バックナンバー

#925
2024年8月11日

アニメとIP開発

【司会】山口豊(テレビ朝日アナウンサー)
    八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーション】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】小野 仁(アニメ・IP推進部 部長)
テレビ朝日の成長戦略の1つとして掲げられている「アニメ」
そして、ますます重要とされる「IP開発」について
アニメ・IP推進部の小野仁部長に紹介してもらいます



<アニメ・IP推進部>
― アニメ・IP推進部とはどんな部署なんですか?

アニメ・IP推進部は、今年7月に新設された部署です。
アニメとマンガ、ゲーム、バーチャル領域など
様々なIPと呼ばれるものをつくって
視聴者の皆様に届けていこうという部署になります。

― そもそも“IP”とは何を意味するんでしょうか?

Intellectual Property(インテレクチュアル プロパティ)の
頭文字をとった略語で、日本語では知的財産と呼ばれています。
人々の創作によって生まれた、無形資産の総称です。
様々なコンテンツ、文字、音楽、映像、すべてがIPとなります。
アニメもIPと呼ばれていて、
深夜アニメのIP、タイトルを開発していこうとなっています。

テレビ朝日といえば「ドラえもん」は45年以上
「クレヨンしんちゃん」は30年以上制作し、
毎年、映画も公開しています。

「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」に関しては
世界中で大人気というところで
この人気を未来永劫とするためにも
制作活動と発展を続けていくというこが大事な仕事になっています。

深夜アニメが昨今、人気となっていますが
2020年に「NUMAnimation (ヌマニメーション)」という
放送枠をつくりまして深夜アニメIPの取り組みもスタートさせています。



<NUMAnimation (ヌマニメーション)について>
アニメ、キャラクター、アイドルなどを
大好きになることをあらわす“沼落ち”という言葉があります。
この放送枠に沼落ちして欲しいという気持ちから
この名前をつけました。



<ヌマニメーションラインナップ>
「小市民シリーズ~春季限定いちごタルト事件」 ※現在放送中
原作は、氷菓をはじめとする古典部シリーズの作者にして
直木賞作家・米澤穂信が生み出した
シリーズ累計110万部を突破する大人気ミステリ。


「君は冥土様。」 ※2024年10月より放送開始
小学館漫画配信サイトおよび
漫画アプリ「サンデーうぇぶり」にて配信され
絶大な人気を誇るシリーズがついにアニメ化。


「メダリスト」 ※2025年1月より放送開始
「アフタヌーン」にて連載中。
フィギュアスケートに青春を賭ける若者たちを描いた
「つるまいかだ」先生による大人気漫画がアニメ化決定。


― ヌマニメーションラインナップのV T Rを観て…

かなりユニークに飛んだラインナップをご用意できたかと思います。
今クールの「小市民シリーズ」
米澤穂信さんのミステリ小説を原作にしています。
非常に米澤さんらしい空気感が漂っている原作なんですけど
非常にきれいなアニメーションでしっかりと楽しめ、
沼落ちできる作品になっていると思います。

「君は冥土様。」はアクションがあって
女の子が可愛くて、でも笑いもあって
大変おもしろい原作を、渡辺歩監督という非常に著名な監督に
映像化してもらいました。
ぜひ期待していただければと思います。

― 来年1月からは「メダリスト」
  来年のラインナップまで決まっているんですね?


アニメは制作に時間がかかりますので
数年単位で制作を進めて、来年1月放送ということも発表できる状況です。

「メダリスト」に関しては、テレビ朝日といえばフィギュアスケート。
親和性の高い番組ですので、1月という時期も含めまして、ぜひテレビ朝日のスポーツと一緒に
楽しんでいただければと思っています。

<今年10月からの「IMAnimation (イマニメーション)」について>
毎週土曜日よる11時30分から新たなアニメ枠
「IMAnimation (イマニメーション)」

「アニメーション」と「イマジネーション」を合わせた造語。
比較的、観やすい時間に編成しておりますので
「今観たい!」「一緒にリアルタイムで観よう!」
そういった作品をラインナップしております。

<イマニメーションラインナップ>
「ブルーロック」第2期 ※2024年10月より放送開始
講談社「週刊少年マガジン」連載中の原作コミックスは
全世界累計4000万部を突破!
大人気サッカーアニメ『ブルーロック』が第2期に突入!


「ババンババンバンバンパイア」 ※2025年1月より放送開始
「別冊少年チャンピオン」にて連載中
奥嶋ひろまさによる大人気コミックが
アニメ化され、来年1月からの放送が決定!


「片田舎のおっさん、剣聖になる」 ※2025年4月より放送開始
シリーズ累計550万部突破の人気作がアニメ化決定!
細々と剣術道場を営むおっさんの成り上がる姿を描く!


― イマニメーションラインナップのV T Rを観て…
― 「ブルーロック」は海外でもすごい人気だそうですね?

「ブルーロック」は現在も「週刊少年マガジン」で連載中で
大人気の作品です。
マンガ自体を海外の方が読まれているので
それがアニメ人気の土台となっているかと思います。

7月にロサンゼルスで開催された「アニメエキスポ」
その中でも「ブルーロック」のブースは大人気で
賑わっておりました。

<「アニメエキスポ2024」の様子>
7月、4日間にわたりロサンゼルスで開催された
北米最大級のアニメイベント「アニメエキスポ」。

会場では、日本のアニメやゲームを紹介するブースが立ち並び
コスプレを楽しむファンの姿も。

ブルーロックのブースも登場
作品に関わる展示やフォトスポット
最新商品の販売も行われました。

限定フィギュアやプラモデルの
展示ブースにも多くの人が訪れるなど
今や日本のアニメ文化は世界に影響を与え
市場規模も拡大しています。

― アニメエキスポのV T Rを観て…

世界中のアニメファンとアニメ関係者が一堂に会する
イベントになっておりまして、
その両方とコミュニケーションができる貴重な場所。
ぜひ今後とも活用していきたいと思っています。

― 現地の熱はどうでしたか?

日本と同じように感動してくれているなというところと
特にアニメのクリエイター、
例えば原作の漫画家、監督プロデューサー、制作スタッフにまで
ものすごいリスペクトと熱量で迎えていただきました。

しっかりとアニメ映像ということを理解して
観ていただいているなと、非常に身が引き締まる思いでした。
ちゃんとしたものを届けないと見透かされるぞというような思いと
しっかりと応えられるような作品をずっと創っていきたいと思ってます。


― 新たなアニメ作品などはどう選んでいるんですか?

基本的には部に所属しているプロデューサーが個人個人、
“これを映像化したい”という思いを持って
企画提案をして、軌道に乗るようならそこの中から選んでいます。

時には自分たちだけでは企画制作できないような
大きなタイトルもございますので
そちらの方はパートナーさんと組みながら
その中で選んでしっかりと「イマニメーション」
「ヌマニメーション」にふさわしい作品を選んでいます。

― 原作があるもの、無いもので企画の進行は違いますか?

原作のないオリジナル作品もチャレンジしていますが
本当に時間がかかります。
この世にないストーリーをゼロから紡いで
絵も書かなくてはいけない、
どういうキャラクターにしてどういう時代背景で
設定はどうで…
そのすべてを決めていかなくてはいけないので
オリジナル作品はカロリーと時間がかかると
思っていますが、ゼロからつくるのはおもしろいので
引き続きチャレンジしていきたいと思っています。



<マンガIPの開発>
― マンガIPの開発とは?

現在、テレビ朝日では毎週水曜深夜
「バズマンTV」というバラエティ番組を放送しています。

「バズマンTV」

漫画大好き芸能人とプロの漫画家がタッグを組んで
バズる漫画を生み出していく「バズマンTV(ティービー)」
未来の漫画クリエイター発掘、人気漫画家による推し漫画紹介など
インドア系エンタメ情報を発信しています!


この番組の中でマンガIP、マンガを制作・開発をしています。
例えば芸人さん、タレントさん
クリエイターに近い才能を持った方々に原作を書いてもらい、
そこにパートナーさんと漫画家さんを連れてきて
マンガに仕立てていただく。

今は納言・薄幸さん原作「メイクハニートラップ」※配信中
元HKT48田中美久さん原作
「一年後のウェディングドレス」 ※8月22日配信スタート
BOOKLIVEで連載を開始しています。

ご興味があったらぜひ読んでいただきたいですし、
単発でマンガをつくるだけではなく
これを連載していくことにチャレンジしておりまして
そのつくりかたを含めて映像とは大分違うので
僕らはゼロイチで頑張ってチャレンジしています。



<ゲームIPの開発>
― ゲームIPの開発とは?

テレビ朝日はテレビ局なのでパートナーさんと一緒に
ゲームを開発しております。
すでに発表されていますが、9月に「メテオアリーナ」というゲームが
テレビ朝日も開発に関わってリリースされます。
簡単で老若男女、だれでも遊べるようなタイトルになっておりますので
楽しんでいただければと思っています。

― 「メテオアリーナ」開発中の画面

これは2対2で戦うスマホゲームです。
「モンスターストライク(モンスト)」の
開発会社とつくっています。
プロと一緒にやってます。


チャレンジではあるんですけども
テレビ朝日はエンターテインメントの会社ですので
おもしろいと思われるものに対しては
飛び込んでいきたいなと思っておりますし、
テレビ局がやることですので
どういう風に視聴者の皆様に届けていくのか
しっかりと考えながら開発していきたいと思っています。

― 今後、目指していることはありますか?

アニメやゲーム、マンガなど
IPを開発していくことがテレビ朝日の使命だと思っています。
視聴者の皆様、日本国内に限らず世界中のファンの皆様が楽しめるような
コンテンツ、IPをつくっていきたいと思っています。