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#768
2021年4月18日

尾木直樹さん 新型コロナウイルス禍の教育とテレビ(後編)

【番組司会】寺崎貴司(テレビ朝日アナウンサー)
      八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】尾木直樹(教育評論家)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
<尾木直樹 プロフィール>
1947年 滋賀県生まれ。
中学・高校教師として22年。
大学教員として22年。
計44年間 子供を主役とした教育を実践。
その成果は230冊を超える著書、DVD、映画などにまとめられています。
現在は、テレビ番組や講演会などで日本の教育の問題点などを提起。
臨床教育研究所「虹」の所長として現場を訪れ、子育てや教育などの調査研究に精力的に取り組んでいます。

【信条】
子育てと教育は愛とロマン
学校は安心と失敗と成長の砦

<教育現場から評論家へ>
文科省の方針が良くも悪くも変わる。現場はどう受け止めればいいのか迷う。
専門家と言われる先生の論文を調べても、なんだか明後日の方向を向いているようなことばかりが書かれている。
これは任しておけない!と思うようになり、教職をやめ、教育現場と学者や専門家、メディア界、父兄を繋ぐ虹の架け橋になりたいと思って「臨床研究所 虹」を開設。


<海外の教育から学ぶところ>
8割が学ぶべきところ。
日本の一斉教育は、知識を詰め込む教育。
海外は個別教育。学び方を学ぶ教育。
日本の教育はIQを上げるというやり方だが、今は、AIが登場したから、人間性を鍛えていこうという時代に変わっている。
キーワードは「スマホやAIを使いこなせる人間力」。

<いつも観るテレビ>
ステイホーム中、情報番組でコメントすることもあり、よく観ています。
好きな番組
羽鳥慎一モーニングショー 一つの基準として観ています。
相棒 推理ドラマが好き。
家事ヤロウ!!!

<出演するようになって>
テレビの観方がすっかり変わりました。
BPOの委員をやっていた頃は、恥ずかしながらバラエティは番組じゃないと思っていた時期があった。
ところが62歳で一瞬でママになったんです。尾木ママに!そこから全てが変わりました。


<尾木ママ誕生秘話>
明石家さんまさんの年末番組に教育評論家として出演した時、さんまさんに「ママー」と突然言われた。「誰かママがいるのかな?」と思ってキョロキョロしてたら「あんただよー」と。いやいや違うよー。と必死に否定したのですが。
2時間収録したのでその部分はカットされると思っていた。
放送を観てびっくり!
教育の話はほとんどカットされ、尾木ママ誕生の瞬間がノーカットで放送されていた。
しかも名前テロップはピンクで最後にハートマークまで。
笑いの中に、なるほど!が2、3割あれば十分なんだというバラエティの作り方に感動した。
恥ずかしながら、報道や教養、スポーツと同じ比重でバラエティがあるということを初めて認識した。


<テレビに出演するようになってからの変化>
教育関係の番組には若い頃(40年ほど前)から出演していた。年間160番組ほど。
しかし、尾木ママになってからの皆さんの反応が凄かった。
教育番組よりもバラエティ番組への出演が多くなるにつれ、講演会に来てくださる客が一気に多くなっていった。
発言の怖さを感じるようになり、バランスよく話すようになった。


<テレビが子供のために>
テレビは細分化されてきているが、コロナ禍の今だからこそ家族みんなで観れる番組に回帰した方がいいのでは?
5歳児以下にニュースを観せる時には注意が必要。
危険、怖い、残虐なシーンが恐怖感を与えることがある。
子供が観ているということへの配慮が必要なのでは?
まだ、他の媒体と違ってコンプライアンスがしっかりしているので安心ではある。

<テレビとは?>
世間そのもの、人生そのもの
全てが集約されている
コンプライアンスがしっかりしていて
安全・安心なもの