ごはんジャパン

過去の放送

2017年8月12日放送 「ニンニク」

『生産量日本一!十和田のニンニク』
ロケ地:青森県十和田市

今回注目する食材は、青森県・十和田市産のニンニク。広東料理をベースに四川、北京、上海など中国料理のエッセンスを凝縮した技で3年前、黄綬褒章を受賞した李国超シェフと、俳優の神保悟志さんが現地へ。中国料理を知り尽くした李シェフが、ニンニクを使った絶品海鮮中華を披露する。

2人が訪ねたのはニンニク作りの“匠”、甲田一博さん。妻の牧子さん、父の勝次郎さんと共に6000坪の畑で年間3トン、およそ3万6000個のニンニクを作っているという。甲田さんが育てたニンニクは、大ぶりで真っ白なのが特徴。甲田さんたちは収穫の1カ月前に1本1本、“とう”とよばれるつぼみを摘む手間をかけることで大きなニンニクを作り出しているのだという。収穫した後は、すぐに乾燥するためにビニールハウスへ。35度に保ったハウスの中で、1カ月ほど乾燥させてようやく出荷できると、甲田さんは話す。

作業が一段落したところで、妻・牧子さんが作ってくれた“ニンニク味噌きゅうり”をご馳走になった2人は、「おいしい!」と大満足。さらに、生ニンニクを丸ごと揚げたものをいただいて、そのホクホクの食感と甘さにビックリする。
その後、2人は十和田市でのニンニク栽培の歴史を甲田さん父子から聞く。今や十和田市は日本一のニンニク生産量を誇っているが、十和田市のニンニク農家たちが一丸となって土壌の改良を行うなど、ここまで地道な努力を重ねてきたとわかる。
そんなニンニク農家たちの奮闘に感謝した李シェフが、いよいよ腕をふるうことに。シェフが食材として用意したのは生ニンニクのほか、青森県産のスルメイカや伊勢海老。李シェフは、ニンニクと魚介ではたしてどんな中華料理を作り上げるのか…!?
また、生物学者の福岡伸一氏がニンニクのうま味と香りの不思議な関係を科学的な視点から詳しく解説。さらに、ニンニク農家ならではの味“ニンニク味噌”の作り方も紹介する。

今回のシェフ・レポーター

神保悟志(俳優)
李 国超(京王プラザホテル 中国料理『南園』総料理長)


地元の匠

甲田一博さん

地元の店

「香港ダイニング」
住所:青森県十和田市東二十三番町6-4
TEL:0176-27-1245



今回登場した料理

甲田牧子さん
「ニンニク味噌きゅうり」

甲田牧子さん
「生ニンニクの素揚げ」

李国超シェフ
「イカのニンニク炒め」

李国超シェフ
「伊勢海老のニンニク風味蒸し」

李国超シェフ
「ニンニク入り海老蒸し餃子」

『ニンニク』

辛いは甘い?臭いは旨い?
生のニンニクをかじると、強烈な辛さと匂いが生まれます。
一体なぜなのか?教授が教えてくれました。


福岡伸一(生物学者、青山学院大学教授)

「ニンニクの匂いの物質はアリシンというもの。
このアリシンの前身がアリインという物質。
このアリイン、ニンニクを切ったりすりつぶしたり
することで、香り成分のアリシンに変わり、
強い匂いを発するんです。」



「ニンニクの香りが食欲をそそるのは、
一見嫌な匂いでも、その先においしいものが
待っているという学習の成果。
脳がそれを察知して、これからおいしいものを
食べるという準備をしているんです。」


加熱すると甘くなるのも、アリシンに関係しています。
ニンニクの糖度は実は約38%もあります。
にもかかわらず、甘味を感じないのは、アリシンの辛味に
マスクされているからなんです。
加熱するとアリシンが分解され、辛味が消えるので、
もともと持っている甘味を感じるようになるんです。
十和田のニンニク農家の味!ニンニク味噌の作り方

【材料】 ※作りやすい分量にご調整ください
・ニンニク…500g
・醤油麹
 (醤油750ccと麹450gを混ぜ合わせ、一晩寝かせたもの)
・三温糖…250g
・日本酒…150cc

【作り方】
(1)ニンニクを蒸してポテトマッシャー等でつぶす
(2)(1)の鍋に、あらかじめ作っておいた醤油麹、三温糖、
  日本酒を加え、弱火にかけ、1時間ほどかけて
  じっくり練り上げる