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#818
2022年5月22日

第56回 テレビ塾
「題名のない音楽会」の作り方
~番組が発掘したニュースターたち~

【番組司会】寺崎貴司(テレビ朝日アナウンサー)
      八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【講  師】鬼久保美帆(テレビ朝日プロデューサー・演出)
【イベント司会】武内絵美(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト・生演奏】林周雅(ヴァイオリニスト)
【VTR出演】葉加瀬太郎(ヴァイオリニスト)、反田恭平(ピアニスト)、
上野通明(チェリスト)、角野隼斗(ピアニスト)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
テレビ塾
テレビ朝日のスタッフがテレビの仕事・仕組みについてわかりやすく説明する会。
これまで、ドラマ、バラエティ、報道、スポーツ、美術、技術、アナウンサーなど、さまざまなテレビ局の仕事をテーマに開催してきました。
今回もリモートで開催しました。

<講師>
2000年から「題名のない音楽会」を担当している鬼久保美帆。



<「題名のない音楽会」>
2009年5月28日 ギネス・ワールド・レコーズ社より「世界一長寿のクラシック音楽番組」に認定。

番組コンセプト
日本の文化を育てる番組にしたい。
新人発掘に力を入れる。

<才能の発掘①>
振ってみまSHOW!
視聴者が応募して番組に参加、オーケストラの指揮を体験。

番組から生まれたスター:反田恭平さん
世界最高峰のピアノコンクール「ショパン国際ピアノコンクール」第2位。(日本人として51年ぶり)
受賞された時、鬼久保プロデューサーは、「やったー」と思ったそうです。
反田さんは12歳の時、「題名のない音楽会」に視聴者として「振ってみまSHOW!」に応募。出演され、オーケストラの指揮を体験。
反田さんは、「番組に出演したことで僕のクラシック人生が定まった」とまでおっしゃっています。



<才能の発掘②>
未来の大器
未知なる可能性を秘めた子供達にチャンスを与えたい。
本物と触れ合う機会を作ることで才能が開花するのでは?
作り手としても夢を持てる企画。

当時13歳だった上野通明さんが番組に登場。
2021年「ジュネーブ国際コンクール」チェロ部門優勝。
26歳、世界的なチェリストになって番組に再び出演いただいたことも。



<才能の発掘③>
新時代の音楽家
YouTubeで目立った存在だった角野さんを見つけ、番組に出演いただいたことも。

角野隼斗さん
YouTubeでの活動名は「Cateenかていん」
チャンネル登録者数:約98万人(2022年5月13日)
オーケストラとホールで自由に演奏する角野さんの音楽を客もとても楽しんでいた。
角野さんの自由な発想を引き出したかったので、曲も決めない、楽譜も用意しない、会ってしゃべって決めようと思って打ち合わせに臨んだそうです。
結果、収録の時も譜面なしで演奏されたそうです。

<プロの音楽家を育成>
クラシック音楽界の抱える問題をなんとかしたかった。
音楽大学はたくさんあるが、卒業して音楽を仕事にすることはとても大変。
学んだクラシックだけでは演奏家としてもなかなか大変だが、ひとつ考え方をかえるだけで、世界が広がるのでは?という発想からうまれた企画が「題名プロ塾」
第一弾の講師は葉加瀬太郎さん。

林周雅さん(ヴァイオリニスト)
2年前に「題名プロ塾」で葉加瀬さんに見出される。
林さん曰く、「初めての経験でした。ポップスを教えてくださる先生がまずいないんです。葉加瀬さんは 最前線で活躍されていて、情熱大陸の楽曲を作った方。そんな素晴らしい方に教えていただけるなんて。かけがえのない時間でした。」

<質問コーナー>
テレビ塾に参加してくれた学生からこんな質問が。
「コロナ禍における番組作りの変化は?」
この質問に鬼久保プロデューサーは
・ホールでの公開収録が出来なくなったため、スタジオでの収録に変えた。
・真っ白いセットにお花だけを飾るセットにしたことでより企画性が増しました。と答えました。

<仕事の魅力とやりがい>
未来を背負うような音楽家の卵と出会えて、その後、成長され、あらためて番組にご出演いただける。音楽家の成長に携われることは本当に光栄です。

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