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#894
2023年12月17日

「五感で楽しむ音楽会2023」

【番組司会】山口豊(テレビ朝日アナウンサー)
      八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
【リポーター】林美桜(テレビ朝日アナウンサー)
10月21日(土)に開催された、「五感で楽しむ音楽会2023」。
視覚障がいのある方も聴覚障がいのある方も、
それぞれのやりかたで音楽が楽しめるコンサート。

<鑑賞サポート>
視覚障がいのある方や聴覚障がいのある方も楽しめるよう
様々なサポートが用意されていました。

●パンフレット
視覚障がいのある方にも理解してもらえるように、点字のものや、
小さい文字が読みにくい方のために、大きな文字で書かれたものを用意。

●抱っこスピーカー
音色だけでなく演奏家が感じている楽器の振動も感じることができる。

●高校生ボランティアによる会場内の誘導
品川エトワール女子高等学校の生徒さんが
ボランティアで案内役を務めてくれました。

-ボランティに参加していかがでしたか?

実際に障がいのある方と関わる機会がなかったのでちょっと緊張しました。
聴覚障がいのある方は、見えていても耳が聴こえない方。
こちらから声をかけるにしても、
どういう案内をしたら良いのか少し難しいと感じました。

視覚障がいのある方からは
「肘や肩を押さえて案内してほしい」とお願いされて、
身近に肌を感じられるところを押さえながら誘導するのが
安心するのかな?という発見をしました。



<ステージ①>
●川畠成道さん(ヴァイオリン)
視力が低下した幼少期にヴァイオリンと出会い
イギリスと日本を拠点に精力的な活動を行っている。

-「五感で楽しむ音楽会」について

数年ぶりにこの音楽会が帰ってきて、
またこのステージに立つことができてとても幸せです。
あらためて自分は音楽をやることによって
ほかの方々とつながっていくことができる、
音楽が自分に与えてくれた素晴らしさを感じました。
自分自身が視力を悪くしたところからヴァイオリンと出会い、
大変なこと、苦しかったこと、いろいろありますけど、
そうしたものを乗り越えていくことによって
いまやっと数十年経って、音楽をやる楽しさを
ようやく感じられるようになってきました。
こうした企画を長く続けていただいて、
たくさんの方に音楽の魅力を伝えていくことができたらなと思っています。

<コンサート中の鑑賞サポート>

コンサート中も様々なサポートで鑑賞をサポート。
楽器の音色だけではなく、
演奏家が感じている楽器の振動も感じられる
「抱っこスピーカー」が音楽を楽しむ大きな手助けに。
聴覚障がいのある方にも、出演者の話を楽しんでもらえるよう、ステージ上から手話通訳を。
司会者の言葉や、演奏家のコメントも音声認識システム「UDトーク」を使い
スクリーンで共有できるようになっていました。

<ステージ②>
●山本光洋さん(パントマイム)
ニューヨークでパントマイムを学び、オペラや伝統芸能など様々なジャンルと
共演するなど全国各地で活動中。

-「五感で楽しむ音楽会」に参加して 

障がいを持っている方もそうでない方も一緒に客席にいて
同じところで反応してくれることに対して
やっている人間としてうれしい。
画で楽しめなかったら音で楽しめるように工夫をしました。
これだけ舞台で同時にいろんなジャンルの方がいることはあまりないので、
演者としてやりがいがありました。



<ステージ③>
●フラワービート(ボディリズム&パーカッション)
打楽器とピアノによるアンサンブルユニット。
演奏動画は音楽の授業の教材にもなっている。

-「五感で楽しむ音楽会」に参加して

僕たちは障がいのある方の前で演奏することはほとんどない。
耳が聞こえない方の前で、どんなパフォーマンスをしたらよいのか?
いろいろなパフォーマンスをするごとに
お客さんが声をかけてくれたり、一緒に手拍子をしてくれたり、
会場ともひとつになれた。



<ステージ④>
●桔梗ブラザーズ(ジャグラー)
兄弟ならではの連携で世界を舞台に活躍。
ラスベガスで開催された世界大会で銀メダルを獲得。

-「五感で楽しむ音楽会」に参加して

びっくりしたのが、普段のショーよりも盛り上がったこと。
いざやってみると思った以上に一体感が作れるショーができて
驚きましたし、すごく楽しかったです。
エンターテインメントは、生きるために絶対に必要ではないんですけど、
生きることとは別な豊かさがあって、人生において財産になっていくものなんじゃないかと思っていて。
こういうイベントはどんどんやっていただきたいし、
僕たちもやりたいと思っています。

<鑑賞したお客さんの声>
●お客さんの声①

一流の方達の演奏に触れる機会が少ないので
演奏も演技もすごく良かった。
ひとつ思ったことは、自分が視覚障がい者なので
音声ガイドの貸し出しが可能ならば
「こんな衣装を着てますよ」とか、
パントマイムのときに
「いま風が吹いて飛ばされそうになってます」とか。
見えない部分も想像が膨らんでいくので
音声ガイドがあったらよかったです。

●お客さんの声②

桔梗ブラザーズさんとフラワービートさんの
コラボレーションが一番おもしろかった。
抱っこスピーカーは、太鼓の細かな振動がおもしろかった。
いろんな障がいのある人もない人も楽しめるような音楽会、次回も行きたいと思います。

●お客さんの声③

普段は「五感で」ということをあまり意識したことがない。
あらためて意識させていただいて
「五感で感じる」というのは楽しい。
普段、いかに眠っている感覚があるか、楽しく五感を働かせていくと
いい人生が送れるんじゃないか。
目でも耳でも会場の雰囲気でも味わうことができて、
楽しかった。幸せでした。