バックナンバー

#839
2022年10月16日

「テレビの現場で働く」(前)

【番組司会】山口豊(テレビ朝日アナウンサー)
      八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】山本夏実(VE:ビデオエンジニア)
     舟越利紗(照明)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
テレビの現場で働くふたりをスタジオにお迎えして、仕事でのこだわりや、やりがい、この道を目指したきっかけ、これからのことなどを聞きました。


今回は入社4年目 照明を担当する舟越利紗さん、「あざとくて何が悪いの?」のスタジオ照明セッティングを追いかけました。

AM5:30
技術打ち合わせまでの3時間20分で照明を仕上げなければならないため、誰もいないスタジオに照明チームが集合。

照明スタッフ4名で安全確認等の打ち合わせ後、作業開始です。
天井から吊り下げられた約60台のライトをおろし、照明設置図どおりに1台ずつ調整します。


照明1台 約8~13kg 、体力も必要です。


大きな暗幕を釣り上げていました。
なぜなのでしょうか?

椅子に座る出演者を綺麗に映すための照明がセット全体に当たってしまうと他の照明の効果がなくなってしまうため、黒い幕で光をさえぎっていたのです。

天井の照明のセッティングが終わると、セット裏や床に置く照明にとりかかります。

AM7:08
作業開始から1時間30分 セッティングがひと段落したので休憩。

休憩後は、出演者にあてる照明の調整します。
照度計(明るさを数値化する機器)を使って明るさを均一にします。
さらに色のついたライトをセッティング。

AM8:30
開始からおよそ3時間後、舟越さんが「一番好きだ」という作業へ。
サブ(副調整室)に上がり照明卓でカメラを通した映像を見ながら調光します。


作業開始前には全体が青白く映っていたセットが柔らかい色調の明るい雰囲気に変わりました。

<照明の仕事を始めるきっかけ>
子供の頃からテレビっ子で、特にテレビのセットデザインや演出に興味がありました。
大学時代にテレビ局のインターンに参加した際、番組収録の体験でたまたま照明を担当。
フェーダー操作ひとつで空間を操れる事が面白く、またセットがワクワクする空間だったので、これを職業にしたいと思いました。

<照明の仕事を続けてきてよかったこと>
シフトで働いているので毎日同じ番組につくわけではなく、いろんな番組の仕事をすることが多いのでルーティンがあまりないんです。
各セクションの人が一つのものを作り上げていく過程がすごく好きで、飽きがきません。

<テレビの仕事を志す後輩へ>
テレビの仕事はタフですが、それ以上に楽しい仕事だと自信を持って言えるので、この道を目指す人がいたらぜひ一緒に働きたいです。

<チャレンジしてみたいこと>
新しい音楽番組の立ち上げに携わってみたいです。
どんなジャンルの番組でも収録回数が重なってくると、ある程度フォーマットが決まってしまうことが多いため、固定観念がまだない新しい番組に挑戦してみたい。



<照明の仕事とは>
映像全体に
彩りを与えられる奥深い仕事
 舟越利紗