
これはクイズ番組で使用する「早押しボタン」で、解答権が誰にあるかわかる装置です。これも電飾が昔から扱っています。



<クイズ番組の早押し>
― 実際にアナウンサー2人でやってみると…。

山本 :
クイズを出します。「はい!テレビ朝日です」は、いつ放送されている?

(効果音)ピンポーン!

八木アナウンサー:1994年。

(効果音)ブブー!

山口アナウンサー:日曜朝5時です。

(効果音)ピンポーン!

八木アナウンサー:そうか 放送時間…。

山本 :
正解です。今、押してわかったと思うのですが、先に押した人がいると、後から押した人のボタンは装置が受けつけないんです。

西尾 :
そういうプログラムを組んだ制御盤がこのボックスの中に入れてあります。あと正解などの効果音も連動してこのボックスから出すことができます。もちろん好みの違う音に差し替えることも可能です。

― 何人まで早押しは可能?

西尾 :
自分がやった中だと150人、それが最大の数です。

山本 :
実はこの外側のアルミの箱から製作しています。

― 秋葉原にある製作現場にお邪魔しました。

<技術製作・開発部>
山本 :
こちらが「くりぃむクイズ ミラクル9」の早押しやペンタブレットなどを実際に開発しているフロアです。

― 色々なものがありますね。

山本 :
PC本体、モニター、スイッチや制御盤、それを作るボタンのパーツなど、そういうのも全てここにあります。
スタジオ収録の時もここで準備して現場に向かいます。

<ペンタブレット>
山本 :
スタジオで使われていたペンタブレットを制御するプログラムは、ここで作ります。

山本 :
外側は市販のタブレットですが、内側のプログラムは全て作っています。問題の種類によって選択肢があり、そこから選べるようになっています。

― この仕事はどのぐらい就いていますか?

八木澤:
17年ほどです。もともと現場スタッフで
技術開発へ異動しました。

― 元々システムに詳しかった?

八木澤:
そうでもなかったです。



<早押しクイズのプログラム>
山本 :
こちらでクイズの早押しや効果音を制御するプログラムを作っています。

長  :
このアルミのボックスの中が心臓部で、産業用パソコンみたいなものが入っていると思ってください。中を見ますか?

長  :
これはベルトコンベアーで商品が流れてきた時にセンサーが反応して動いたりするものを利用しています。

― 番組に合わせて、プログラミングから装置製作、
アルミ板の穴あけまでここで作業しています。

<スタジオ>
― なぜ秋葉原にあるのですか?

山本 :
電気街が近いので、気軽に部品の調達ができます。

― 若い人はどういう番組をやりたくて入社しますか?

山本 :
テレビ番組を希望する人以外に、コンサートを担当したい人が入社しています。

<コンサートの電飾>
西尾 :
これはM Aと呼ばれる照明部も扱う電飾を制御する機材です。

山本 :
電飾を使ってランウェー風に組んでみました。

山本 :
これは「スパークル」と呼ばれる電飾を四角いバーに取り付けて使います。
「くりぃむクイズ ミラクル9」のスタジオで使用しているものと同じです。

山本 :
こちらは「アップライト」と呼ぶ最新式の電飾の1つです。昔「スリム管」と呼ばれていたものをLEDに進化させたようなものです。

山本 :
花道に置いてあるのが「Michiko」という電飾で、名前は花道の“道”からつきました。
LEDが3本入っているので、どの角度からも光っているのがわかります。
このターンテーブルも電飾で扱っているものです。
山本 :
八木さんランウェーって歩かれたことありますか?

八木アナウンサー:もちろんないです。

― まずは電飾が点灯していない状態で歩くと・・・。

八木アナウンサー:ランウェーを歩いている感じはありますが、気持ちをどう持っていけばいいか…難しいですね。

― 最新の電飾を点灯させると・・・。

八木アナウンサー:気分がアガります!



<電飾の仕事との出会い>
山本 :
私はエンタメ業界にすごく興味がありテレビ局やコンサート、映画などの現場で働きたいと思っていました。大学が美術系だったので、美術に関わる仕事がいいなと思って入社しました。

西尾 :
面白そうな仕事をと思い職種を決めずに就活していました。この会社が面白そうだと思い入社しました。

<記憶に残る仕事>
西尾 :
「M-1グランプリ」ですね。
4年目から電飾のオペレーション担当で、
この番組は皆さん知っていて携われたのが良かったです。

― 登場シーン、すごく華やかでインパクトありますね。

西尾 :
バーチャルCGなどもすごいので、それらの効果に負けないよう電飾もエスカレートしてしまいました。

山本 :
私も「M-1グランプリ」が印象に残っています。
「営業」になる前の研修時代に、芸人が上がってくるリフターのボタンを押す担当を1年目の私が任されました。その時ものすごく緊張した思い出があります。
さらに去年“敗者復活戦”に携わった際、実際に見た人がその場でボタンを押して判断するシステムを担当しました。ボタンを500人分ぐらい配りましたが、そのボタンが芸人さんの勝敗に関わってくると思うと、配線など正確に作動するのか責任も大きく、緊張したのを覚えています。



<「電飾の仕事」を目指す人へ>
西尾 :
仕込みとか準備とか大変ですが、電飾がついた時の喜びはすごく、それを若い人にも経験してもらいたい。

山本 :
“人に感動を提供できる”という数少ない仕事だと思うので、興味を持ってもらえたらと思います。

<電飾とは>
感動を生むことができるもの
           西尾 亘平

テレビを華やかに彩る“スパイス”
           山本 怜莉