ごはんジャパン

過去の放送

2017年6月10日放送 「はちみつ」

『不思議の結晶 はちみつ』
ロケ地:岩手県盛岡市

今回注目する食材は、はちみつ。世界的に有名なパティシエ・辻󠄀口博啓さんとスイーツ愛好家として知られる俳優・的場浩司さんが、岩手県盛岡市で養蜂場を営むはちみつ作りの“匠”を訪ねる。

2人が訪れたのは、116年の歴史を持ち、東北で初めての専業養蜂家としても知られるはちみつ作りの“匠”、三代目の藤原誠太さん(60歳)が営む養蜂場。実は、藤原さんの一家はハチに詳しい面々ばかり。長男の誠一郎さんは東京のビルの屋上ではちみつ作りを行う会社に就職し、長女の愛弓さんは東京大学の大学院でミツバチの生態について研究。妻の由美子さんも、岩手大学の大学院でハチの生態について研究、博士学位を取得したほどだとか。
藤原さんの養蜂場では年間およそ50種類のはちみつを作っており、開花時期にあわせて岩手県内にある7カ所の養蜂場の間で巣箱を移動させているという。2人は巣箱の移動を手伝うことに。突然巣箱を移動され、ミツバチはさぞかし戸惑うかと思いきや…驚きの生態が明らかに…!
その後、2人は藤原さんのはちみつ倉庫にも特別に案内してもらう。ここには約100種類、なんと8年前のはちみつが保存されていた。はちみつはなぜそんなにも長持ちするのか、番組では生物学者の福岡伸一博士に取材するが…!?

そんな藤原さんのはちみつへの情熱に感動した辻󠄀口シェフは、匠が作ったはちみつを使って新たなスイーツを作ることに…! さまざまな種類がある中で辻󠄀口シェフははたしてどのはちみつを選び、どんなスイーツに仕上げるのか…!?
また、辻󠄀口シェフは、家庭にあるはちみつをもっとおいしく食べる技も伝授してくれる。

今回のシェフ・レポーター

的場浩司(俳優)
辻󠄀口博啓(パティシエ)


地元の匠

藤原誠太さん

地元の店

「藤原養蜂場」
住所:岩手県盛岡市若園町3-10
TEL:019-624-3001


今回登場した料理

辻󠄀口博啓シェフ
「野に遊び 野に学ぶ」

辻󠄀口博啓シェフ
「ミックスナッツとドライフルーツの
はちみつ漬け」

『はちみつ』

自然が生んだ驚異の甘味!腐らないはちみつの秘密
養蜂家・藤原さんの倉庫には、8年前のはちみつが今でも食べられる状態で
保管されていました。
なぜそんなにも長期間腐らないのか?生物学者の福岡教授に聞いてみました。


福岡伸一(生物学者、青山学院大学教授)

「ハチは花の蜜を自分のからだの中に
一旦取り込んだ時に、ハチが持ってる消化酵素で
ブドウ糖と果糖という二つの糖に分解するんです。」

花の蜜とはちみつは、全くの別物。
ミツバチはあの小さな体の中で、はちみつを作り出していたんです。そして巣の中では、羽で風を送り、糖度80%くらいまではちみつを濃縮するんだそうです。


「80パーセント。こんなに濃い糖の溶液というのは他のばい菌や微生物が生育する余地はない。はちみつは最も不思議な食品だと私は思います。」

ばい菌も生きていけないほど甘い!8年たっても腐らないのも納得です。
世界のパティシエの技!はちみつに合う“乳味感”

生クリームやチーズなど、
乳製品がもつ独特の味わいを表すのが “乳味感”。
この乳味感は、はちみつの濃厚な甘味と合います。
香りが強いラベンダーのはちみつを選んだのは
フロマージュブランの乳味感に負けない甘味と、
個性的な香りを生かすため。
さらに、山桜の自然な風味のはちみつを仕上げに使うことで、
フロマージュブランのソルべは、甘味の二重奏を奏でます。

一方、ムースの乳味感に合わせたのが、みかんのはちみつ。
柑橘系の香りを生かすため、ゼラチンを加えて温め、はちみつソースにしました。