ごはんジャパン

過去の放送

2018年5月5日放送 「黒豚」

『黒豚で作る極上ハンバーガー』
ロケ地:鹿児島県 鹿屋市

今回注目する食材は、鹿児島鹿屋市産の黒豚。そのおいしさの秘密を求めて、熟成肉のスペシャリスト・神谷英生シェフと鹿児島県出身の俳優・迫田孝也が、自然飼育にこだわった牧場を訪ねる! 子どもの日にちなんで、神谷シェフが、子どもたちが大好きなメニュー“ハンバーガー”を作る!

2人が出会ったのは、養豚では日本で初めて“JASオーガニック認証”を受けた“黒豚の匠”、田中武雄さん(75歳)と妻の陽子さん(75歳)。夫妻は自然飼育の放牧にこだわり、高隈山地のふもとの森を切り開いて作った、“夢牧場”を営んでいる。
夢牧場では5000坪を超える敷地に黒豚が120頭ほど、つまり1頭当たり約50坪という理想的な環境を実現している。飼育しているのは“六白黒豚”ともよばれるバークシャー種で、神谷シェフと迫田はこだわりの飼育法にビックリ! それは、ごはんもおやつも運動もたっぷり与えるということ。特に、おやつにあげるサツマイモは肉のうま味や甘みが増し、肉質が軟らかくなるといわれているという。

実は、田中さん夫妻の人生は、チャレンジの連続。結婚当初、武雄さんはサラリーマンだったが、31歳のとき食品販売の会社を設立。事業は順調だったが、45歳のとき、母親が亡くなったのを機に故郷の鹿屋市に戻り、まったく経験のない黒豚の飼育をはじめることを決意。陽子さんの猛反対を押し切って自宅を売り、高隈山のふもとに土地を購入したという。武雄さんは豚舎を清潔に保つため、桜島の火山灰・シラスを撒いたり、豚に天然水がいいと聞けば地下86mの井戸を掘ったり、黒豚が住みよい環境にこだわり続けてきた。2015年、農林水産省から評価されフードアクションニッポンの大賞を受賞したという。
田中さんの自宅で、黒豚のおいしさが最もよくわかる料理だという“とんかつ”をご馳走になった2人。分厚いのに歯切れが良くて、甘みがあってさっぱりした味わいに感動する!

そしていよいよ、肉のスペシャリスト・神谷シェフが、田中さん夫妻が育てたこだわりの黒豚を調理することに…! 放送日が子どもの日であることにちなみ、子どもたちを喜ばせようと“ハンバーガー”を作るが、はたしてどんなハンバーガーが出来上がるのか…!? そのおいしさの理由とは…!?

今回のシェフ・レポーター

迫田孝也(俳優)
神谷英生(『ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ』オーナーシェフ)

地元の匠

田中武雄さん 陽子さん

今回登場した料理

とんかつ(田中陽子さん)

シェフ特製ハンバーガー(神谷シェフ)

『黒豚』

黒豚ハンバーガーのおいしさの秘密

神谷シェフは今回、豚肉7、牛肉3の割合で黒豚がメインのハンバーグを
作りました。

匠の黒豚の特徴は脂肪の甘い香り。
そこで、神谷シェフはその香りを存分に生かすために
あえて豚肉の割合が多いハンバーグを作りました。

神谷シェフ:どうしても黒豚だけだと黒豚のくせというか
      赤身がぱっと出ちゃうんですよね。
      それで、この黒豚を引き出すというか、中和させる感じで
      30日間熟成させてるホルスタイン牛の肉を使いました。

黒豚に合わせたのは、ホルスタインの熟成牛。
ミルキーな香りが特徴です。
しかも30日間熟成させて、うま味成分が増加しています。

神谷シェフ:この熟成の香りと黒豚の脂これをうまく中和させて
草野:黒豚を熟成させなかったのは何でですか?
神谷シェフ:(黒豚も)熟成させて両方合わせちゃうとすごいパンチ力
      のある味の濃ーいハンバーグになっちゃうんです。

子供たちに食べやすくするために、お得意の熟成肉を
脇役に使ったんです。
仕上げのソースにも秘密があります。
あらかじめ取り寄せておいた、黒豚の骨を5日間
じっくり煮込んで・・
黒豚のうま味を凝縮させた、ゼラチン状の煮こごりを作り・・
トマトの酸味を足して、濃厚なソースを仕上げました。
黒豚が主役のハンバーガーにも隠し味。
熟成の匠の技が隠れていました。