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#650
2018年11月11日

手話放送ができるまで
障害がある人もない人も楽しめる「五感で楽しむ音楽会」

司会:寺崎貴司(テレビ朝日アナウンサー)萩野志保子(テレビ朝日アナウンサー)
ナレーター:田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
VTR出演:
越智大輔(東京都聴覚障害者連盟)、川内けい子(手話通訳者)
川畠成道(ヴァイオリニスト)、智内威雄(ピアニスト)
本多達也(Ontennaプロジェクトリーダー)
佐藤美晴・駒米愛子(東京藝術大学 社会連携センター)
藤原萌・丸山瑠伽(筑波大学附属聴覚特別支援学校6年)
二階堂義明(テレビ朝日総合編成局)、立花幸樹(テレビ朝日福祉文化事業団)
林美桜(テレビ朝日アナウンサー)
聴覚障害者のテレビ視聴をサポートする「手話放送」はどのようにして作られているのでしょうか?その舞台裏には、手話通訳者やスタッフによる様々な準備や工夫が隠されていました。

  • 手話収録前の準備
    発言のテロップデータの作成
  • 手話通訳者との打ち合わせ
    2時間~5時間を要して最適な表現方法を模索
  • 手話通訳の難しさとは?
    手話は具体的な表現が多いため、複雑で抽象的な言葉は表現しづらい
    見ている人にとって理解しやすい表現方法の選択が必要
  • 聴覚障害者からテレビへの要望
    「今はまだまだ、手話通訳の番組は少ないです。
    ろう者の場合、文章が得意な人だけではありません。
    特に高齢者は文章が苦手な人が多いのです。
    そういう時に手話がとても大事です。
    これからは、耳が聞こえない人も一緒に楽しめるようになれば家族の団らんも増えるんじゃないかと思っています。
    そういう役割も含めて楽しめる番組を作って欲しいと思います」
  • テレビ朝日の取り組み
    「総務省の新指針では、2027年度までに週平均で15分以上が手話放送の目標となっています。
    ニュース番組の手話放送を期待される声が多いので地域情報やニュース番組の手話通訳の拡大を考えていきたい」

障害がある人もない人も一緒に音楽を楽しめることをテーマにした「五感で楽しむ音楽会」に密着。コンサートには、視覚障害者、聴覚障害者に対して様々な鑑賞サポートが用意されていました。

  • 視覚障害者のための様々なパンフレット
    点字、文字を大きくしたもの、光の反射をおさえ、まぶしさを軽減する白黒反転のもの。
  • 音を感じるための鑑賞サポート器具「抱っこスピーカー」
    スピーカーからは音が、本体からは振動が伝わります。
  • 音の大きさを振動と光の強さで伝える「Ontenna」
    髪の毛で音を感じることができる。
  • 指1本で演奏できる「だれでもピアノ」
    東京藝術大学とヤマハが共同開発。
    指1本だけでメロディを奏でると、そのメロディのタイミングや強弱に合わせて自動で伴奏とペダルがついてきます。
  • 目的の音だけを鮮明に聞き取れる「ヒアリングループ」
    補聴器のスイッチをTに切り替えることで目的の音、声だけを正確に聞き取ることができます。
  • 障害があるプロ演奏家によるステージ
    川畠成道(ヴァイオリニスト)
    視覚障害がありながら幼少期に楽器と出会い、英国と日本を拠点に活躍。
    智内威雄(ピアニスト)
    2001年に局所性ジストニアが右手に発症。左手のピアニストとして精力的に活動中。
  • 映像と音をリンクさせたステージ
  • 音声認識を使ってコメントを文字化する「UDトーク」
  • 五感で楽しむアンサンブル
    聴覚障害がある小学生が音の強弱を画面表示するシステムを使用することで演奏に参加。

  • テレビ朝日福祉文化事業団の取り組み
    「2020年のパラリンピックに向けて、特にパラスポーツについては日本中でサポートやテレビで観る機会がどんどん増えている。
    文化芸術の部門でも障害の有無にかかわらず、参加したり楽しんだりする分野がまだまだ広がる余地があるので、力を入れていきたい」