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#734
2020年8月2日

世界の街道をゆく 10周年

【番組司会】寺崎貴司(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】
 狩野 喜彦ディレクター
  企画から携わり10年以上、128街道のうち93街道を担当。
  演出・構成・写真撮影など全てを行う。

 堀越 希美恵カメラマン
  写真家の横木安良夫のアシスタントとして番組に携わり、
  2016年から動画撮影をするカメラマンとして参加、約80街道を担当。
<内容>
2009年10月1日に放送を開始したミニ番組「世界の街道をゆく」(毎週月曜~金曜 夜8時54分から放送中)

歴史を刻んできた世界各地の街道。
その中から、ひとつの街道で出会う人や情景などを1カ月にわたりじっくり紹介する紀行番組。
映像と写真を融合させ街道の表情を伝えるのが特徴。

10周年を迎えた「世界の街道をゆく」に携わる番組スタッフが選ぶ厳選映像やこれまでの制作秘話を伺う。




■「世界の街道をゆく」誕生秘話
30数年前「世界の車窓から」の第1回からロケをしていた狩野ディレクター。
写真と動画の両方を撮れるカメラに興味を持ち、これで番組ができないか考えていたところに企画依頼が来た。
「車窓は列車」なので、次は「道」かなと思っていた。


■10年で変わったこと

(狩野ディレクター)
出会う人たちの写真を撮るときに、SNSとかFacebookが広まったため、個人情報などの意識が変わってきた。
「撮って撮って」という人と「絶対いや」という人の差が大きく、うまくいくときと難しいときがある。




(堀越カメラマン)
技術的な面でいうとHDから4Kで撮影するようになりました。
機材自体は4K機材に変わリましたが、撮影スタイルは昔から変わっていません。




■撮影から編集
約1カ月ロケに出て3カ国を回る。
帰国後1カ国分(放送1カ月分の)編集をする。

動画が80時間、写真が1万枚越すこともある。
静止画は人間の目が持っていない機能。
「静止画は記憶」で「動画は記録」と捉え、それをミックスさせることでテンポを付けている。


■「ロケハン」はしない
「音楽家たちの道」などテーマを決めて撮りに行く場合は、バッハやベートーヴェンの文献を読んでから向かう。
この番組はロケハンをしない。
行った時の気持ち、その時の状況、天気や国の状態を踏まえ、調べていた予定と違っても、その街の雰囲気や空気を吸いながら、現地でもう一回考え直してみる。
ロケハンしないことを逆に強みにしたい。

*ロケハンとは…撮影場所(ロケ地)を事前に探す(ハンティング)こと。


■世界の街道ベスト3
★狩野ディレクターの印象に残る
 “世界の街道”3位
 2012年6月11日ナミビア『大自然と生きる道』

 “世界の街道”2位
 2013年2月11日ポーランド『河と大地の街道』

 “世界の街道”1位
 2019年4月24日フランス『光と風薫る街道』

★堀越カメラマンの印象に残る
 “世界の街道”1位
 2015年10月5日キューバ『夢見る楽園への道』

10年という月日の中で起きる変化で思い出されるのは、ナレーターが変わったこと。
坂東三津五郎(2009~15年)。2015年からは坂東巳之助が継いでいる。


■「世界の街道をゆく」とは

 『観ている人が共有できる旅』
            堀越 希美恵

 『人生後半のライフワーク』
            狩野 喜彦