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#920
2024年6月30日
2年目のアナウンサー 1年の振り返りと2年目の抱負(後編)
【司会】山口豊(テレビ朝日アナウンサー)
八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーション】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
【スタジオ】荒井 理咲子・所村 武蔵(テレビ朝日アナウンサー)
【VTR】平石 直之・久保田 直子(テレビ朝日アナウンサー)
小木 逸平・安藤 萌々(テレビ朝日アナウンサー)
八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーション】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
【スタジオ】荒井 理咲子・所村 武蔵(テレビ朝日アナウンサー)
【VTR】平石 直之・久保田 直子(テレビ朝日アナウンサー)
小木 逸平・安藤 萌々(テレビ朝日アナウンサー)
1年間経験を積んで2年目を迎えたアナウンサー、
荒井理咲子と所村武蔵に、番組を進行しながら1年目の振り返りと2年目の抱負を語ってもらいました。(後編)
荒井理咲子と所村武蔵に、番組を進行しながら1年目の振り返りと2年目の抱負を語ってもらいました。(後編)

<アナウンサーを志した理由>
- 所村 :
- 父がアメリカ人で海外にルーツがあり幼少期から英語は喋れたんです
が、母と祖父母から
「2か国語を話せることより、綺麗な日本語を話せることの方が
大事だよ」と、ずっと言われていたので、日本語のプロである
アナウンサーを目指そうと気づいたら志していました。
荒井 :実際、アナウンサーになってみてどうですか?
- 所村 :
- フィールドリポーターをしているので、現場では自分の言葉で
伝えなくてはなりません。
毎回、どういういう言い回しが伝わりやすいのか?
その言葉が合っているのか、そうでないのかも自分で判断しなければ
ならないので、日頃から日本語をもっと勉強しなきゃということを
常々感じています。

<新人アナウンサー研修>
およそ5か月に及んだ「新人アナウンサー研修」。
発音やアクセント、原稿読みなど、アナウンス技術の基礎を学びました。
内容やスケジュールを考えたのは研修幹事の平石・久保田、両アナウンサー。
所村アナウンサーについて聞きました。
発音やアクセント、原稿読みなど、アナウンス技術の基礎を学びました。
内容やスケジュールを考えたのは研修幹事の平石・久保田、両アナウンサー。
所村アナウンサーについて聞きました。
- 久保田:
- いいやつ。
言葉が的確かわからないですが、みんな言いますね。
「いいやつ」
面白い後輩です。
- 平石 :
- 目をキラキラさせて話しかけてくる好青年です。
体は大きいですけど、物腰が柔らかくて、腰が低いんです。
この点はとってもいいなと。
威圧的じゃないのにグイグイ迫ってくる。
その感じがとっても彼らしい。


<卒業制作>
約5か月間の新人研修の締めくくりは、ニューススタジオから生放送形式で原稿読みとフリートークをする「卒業制作」。
研修をしめくくるこの場で、大きな出来事があったそうです。
カフを上げ忘れてしまいましたが
技術スタッフのフォローでトラブルにはいたらなかったそうです
研修をしめくくるこの場で、大きな出来事があったそうです。
- 平石 :
- カフをあげ忘れましたね、
放送上におけるかなり大きなミスなんです。
これはこれで注意しました。
一方で救いがあったのは、思ったより動じなかった。
ミスは誰にでもつきものです。
次からしないということが大事なのと同時に、最後まで責任を持って
お伝えする、放送するということが大事なので、大きなミスだったんで
すが、救いはあったと思っています。
頑張って最後までやってくださいね。
褒めてるわけじゃないですよw
カフを上げ忘れてしまいましたが
技術スタッフのフォローでトラブルにはいたらなかったそうです
- 所村 :
- 音声が残っているのは技術スタッフの皆さんのおかげなので、
支えられて助け合いながらこの放送は成り立っているんだなと、
卒業制作で学びました。

<ロケの苦い思い出>
所村アナウンサーが初めて担当したのは夕方のニュース番組「スーパーJチャンネル」。
ロケではこんな思いをしたそうです
荒井 :この件について平石アナウンサーはこのようにおっしゃっています。
ロケではこんな思いをしたそうです
- 所村 :
- 「スーパーJチャンネル」の大雨のリポート時。
ディレクター、取材班の皆様に助けられながら初めての放送を終える
ことができました。
両親や友人からは、「よかったね」とたくさん連絡が来ました。
ただ、現場では目の前の光景を伝えるために、カメラを向けられた際、
私は、言葉が出てきませんでした。
数十秒間、黙り込んでしまいました。
その時、「喋れよ。何しにきたんだ」と言われ、私が喋らないと何も
進まないんだと、気づかされました。
その時から、現場に出るたびに「伝え手としてより成長したい」と
思うようになりました。
荒井 :この件について平石アナウンサーはこのようにおっしゃっています。
- 平石 :
- 「非常に悔しい」と語りかけてきまして。
その時に、研修ってとても大事なんだけど、実践こそが一番の研修
なんだと、とても思いました。
そこで感じたことが彼を少し飛躍させたという気がしています。
いかに実践で研修していることを生かすか、という目線に立ったとい
う意味では、現場を一度踏んだという大きさを凄く感じたので、失敗も
あるかもしれないけれど、どんどん現場に出て、自分自身で体得してい
くことが大切だと思いました。
- 所村 :
- まだ研修期間だったのですが、「研修で与えられた課題を100%出来
たとしても、まだ1人前にはなれていない。研修で学んだことを現場
に出て、100%、120%出来ないと、そもそも仕事として成り立っ
ていない」と学んだので、その後1か月ほど研修が続いたんですけど、
取り組み方や心構えは大きく変わりました。


<今の担当番組「報道ステーション」>
所村アナウンサーが今年1月から担当しているのが「報道ステーション」
最初の取材は元日に発生した能登半島地震の現場リポートでした。
現場の先輩に聞いてみました。
一方で先輩アナウンサーを困らせた!?
こんなできごとも…
大谷選手がよく使っている負荷をかけるトレーニングを
スタジオでいとも簡単に実演してしまったそうです。
最初の取材は元日に発生した能登半島地震の現場リポートでした。
現場の先輩に聞いてみました。
- 小木 :
- 新人ではあるんですが、取材に気持ちが入っているので、非常によく
言葉が伝わってきました。
私がちょっと驚いたのは、最初の頃ってカメラを誘導して連れて行く
とか、結構難しいんですよ。
所村くんは、最初からそれが出来ていたので、なかなかやるな!と
思っていました。
一方で先輩アナウンサーを困らせた!?
こんなできごとも…
- 安藤 :
- あんなに走るな!
じゃぁ、お願いしますって言ったら
スタスタスタって走り抜けていった時のスタジオの私たちw
大谷選手がよく使っている負荷をかけるトレーニングを
スタジオでいとも簡単に実演してしまったそうです。

<先輩からのメッセージ>
- 小木 :
- 取材現場でいろんなディレクターやカメラマンと一緒に仕事をして
いろんなリポートの仕方や引き出しを教えてもらって、それを自分で
咀嚼していると思います。
それらの経験を自分の中に蓄積して、いろんな現場で自在に使える
ようになってください。頑張って。
- 安藤 :
- 所村くんのまっすぐなリポートから元気をもらって、私も頑張らなきゃ
といつも気が引き締まっています。
一緒に小木先輩のご指導のもと頑張りましょう。
小木 :僕のせいにしないでくださいw
- 所村 :
- 直接こうやってメッセージをいただくと、またがんばらなきゃと
気持ちが引き締まります。
荒井 :「報道ステーション」を担当してどうですか?
- 所村 :
- 各現場で、違うディレクター、違うカメラマンに、毎回違った
見せ方、話し方、伝え方を教えていただくので、まだまだ学び学びで、
自分の引き出しに少しずつ、追加できているのかな?という毎日です。

<記憶に残る放送回>
- 所村 :
- 最初に頭に思い浮かんだのは、今年の1月1日に発生した地震です。
石川県金沢市が実家なので、帰省していた時に震度5強を経験しまし
た。
正月休みに金沢に帰省していた時、地震にあった所村アナウンサー
地震発生直後から現地でリポートをしていた裏には知られざる話がありました。
- 所村 :
- 地震が発生した時は、昼寝をしていて。
家には私1人だったので、すぐ家族に連絡をとって、安否確認できたと
ころで、「たぶん現場に行って伝えるという仕事が必要なんだろうな」
と思ったので、母にHAB(北陸朝日放送)に送ってもらっている最中に
アナウンス部長に連絡して。
「HABに向かっているんですけど、出勤の許可いただけますか?」と
いう話をしたら、「向かってくれ」と言われたので、そのままHABに
向かってクルーと合流して能登へ向かいました。
荒井 :社員証がないから自分の名刺見せて入ったって話を聞いたんですけど。
- 所村 :
- HABに行かなきゃと思ったら社員証を持っていなかったんです。
持っていたのが名刺だけだったので、名刺でいけるかなぁと思って、
「テレビ朝日の所村です」と名刺を見せたら、この言葉が適切かどうか
わかりませんが、歓迎されて
「すぐに現場に行ってください」と言われて、ディレクターとカメラマ
ンと3人で能登に向かいました。
たまたま12月30日にも能登に向かっていて、2日前に通った道が
原形をとどめていないんですね。
普段だったら片道2時間のところが6時間くらいかかって。
被災地に向かう途中、コンビニエンス・ストアに寄って飲み水などを先
に調達する必要があったのですが、そのコンビニエンス・ストアが人で
溢れかえっていたんです。
みなさんパニック状態で、「津波が来るんじゃないか?」って。
海のほうから市内の方へ車が渋滞で。
この異常事態をすぐに伝えないと自分の地元の人々の心配が取り除
かれることはないんだろうなと思って、使命感ではないですけど、
感じながら現場に向かってました。
その場にテレビ朝日の人はいないので、自分で言葉を選ばないと
いけない環境だったので、研修で学んだこと、そしてこれまでの半年間
の経験で学んだことを全力で使うしかなかった状況でした。
あの能登の取材は、今後も一生忘れることはないと思います。

<研修幹事からのメッセージ>
- 平石 :
- すでに大変いい活躍をしていると思います。
一方でまだまだ伸び代があると思っていますので、今の状況に甘んじ
ることなくもっともっと上を目指して、大きく長く活躍して欲しいと
思います。
現時点では、(研修幹事として)大満足です。
頑張ってください。
- 久保田:
- いいものを確実に打ち出しています。
1つ1つの言葉に心を込めて、2人は得意なところだと思うので、
無理をしない程度に頑張ってください。
2人が活躍しているのを観るのが楽しみです。
またね~。
- 荒井 :
- 2年目になってまだまだだなと思うことがたくさんあるので、
最後に、2年目の抱負をお願いします。


<2年目の抱負>
- 所村 :
- 私の2年目の抱負は、
フィールドリポーターとして仕事を極めることです。
現場の情報を確実にみなさまに届くようにお伝えします。
わかりやすく「そういうことが起きているんだ」と納得できるような
リポート、中継ができるように頑張ります。
具体的な目標としては、5分間の中継を今年中にできればと思ってい
ます。
- 荒井 :
- 私の今の課題は、「ニュースの肝は何なのか?」を捉えられるように
なることです。
ニュースを観た人がふとした瞬間に「こんなニュースあったな」と
思い出してもらえるように、わかりやすく記憶に残るようにニュース
を伝えられたらと思います。
自分の限界を決めずに、もう少しメキシカンな部分も出しながら、
アナウンサーという仕事に真摯に向き合い続けたいと思います。
がんばります。


