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#870
2023年6月11日

小倉久寛さんとテレビ(後編)

【番組司会】山口豊(テレビ朝日アナウンサー)
      八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】小倉久寛
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)

<プロフィール>
1954年生まれ
1979年「劇団スーパー・エキセントリック・シアター」に参加
舞台を中心に映画・ドラマ・バラエティ・声優・ナレーターなど幅広く活躍
舞台「熱海五郎一座」に出演中

<三宅裕司さんと約45年>
長年やってきましたがケンカにはならないんです。
三宅さんの言うことを聞いているだけですから。
三宅さんはわがままにいろんなことをやらせるタイプの人じゃないですから。
ずいぶん常識的な人ですから。
むしろわがままなのは、僕の方。
三宅さんの方が困ってるかもしれない。
「お前ふざけんなよ」って言いたいことがいっぱいあるかもしれません。



<三宅裕司インタビュー「小倉さんと40数年 続いてきた理由は?」>
小倉さんと40年以上の付き合いでうまくいってきたのは、彼が体育会(空手部)出身で先輩後輩のケジメがキッチリしていたことによるのかもしれません。
僕も小倉もそんなに怒ったことないんです。
あとは、酒が2人を繋いでいたのかもしれません。
2人とも酒を飲むのが好きで、劇団員と朝まで飲んでいろんな話をしてきました。2人きりで飲むことは実はあんまりないんです。
結構長く2人でやってますから、話は無くなりますw

ずっと小倉がボケて僕がツッコミですから逆をやってみたいです。
ボケの方が得なんですよ。
面白さはボケのほうにあるように見えますから。
ボケがいいから受けているように見えるわけです。
「ボケを俺にやらせてくれよ」
俺ボケると相当いいんですよ。
いいツッコミがいないからボケのほうをやってこなかったんで。
今までの恩返しとして小倉がツッコミの勉強して、私の素晴らしいボケを引き出してほしいなと思いますね。

<小倉さんにとって“三宅裕司”という存在>
ある時は親のように諭されたり、ある時は舞台で僕をよく見えるようにしてくれる人なんですが…。
でも言うじゃないですか!
社会でうまく生活していくには「いい上司を見つけること」、ね!
三宅さんの舞台を見て、「あっ!見つけた」って言う感じだったんです。
僕は何も褒められることはないけれど、「まだ売れていない三宅裕司を見つけた!」
自分の眼力は褒められるなと思って、そのことをある時、三宅さんに話したことがあるんです。
そうしたら三宅さん「何言ってんだよ、俺がお前を見つけたんだぞ」って言ってくれて、思わず泣いちゃいました。



<三宅裕司インタビュー「小倉さんの最近の芝居について」>
歳をとってきて、芝居のテンポがだんだん遅くなってきちゃうと嫌なので、速いテンポで芝居する努力をしたんですね。
そしたら小倉が、これを逆手にとって、テンポを遅くする芝居をするんですよ。
そこはちょっと揉めましたねw
そうすると僕が焦って必死になるので、より面白くなると小倉は思ったのかもしれないですね。
昔はそんな計算するようなやつじゃなかったんですけどね。
最近はなんか。そんなことを考えるのか!コノヤロウ!みたいなねw



小倉さん
ちょっとありますねw
「三宅さんのテンポについて行こうかな」と思ったんですよ。
でも、もう、無理なんですよ。
わかった、じゃあ、もうやめた!
ついていかないようにしようとw
そしたら三宅さんが舞台で怒ったんですよ。
あっ、舞台で本気で怒ってるのも面白いなと。
還暦の時に、「還暦記念ライブ」というのをやったんですよ。
その最後に「僕は三宅さんと違って、高い志があってこの世界に入ったわけじゃないんです。色々自分じゃ決められなくて、流されて流されて、いろんな人に流されて、お客さんにも流されて、今ここにいます。これからどこに流されるのか楽しみです。」
って挨拶をした覚えがあるんですけど。



<浅野ゆう子インタビュー>
脚本家も演出家も小倉さんという人をわかっていて全部あて書き、あて作りしてるんだろうなって思うんで、どれ観てもやっぱり小倉さんなんです。
打ち崩すようなキャラって似合わないと思うので、今のままでいいです。

小倉さんすごく奥様と仲良しなんですよ。
その奥様と二人でワンコを飼い始めた時、ものすごい自慢気に携帯で写真を見せるんです。「かわいいでしょ、かわいいでしょ」って。
その当時私も犬を飼っていたので『うちの犬の方が100倍かわいいわ』って思ったんです。
そういう自慢をするのはやめて欲しいですw



<浅野ゆう子の魅力>
舞台で共演した際、1幕目が終わった時に舞台袖で本当に楚々とした感じで、声発して無いんですけど、聞こえてくるんですよ。
「(お疲れさまでした、大丈夫ですか)」って。
もうそれで疲れがシュッて飛ぶんです、すごい威力です。

<サインに添える言葉>
「脱力」って書いています。
仕事なんか特に「力」が入っちゃうじゃないですか。
なるべく力抜いて出来ればいいなと思って。
「あなたもどうですか?」っていうつもりで書いてます。

<やってみたいこと>
60歳過ぎたあたりから「あ~あれ、やってなかったなぁ」ということを思い出してみて、それをちょっとずつやろうとはしてます。
英会話、違う流派の空手など。空手は4~5年かかって黒帯を取りました。
あと、加山雄三さんが好きで、加山さんがやってることをやりたいなぁと思って、船に乗ったり、絵を描いたり、ギター弾いたり。
これはもう死ぬまで続けていこうと思ってます。
加山雄三ごっこって言うんですけどw
船舶免許取って暖かくなると、船に乗ってます。

<浅野ゆう子さんからのメッセージ>
いつもお世話になり、ありがとうございます。
舞台始まりましたね。
今年も楽しみに、観に行かせていただきます。
小倉さんの可愛い姿を客席から応援してますからね。
小倉さんLOVE。
頑張ってね。

<三宅裕司さんからのメッセージ>
また独り立ち公演みたいなのをやってですね。
俺が居なくても独りでここまで出来るんだ!というのをたくさんの人に知らしめて、自分自身も自覚して。
本当はすごく頭のいい小倉なので、そんなことはわかってると思うんですけど、頑張って欲しいと思いますね。
それと、ちょっと新しいことにチャレンジしていこうぜ!
70過ぎてんだよねぇw
がんばりましょう。



<テレビとは>
 人生の道しるべ  小倉久寛