ごはんジャパン

過去の放送

2018年6月30日放送 「トウモロコシ」

『地域をつなげる匠の甘いトウモロコシ』
ロケ地:千葉県

今回注目する食材は、千葉・館山産トウモロコシ。そのおいしさの秘密を求めて、世界ピッツァ選手権で2年連続世界一の称号を獲得した山本尚徳シェフと菊池桃子が現地へ。最高のトウモロコシを使って、ピザパーティーを開く。

2人が訪ねたのは、トウモロコシ作りの“匠”、安西淳さんと妻の美香さん。広さ6000坪の敷地で、この時期、安西さん一家が作っているのは“味来”という品種。とても甘いスイートコーンで、ほかの品種に比べて皮が薄くて柔らかいため、生で味わうこともできるという。さっそく収穫したての味来をいただいた2人は、そのみずみずしい甘さにビックリする。
安西さんたちが収穫をはじめるのは、朝6時。毎日2時間で1000本をもいでいく。トウモロコシは昼に栄養を蓄え、夜に実へと行き渡って甘味を作りだすため、朝採れが最も甘味があるという。しかも、収穫直後から甘味のもと“ショ糖”がデンプンへと変化し、半日経つと甘さが落ちてしまうため、安西さん一家の午前中は大忙しだ。

実は、安西さんは18歳で都内の百貨店に就職。婦人服の販売や営業を担当していたが、父の病気がきっかけで館山に戻り、家業である農業を継いだという。経験ゼロからの出発で、最初は稲作やレタス栽培を手掛けたものの、まったくよいものができず、10年近く赤字だったとか。そんなとき、助けてくれたのが地元の先輩農家たち。そして軌道に乗ったころ、味来のおいしさに出会い、栽培をはじめたという。
周囲の人々に支えられて一人前になることができたという思いから、安西さんは7年前に直売所を開設。移住して農業をはじめた人々の作物も販売し、彼らが孤立しないように手助けしている。さらには、地元や都会からの子どもたちの収穫体験も受け入れているという。

豊かな田舎暮らしに共感した山本シェフは、安西さん一家や地元の人々、収穫体験の子どもたちを招いてピザパーティーを開催することに…! 世界一のピザ職人・山本シェフが最高のトウモロコシを使って焼き上げた、アイデアいっぱいのピザとは…!?

今回のシェフ・レポーター

菊池桃子(女優)
山本尚徳(『ピッツェリア エ トラットリア ダ イーサ』オーナーシェフ)

地元の匠

安西淳さん 美香さん

地元の店

「百笑園」 千葉県館山市藤原837

今回登場した料理

焼きトウモロコシ

コーンピッツァ

インクロスタ(コーンとボンゴレ)

『トウモロコシ』

甘さをさらに生かす工夫とは?

安西さんが作っているトウモロコシ・味来(みらい)は、
もともと皮がやわらかく、甘味が強い品種なのですが、
さらに…早朝から収穫を始めるのが、
甘味を引き出すコツなんです。

昼間、光合成によって作られたデンプンは
夜になると、葉から実へと運ばれて、ショ糖などの糖分となり
甘味になります。

夜が明けると、トウモロコシの呼吸が活発になり糖分を
消費してしまうので、時間が経つほど甘味が落ちるのです。
このため、安西さんは早朝に収穫する「朝採り」にこだわっています。

甘さを引き出すシェフの技とは?

トウモロコシの、甘さを引き出すプロの技…

東京・中目黒のお店で山本シェフに教えてもらいました。

山本「沸騰していないお湯で茹でます。
これによって甘味が増します」

大事なのは温度。トウモロコシを加熱すると、
酵素の働きで、デンプンが糖に変わり、甘くなります。

ただし、トウモロコシは温度が70度を越えると
酵素の働きが止まり、それ以上甘くなりません。

山本シェフは、70度で15分、じっくり茹でて
甘味を引き出しました。