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#863
2023年4月16日
「放送作家の仕事」高須光聖さん(後編)
【番組司会】山口豊(テレビ朝日アナウンサー)
八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【出 演】高須光聖(放送作家)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【出 演】高須光聖(放送作家)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
バラエティ番組を中心に数多くのレギュラー番組を担当する高須光聖(みつよし)さん。
幼馴染だった「ダウンタウン」に誘われ24歳で放送作家デビュー。
現在は、映画やドラマの脚本、ラジオのパーソナリティ、作詞など多方面で活躍中です。
そんな高須さんに「放送作家の仕事」について伺いました。(後編)
幼馴染だった「ダウンタウン」に誘われ24歳で放送作家デビュー。
現在は、映画やドラマの脚本、ラジオのパーソナリティ、作詞など多方面で活躍中です。
そんな高須さんに「放送作家の仕事」について伺いました。(後編)


<ダウンタウン以外の芸人からの発見や刺激>
演者さんによって企画は全く変わってきますし、自分のモードも変わってきます。演者さんには属性みたいなものがあって。
ロンドンブーツ1号2号の田村淳くんは、恋愛やファッションが得意な分野で、恋愛話はバンバンできると思うんですけど、恋愛話が苦手な方もいらっしゃって、ダウンタウンの2人とか、ビートたけしさんとか、照れちゃうみたいな。
芸人の得意な属性を理解すると企画も面白く回っていくような気がします。
ロンドンブーツ1号2号の田村淳くんは、恋愛やファッションが得意な分野で、恋愛話はバンバンできると思うんですけど、恋愛話が苦手な方もいらっしゃって、ダウンタウンの2人とか、ビートたけしさんとか、照れちゃうみたいな。
芸人の得意な属性を理解すると企画も面白く回っていくような気がします。
<長寿番組になる秘訣>
MCのロンドンブーツ1号2号の2人が、年齢とともに立ち位置を変えていくことに合わせて企画も変えてきたことが良かったのかなぁと思います。
ロケでどんどん押していた時代から、スタジオで懐深く回してきたことが良かったのかも。演者さんが成長するにつれて世の中の見方も変わってくるので、世の中がこの演者に何を求めているのかを理解した企画にしたほうがいいかなぁとは思います。
ロケでどんどん押していた時代から、スタジオで懐深く回してきたことが良かったのかも。演者さんが成長するにつれて世の中の見方も変わってくるので、世の中がこの演者に何を求めているのかを理解した企画にしたほうがいいかなぁとは思います。

<今のバラエティ番組に感じること>
昔テレビは日本で一番のエンターテインメントだったと思いますが、いろんなコンテンツやプラットフォームが出てきてテレビはワンオブゼムになってきたとみなさんが難しいことをおっしゃっていますが、ぼくは、最近よくテレビを見るんです。
話題のプラットフォームのコンテンツを見なくちゃいけないと思って追いかけてたらちょっと疲れちゃったんです。年齢のせいかもしれませんけど。
最近、テレビってちょうどいいなぁって思いだしてます。
家族がいる中でずっとつけっ放しで、面白いところはひっかかって、それなりに流せて。その自由な感じが楽で今すごくちょうどいいなぁって、思うようになりました。
話題のプラットフォームのコンテンツを見なくちゃいけないと思って追いかけてたらちょっと疲れちゃったんです。年齢のせいかもしれませんけど。
最近、テレビってちょうどいいなぁって思いだしてます。
家族がいる中でずっとつけっ放しで、面白いところはひっかかって、それなりに流せて。その自由な感じが楽で今すごくちょうどいいなぁって、思うようになりました。

<HPでの放送作家同志の対談>
僕が聞きたかったんですよ。
自分がやっている番組は理解できるんですけど、自分がやっていない番組は、どうやって成り立って、どういう風に演出されて、どういうロケが行われてこういう風になったのか?ということが凄く知りたくて。
放送作家仲間にじっくり聞くことはなかったので、だったらちゃんと思考を巡りながら聞きたいなと思って始めました。
同業者には細かいところまで質問できるんです。
テレビを全体的に把握するのに非常に良いコンテンツでした。
自分がやっている番組は理解できるんですけど、自分がやっていない番組は、どうやって成り立って、どういう風に演出されて、どういうロケが行われてこういう風になったのか?ということが凄く知りたくて。
放送作家仲間にじっくり聞くことはなかったので、だったらちゃんと思考を巡りながら聞きたいなと思って始めました。
同業者には細かいところまで質問できるんです。
テレビを全体的に把握するのに非常に良いコンテンツでした。
<メディアによる企画の違い>
あると思います。
自分の中に「学習・学ぶ」から「実験」という企画の軸があって、局によって変えている気がします。
昔は「コンプライアンスって何それ?」っていう人が多かったですけど、今は逆にそのコンプライアンスをどう面白がるか?をテレビは楽しめている気がします。
ネットに関してはもっと実験的なこと。もっと「個の事」。
自分が本当にやりたいことだけを見せるということにおいては、ネットは適していると思います。
自分の中に「学習・学ぶ」から「実験」という企画の軸があって、局によって変えている気がします。
昔は「コンプライアンスって何それ?」っていう人が多かったですけど、今は逆にそのコンプライアンスをどう面白がるか?をテレビは楽しめている気がします。
ネットに関してはもっと実験的なこと。もっと「個の事」。
自分が本当にやりたいことだけを見せるということにおいては、ネットは適していると思います。
<若い世代を惹きつける企画・ギャップの穴埋め>
今どんなことが面白いのか、何に興味があるのかとか、若い人にいろんな話を聞いたり、質問・相談したりすることもあります。
作詞家の秋元康さんに「若い女の子の気持ちをどうしてこんなに詞にできるんですか?」と質問したら、「デバイスが変わっただけで、ドキドキする気持ちはいっしょだから。面白いことの現象自体は同じで、衣が変わっているだけ。その衣を今風にアレンジしたら、ぼくは書けるよ。」とおっしゃったんです。
自分が見てきた原風景の派生でしかないので、そこから今風の衣をどう付けるかをあんまり無理しないでできたらなと思いました。
番組が持っているカラーとか空気ってあるじゃないですか?
その大きなステートメントさえ合っていれば、その「番組らしさ」で包めるなと思ってます。
作詞家の秋元康さんに「若い女の子の気持ちをどうしてこんなに詞にできるんですか?」と質問したら、「デバイスが変わっただけで、ドキドキする気持ちはいっしょだから。面白いことの現象自体は同じで、衣が変わっているだけ。その衣を今風にアレンジしたら、ぼくは書けるよ。」とおっしゃったんです。
自分が見てきた原風景の派生でしかないので、そこから今風の衣をどう付けるかをあんまり無理しないでできたらなと思いました。
番組が持っているカラーとか空気ってあるじゃないですか?
その大きなステートメントさえ合っていれば、その「番組らしさ」で包めるなと思ってます。

<守っているルール>
演者がその企画や番組内で自由に動ける場作りを心がけています。
明らかに見える仕掛けがあるのではなく、演者が遊びたくなるような場作りと、核になるような企画をこっそり埋めておいて、演者との知恵比べみたいなところで遊べたらいいのかなぁと思ってます。
明らかに見える仕掛けがあるのではなく、演者が遊びたくなるような場作りと、核になるような企画をこっそり埋めておいて、演者との知恵比べみたいなところで遊べたらいいのかなぁと思ってます。
<コロナ禍の影響>
テレビから「熱狂」が離れてしまった気がしています。
自分がどうやってはしゃいでたかな?って思い出せなくなってます。
コロナ前の24時間と今の24時間が全く別のもののように感じられて。
ただ、毎日ジャージで家にいて、子供の成長を見れたことは良かったなぁと。
いい時間を頂いた気はしています。
自分がどうやってはしゃいでたかな?って思い出せなくなってます。
コロナ前の24時間と今の24時間が全く別のもののように感じられて。
ただ、毎日ジャージで家にいて、子供の成長を見れたことは良かったなぁと。
いい時間を頂いた気はしています。


<テレビでやってみたいこと>
面白い番組を作るというのは一番なんですけど。
放送が終了してしまう番組を違う形で生かしたいんです。
そうすると厚みもできるし、コンテンツ自体の魅力も膨らみ、ファンも増えるのではと感じているので、ちゃんとマネタイズ(収益化)できる仕組みを外と連携しながら考えたいです。
放送が終了してしまう番組を違う形で生かしたいんです。
そうすると厚みもできるし、コンテンツ自体の魅力も膨らみ、ファンも増えるのではと感じているので、ちゃんとマネタイズ(収益化)できる仕組みを外と連携しながら考えたいです。
<放送作家を目指す人へ>
自分が好きなことを探してそれを新ジャンルとして企画に落とし込む。
夢中は努力に勝てないので、それに特化する企画をもっと深く考えてみてもいいんじゃないかなぁと思います。
好きなものを番組に、好きなものを企画に考えてもらえたらいい作家さんというか、いいコンテンツが作れるんじゃないかなぁと思います。
夢中は努力に勝てないので、それに特化する企画をもっと深く考えてみてもいいんじゃないかなぁと思います。
好きなものを番組に、好きなものを企画に考えてもらえたらいい作家さんというか、いいコンテンツが作れるんじゃないかなぁと思います。

<今後のテレビに期待すること>
もっと個人の面白いことをテレビは試せる場所だと思うんです。
1つの作品を作るのに、映画などは非常に時間を要しますが、テレビは、毎週毎週、毎日毎日、思いついたらすぐにやれるというクイックな動きと、60年以上続けてきた蓄積と知恵があるので、それらの武器を持ってもっと実験的にやれる回数が増えればいいのになぁと思っています。
どうしても実験ができなくなっている気がするんです。
自分はこれがやりたいと強く思うことを試せる場ですかねぇ。
「そんなものはテレビにならないぞ」と言われることこそ、企画になりそうな気がしています。YouTubeなどからテレビに持って来れるものもあると思うんです。あまり形を作らないで。
1つの作品を作るのに、映画などは非常に時間を要しますが、テレビは、毎週毎週、毎日毎日、思いついたらすぐにやれるというクイックな動きと、60年以上続けてきた蓄積と知恵があるので、それらの武器を持ってもっと実験的にやれる回数が増えればいいのになぁと思っています。
どうしても実験ができなくなっている気がするんです。
自分はこれがやりたいと強く思うことを試せる場ですかねぇ。
「そんなものはテレビにならないぞ」と言われることこそ、企画になりそうな気がしています。YouTubeなどからテレビに持って来れるものもあると思うんです。あまり形を作らないで。
<テレビとは?>
楽しくて壮大なおもちゃ