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#804
2022年2月6日

ゴルフ中継の舞台裏(後編)

【番組司会】寺崎貴司(テレビ朝日アナウンサー)
      八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)

<ゴルフ中継の舞台裏 後編>
ゴルフ場は放送を目的として作られていません。そんなゴルフ場からの中継は、どのようにして行われているのでしょうか?
本番当日の舞台裏とその後を追いかけてみました。

<本番当日>
チーフ・ディレクターが撮影内容を説明。
全スタッフ(100名以上)が情報を共有します。
今回のゴルフ中継で使うカメラは通常より少ない18台。
各ホールから中継車までケーブルで繋がれたカメラだけではありません。


「ゴルフ中継の花形」と言われるカメラマンの存在がありました。

<ワイヤレスカメラマン>
ワイヤレスカメラは固定カメラと違いケーブルで繋がれていないため、どこへでも移動して撮影することが可能。

ワイヤレスカメラマン 宮内大翼
「ゴルフは他のスポーツとは違い、選手に近い位置で撮影できます。選手の邪魔をせず、プレイヤーファーストで、かつ、いい撮影位置に入ることを考えています。」
ワイヤレスカメラマンは選手がボールを打った後に本領発揮!
打った後の選手の表情を撮影できるだけでなく、コース外に球が飛んでいった場合も追いかけられます。


音声もワイヤレスを使用。
選手と一緒に移動し、ショットやカップインの音、会話を収録します。



<チーフ・ディレクターの仕事>
中継センター車で数多くのカメラ映像の中から放送に使用するシーンを選びます。


チーフ・ディレクター 東山 隆
「ゴルフはいくつもの組が同時進行でプレーするため、放送では、リアルタイムではないシーンが出てきます。1組のプレーを放送のベースにして、ホールの移動やショットの合間で直前に収録した他の組のプレーを入れ込んで放送を組み立てます。どのプレイシーンを選ぶかはディレクターの意志になるので、ディレクターの判断と責任は重いと思います。」



<ドローン撮影>
ゴルフ中継のコース紹介映像はドローンで事前に撮影しています。
ドローン撮影は、ドローンを操縦する人とカメラを操作する人、2人1組。


ドローンカメラマン 西田慶仁
「ボールの軌道を意識して飛ばしています。昔はヘリコプターで撮影していましたが、ドローンで撮影すると立体的にコースが見える利点があります。」

<本番終了後>
撮影が終了すると2日間かけて張り巡らせたケーブルやカメラの片付けが始まります。


ゴルフは日中に行われるスポーツ。
コースに照明が付いていないところがほとんど。
真っ暗な中でヘッドライトなどを頼りに撤収作業を行います。


大会終了から約4時間後。
全ての機材を積み込み、ゴルフ場を出発。
六本木のテレビ朝日本社に戻ってもまだ終わりではありません。
大量のケーブルやカメラ、三脚などの機材を元の場所へ戻し、最後に掃除をして夜10時過ぎに解散。
技術統括 高田 格
「ゴルファーもそうですが、我々技術チームも天候と闘っています。雨が降ったら帰社してから10km以上のケーブルを拭いてから元の位置に戻します。こうして片付けを終えてやっと一息つけます。」