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#722
2020年5月10日

「M 愛すべき人がいて」原作者
ノンフィクション作家 小松成美さんが語るインタビューの極意とテレビ

【司会】寺崎貴司(テレビ朝日アナウンサー)萩野志保子(テレビ朝日アナウンサー)
【ナレーター】田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】小松成美
【内容】
ノンフィクション作家としてこれまで中田英寿、イチロー、中村勘三郎、YOSHIKIなど名だたる有名人の本を出版してきた小松成美さんは、インタビューアー、エッセイスト、小説家としても活躍されています。

テレビ朝日の放送番組審議会委員を2016年4月から務め、今年4月から始まった土曜ナイトドラマ「M 愛すべき人がいて」の原作も執筆。
ノンフィクション作家としての極意や裏話だけでなく、「M 愛すべき人がいて」執筆にまつわる秘話も伺いました。




<今でも思い出してしまう出来事>
中田英寿氏が19歳の時に出会い、29歳の引退まで長期で濃密な取材の実現が後の様々な取材にもつながった。
同じ作品を作った同志として生涯彼には恩を感じ、とても誇りを感じている。




<インタビューの極意>
インタビューをする機会を得てわかったことは、「人の人生以上に面白いものはない」ということ。

インタビューは特別な人にだけ与えられた行為・能力ではない。

「必ず目の前にいる、私のインタビューを受けてくださる方は話したいことがある。そのために必要な言葉を投げかける。そしてその時を待つ」そう覚悟をして向きあうと、必ず話してくれる。


<失敗したインタビュー>
ある方が、誰よりも私を信頼して絶対に誰にも言えない秘密を明かしてくれ、相談に乗リ、親友になったつもりでいた。
時がすぎてそのことが過去のこととなったが、秘密を共有したことで、やがて疎まれる存在になり二度と会うことはなくなり、その方の本の出版を諦めた。
以後、取材者・作家・インタビュアーは、距離を保つことが作品を作り上げる要素だと思っている。


<「M 愛すべき人がいて」誕生秘話>
2018年 藤田 晋(サイバーエージェント 代表取締役社長)さんと
松浦 勝人(エイベックス株式会社 代表取締役会長CEO)さんと
浜崎あゆみさんの3人が食事をしている時に
「過去の2人の秘められた恋愛のストーリー」を聞き、
藤田さんが「アベマでドラマを作りたい!」と言い出した。
見城 徹(幻冬舎 代表取締役社長社長)さんに電話。
小説化、ドラマ化が決まる。

後日、見城さんが小松さんに電話、「君が選ばれたよ」と言われ執筆することになる。


<取材>
浜崎あゆみさんの楽曲は全て聴き、松浦 勝人さんが書いたバイオグラフィーなどの本も読んだ。そして、2人それぞれの生まれ育った街を歩いた。
インタビュー期間は10カ月、その後3カ月かけて書き上げた。
インタビューは2人一緒の時もあれば別の時もあった。
取材で初めて分かったことは、歌詞を書くように言われた浜崎あゆみさんが大好きになった、心に秘めた松浦さんへの思いをラブレターにして便箋に詩を書きそれが楽曲として世の中に出て行ったこと。
小説を執筆する時には、ラブレターとなる歌詞を自分も書けるように暗記した。


<テレビとは>
ドラえもんのような存在
人類の大きな発明であり友達