ごはんジャパン

過去の放送

2017年9月2日放送 「佐賀県有明海 コハダ」

『江戸前鮨の花形 コハダ』
ロケ地:佐賀県太良町

有明海産のコハダのおいしさの秘密を求めて、
江戸前鮨の“匠”前田康衛親方と伍代夏子さんが、佐賀県太良町へ。
あうんの呼吸で行われる、兄弟漁師の“投網漁”に感動!
親方が有明海の夏を握る!

佐賀県の南端に位置しており、有明海に面している太良町。海苔、カキ、渡り蟹で有名な漁師町だが、もうひとつ盛んに行われているのが“コハダ漁”だ。
2人が訪ねたのは、コハダ漁の“匠”、寺田豊さん(47)寺田勉さん(49)兄弟。太良町では、伝統漁法“投網漁”を行っているが、この投網漁は難しく、マスターするには長い時間がかかるという。寺田さん兄弟は、投網漁法20年の大ベテランだ。

午前5時から行われる、寺田兄弟の漁に同行した2人。兄弟によるとコハダはとても繊細な魚で、わずかな音で逃げてしまうという。兄弟ならではの、あうんの呼吸で行われる投網漁に、2人はすっかり感心! その日の出荷作業を終えたところで、鮮度抜群のコハダをご馳走になり、食感の素晴らしさに感動する。

そしていよいよ、前田親方が腕を振るう番に…! 親方いわく、コハダは職人の技が最も生きるネタであり“江戸前鮨の花形”だという。そんな江戸前鮨の“匠”である前田親方が、寺田兄弟のとったコハダをはじめとする有明海の幸を華麗に握る!
このほか番組では、有明海産のコハダがおいしい理由を科学的な視点から解説。江戸前の技“酢〆”の秘密にも迫っていく。

今回のシェフ・レポーター

伍代夏子(歌手)
前田康衛(『築地青空三代目』総親方)


地元の匠

コハダ漁の匠兄弟
寺田豊さん
寺田勉さん



今回登場した料理

「ケンサキイカの握り」

「スズキの握り」

「タコの桜煮の握り」

「赤ウニの軍艦巻き」

「竹崎カニのミニ丼ぶり」

「コハダの握り」

「シンコの握り」

『コハダ』

有明海の干潟が育む「コハダ」

コハダが暮らしているのは、有明海に広がる広大な干潟の周辺です。
そこには、カニや小魚の餌になるプランクトンが豊富に含まれていて
潮の満ち引きや流れによってプランクトンも海の中を漂い、魚達の
エサになります。栄養豊富な干潟の海で育ったコハダは脂がのって
おいしくなります。

江戸前鮨の技「酢〆」
コハダのように、傷みやすい魚をお酢で〆るのは、
もともとお酢の殺菌作用で、魚を保存するためでした。

一方、江戸前鮨の場合酢で〆るのは保存よりも風味を良くするため。
〆方ひとつで味は大きく変わります。
まさに職人の腕の見せ所です。


前田康衛(『築地青空三代目』総親方)

「お酢につける前の振り塩が魚を〆るポイントです。
コハダの表面をきれいに開かないといけない。きれいじゃないと、塩が入りすぎちゃうんです。
魚を〆るのはお酢で〆るのではなく、塩で〆る。
塩を振ると水分とともに臭みが抜け、身が締まるんです。」


塩で〆てからさっと10分程お酢に漬け、一晩寝かすと
身が適度に締まってうまみが増します。