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#788
2021年9月5日

「徹子の部屋の花仕事」
石橋恵三子さん

【番組司会】寺崎貴司(テレビ朝日アナウンサー)
      八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【出  演】石橋恵三子(「徹子の部屋」花の装飾を担当)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
毎週月曜から金曜、午後1時から放送中の「徹子の部屋」で、「スタジオの花」を装飾されている石橋恵三子さんに長年の経験と番組の舞台裏について、お話を伺いました。


石橋恵三子
NETテレビ(テレビ朝日の前身)開局後から、番組中の花や文房具、食事などを担当する「消えもの担当」として番組作りを支え、「徹子の部屋」では第1回目の放送から花の装飾を担当。



<45年目の「徹子の部屋」>
放送開始から今年45年目を迎えた「徹子の部屋」。
石橋さんはこれまでに1万1000回以上の花を装飾。
森繁久彌さんをゲストに迎えた第1回放送(1976年)の花はテーブルの上に置かれていました。
収録後、「花が地味、もっと派手にしよう」ということで、花が目立つように、ゲストと徹子さんの間に置かれるようになりました。

<花の買い出し>
石橋さんが花の買い出しに行くのはスタジオ収録前週の金曜日。
その理由は、「土日に花を使う人が多いので金曜日の市場は花が豊富にある」から。
市場では、ゲストの名前が書かれた表だけを見ながら1時間足らずでゲスト6組分の花を購入。
「珍しい花」を見つけたら必ず購入するようにしているそうです。



<水揚げ作業>
花の購入後に行うのは「水揚げ」。
切り口を切り直し(切り戻し)、水を吸い上げやすい状態にして、花の寿命を伸ばします。
水揚げした花は冷蔵庫で保管。
石橋さん「頭の中で色のイメージはできている」「形は収録当日に決める」

<スタジオ収録日>
スタジオの造花のチェックを終えたら、花を生けていきます。
美術家の横尾忠則さんの花は、8月の放送ということでアジサイ、ヒマワリを中心に作成。わずか15分で完成しました。



<横尾忠則さんの感想>
収録後、横尾さんに石橋さんが作った花の感想を聞くと、「幻想的な絵を描くオディロン・ルドンの絵画を連想する」と絶賛。
石橋さんは花瓶ごとスタジオの花を横尾さんにプレゼントしました。

<石橋マジック>
石橋さんのイメージだけで生けられるスタジオの花ですが、頻繁に「石橋マジック」と呼ばれる現象が起こるそうです。
美輪明宏さん出演回では、打ち合わせもしていないのに、生けた花と衣装のデザインや色味が一致。
美輪さんから「この人は能力の持ち主?」と言われたそう。

<忘れられない思い出>
石橋さんの心に最も残っているのは俳優の高倉健さん。
高倉さんが好きな花「ミヤコワスレ」100本をスタジオに飾っての収録。
収録後、石橋さんが「ミヤコワスレ」を花束にして高倉さんに渡したところ、その中から1本を抜き、「ありがとう」と石橋さんに手渡されたそうです。
ハグしたくなっちゃったと石橋さん。



<スタジオの花とは>
石橋恵三子さんにとってスタジオの花とは、私が作るゲスト。