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#848
2022年12月25日

映画「仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル」の舞台裏

【番組司会】山口豊(テレビ朝日アナウンサー)
      八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【出  演】柴﨑貴行(監督)、宮崎 剛(アクション監督)、
      高橋悠也(脚本家)、寺崎 貴司(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
現在公開中の映画、「仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル」を手がけた監督、アクション監督、脚本家の3人に映画の舞台裏などを伺いました。

<今回の映画、苦労したところは?>
柴﨑貴行(監督)
 仮面ライダーギーツとリバイスという全く違う世界観を持つライダー2作を融合させて話をまとめるところが難しくて苦労するところでした。


宮崎剛(アクション監督)
 監督のわがままですかね。。。(笑)
 監督の狙いがあって初めて成立するものなので、今回は「移動しながらの撮影」というテーマがあったので、いかに止めずにアクションに繋げていくか?というところでした。
 電車の中、商店街、車の上、スシローなど。その繋ぎですね。


高橋悠也(脚本家)
 それぞれ作品の主役をはる人たちが登場する中、全員が遜色なく主役としての魅力を発揮させる物語を作るところ。



<3人の役割分担は?>
柴﨑監督
 監督はトータルコーディネーター。
 みんなの「わがまま」をまとめる人(笑)
 アクションの部分はアクション監督にお任せ。OKを出すのは監督の仕事。
 脚本家の重要な仕事は、キャラクターの台詞を生み出すこと。
 映画は分業なので、みんなで作ってます。



<子供達に感じて欲しいこと>
柴﨑さん(監督)
 今はわからなくても少し背伸びして大人の気分も味わって欲しい。

宮崎さん(アクション監督)
 子供の頃、仮面ライダーになりたかったので、今の子供たちにもそう思ってもらいたい。なので、変身ポーズや必殺技にはこだわります。

高橋さん(脚本家)
 かっこいいとか強いとか思ってもらいたい一方で、仮面ライダーの世界はもしかしたら存在するのかもしれないと思ってもらいたい。

<「仮面ライダー」の遺伝子>
柴﨑さん(監督)
 悪が開発したテクノロジーをどう使うか?が最初のライダーから続いているので、原点に戻って考えるようにしています。
 最後は自己否定につながっていくヒーローだとイメージしています。

<技術の進化>
柴﨑さん(監督)
 挑戦していくシリーズだと考えているので、進化していく技術は取り入れますが、生のアクションが持つ「力強さ」「瞬間のエネルギー」も取り入れて融合させ、「ライブ感」を大切にしています。

宮崎さん(アクション監督)
 技術を多用するとドラマが薄くなります。
 若い人たちには、「技術で撮らないほうがいいよ」と伝えています。
 高橋さんが書いた脚本を監督が組み立て、芝居の流れを重要視した上でアクションをつけています。
 最初から最後まで一連で繋がらないと、アクションは面白くないんです。



<脚本を書くにあたって>
高橋さん(脚本家)
 戦うからには「襲ってくる理由」があり、一方で「立ち向かっていく理由」がある。誰しも好んで戦いたくはないのに、そこには戦いがある。
 仮面ライダーには、「戦う理由」を明確にする難しさがあると思っています。

 強くてカッコいい存在であって欲しい一方で、ピンチになったり、世界が窮地に追い込まれたりする展開があった方が、守った時の喜びや感動も大きくなると考えます。
 しかし、ピンチになるということは、仮面ライダーが劣勢になっているということなので、その匙加減が非常に難しいです。
 ピンチも欲しい(笑)
 どの程度のピンチだったら仮面ライダーの品格を落とさずに物語が作れるのか?を毎回苦しみながら考えて書いています。

 キャラクターのセリフと感情の流れは自分自身に落とし込んだ上で本にしたつもりですが、アクションに関しては最小限のト書きしか書いていないのに、10数分のアクションになっているので驚いています。
 これを毎回、毎年やっているスタッフは異常だと思います(笑)
 なぜできるのか不思議でしょうがないです。聞きたいです(笑)
 
柴﨑さん(監督)
 チーム力なんです。これは。
 みんなでいいものを作りたいという気持ちの集結です。

 3人が一同に会することはほぼ無いですが、普段聞けない話が聞けて「あぁ。みんなこういう思いで作ってるんだ」と勉強になってます。(笑)



<あなたにとって「仮面ライダー」とは?>
家族をつなぐ作品 監督 柴﨑 貴行
いつの時代も子どもたちのヒーロー アクション監督 宮崎 剛
人としての生き方の一部 脚本 高橋 悠也