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#751
2020年12月6日

LIVEシンポジウム「バーチャル修学旅行」(前半)

【番組司会】寺崎貴司(テレビ朝日アナウンサー)
      八木麻紗子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)

「テレビ朝日LIVEシンポジウム」
https://www.tv-asahi.co.jp/live-symposium/


【内容】
2020年10月24日(土)に開催。
全国から700人以上の中高生が参加した「バーチャル修学旅行で歴史を学ぼう 広島・長崎・沖縄」の模様をダイジェストで2回に分けて放送。その前半。


<LIVEシンポジウム>とは
社会課題の解決に向け、テレビメディアとして付加価値のある情報を時間と空間を超えお届けするオンラインLIVE。

第1回「バーチャル修学旅行で歴史を学ぼう 広島・長崎・沖縄」は、コロナ禍で中学校、高校の修学旅行が相次いで中止となり、広島・長崎・沖縄など現地での体験、学習の機会が失われているため、修学旅行の秋に「学びの場」を提供。

講 師:サーロー節子、森保一(サッカー日本代表監督)、りゅうちぇる
解 説:保阪正康
案内人:大下容子(テレビ朝日アナウンサー)


サーロー節子(88)
広島で13歳で被爆。351人の学友、姉や甥ら9人の親族を亡くした。
壮絶な被爆体験を語り続け、核兵器禁止条約の国連採択に大きな役割を果たし、2017年のノーベル平和賞受賞式で講演、多くの出席者の心を動かした。
今年は世界197か国の首脳に条約の批准や推進を求める手紙を送るなど、88歳の今もその行動力は衰えることはない。

森保一(52)
長崎市出身。被爆2世を自覚し、サンフレッチェ広島監督時代から、平和資料館に足を運ぶなど、原爆の悲惨さについて学び、世界に向けても平和の尊さを発信してきた。
「原爆投下を絶対に忘れてはならない。二度と同じことがないよう、自分の出来ることをやっていきたい。」と話し、選手に対しても平和の尊さを説くとともに、「苦しんできた人の励ましになるように試合に臨む。社会に役立つ選手であれ。」と話している。

りゅうちぇる(25)
祖母が沖縄戦で集団自決から逃れ生き残った。
おばあから当時の体験を聞き、沖縄戦の悲劇を風化させないよう、後世に伝え続ける大切さを訴える。
自分たち孫の世代が受け継ぎながら「前向きに沖縄のことを知って欲しい」と発信続けている。

解説:ノンフィクション作家 保阪正康
近現代史研究で知られ、戦前、戦中と日本の指導者とその人物が生きた時代をもとに分析し、「昭和史」の実証的な検証を行ってきた。
客観的な事実から分かりやすく歴史の紐を解きほぐす。


<1時間目 広島 講師:サーロー節子>
7人兄弟の末っ子として広島県に生まれ育ち。
終戦の9日前、女学校の2年生時に学徒動員先の司令部で、日本軍がやりとりする暗号の翻訳を手伝う仕事に就いた。
午前8時15分に被ばく。
崩れ落ちた建物から、何とか助け出されたが、学友351人と、姉の綾子さん、おいの英治君など、親族9人を失った。
当時広島市には、35万人が住んでいたが、原爆により、この年の末までに、およそ14万人が犠牲になったと言われている。

~生徒からの質疑応答~
<広島女学院高等学校の生徒>

Q 私たち戦争を経験していない世代が何を学んでおくべきか?

<サーロー節子>
日本が被害者であったと同時に、加害者であったということを正直に腹を割って相手に伝えること。
そして幅広い歴史を学ぶことが大切。

<保阪正康>
戦争の歴史を語る時は2つの視点が大事。
1つは平時と戦時というのは、価値観やモラルというものが違う。
違いを知ることによって、平時がいかにバランスが取れた社会を作っているのかということを理解する。

2つ目。私たちは1人で存在するのではなく、父、母、祖父母など過去から繋がって、私たちがいる。
私たちは過去をつないで、未来へと託していく。
その役割は「戦争のことをきちんと語る」こと。