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2025.7.2
絶賛上映中-タイ映画『親友かよ』
監督 アッター・ヘムワディー氏が語る「実体験に基づく映画の背景とキャストの力」
今しか撮影できないものを撮りたいという想いで学生を主とした作品にしたというアッター監督。青春映画の新たなマスターピースとして話題となっている本作に込められた想いを語っていただきました。
―まず、どのようなきっかけで制作をすることになましたか?
まず、これは私の初めての監督作品です。学生を登場人物にした映画を撮りたいと思いました。今後、歳を取ったらあのこのテーマには共感できないのではないかと思ったからです。映画を作るという経験は、自分の実体験に基づいています。歳をとってこの作品を見た時に、自分が友達と楽しく映画を作っていた思い出があるということを認識したかったので、友情と映画作りに関して映画にしました。
―経験に基づくお話なのですね?
そうです。高校時代に亡くなったある友達のことを思い出したからです。実は彼とは短い期間の付き合いだったので、親友とは言えませんでした。彼は死んでしまったけれども、もし今生きていたらどのような職業についているのだろうか…など、その友達のことがずっと心の中にありました。「親友かよ」という映画を撮り終えた後に、私は自信を持って彼の友だったと言えるようになりました。この映画を作り終わった後に彼のお母さんに会いに行き、「あなたの息子さんが、私のインスピレーションになって映画を作りました。友達はみんな彼のことを忘れていません」と伝えました。
―どのような経緯で俳優のキャスティングを行いましたか?
まず、最初にジョー役の役者を探しました。実はピシットポン(ジャンプ)のことは全く知らなかったのです。たまたま脚本を書き終えた時に私がGDH(映画会社)にプレゼンテーションをしなくてはならない時期で、偶然作っていた資料に若い子の写真をあの貼らなければならなかったのです。たまたまピシットポンの写真を見つけて貼り付け、資料に使いました。その後、せっかく写真を使ったのでオーディションを受けてもらおうかと思い来てもらったら、キャラクターにぴったりだったのです。脚本を書いていた時にも思いましたが、ジョー役は少しでも演技を間違えてしまうとすぐに“ウザイ人”になってしまうという危惧がありました。でも彼はぴったりでした。その次に、ペー役を探しましたが、かなり長い時間がかかりました。そんな中、プロデューサーからアントニー(トニー)をオーディションに呼んでみてはどうかと提案してくれました。私は何も期待せず、彼にオーディションに来てもらったのです。なぜ期待をしていなかったかというと、脚本を書いている時に、このキャラクターがハーフという設定は全く考えていなかったので、とりあえず演技を見せてもらおうと思いました。実際にオーディションに来た彼は、すごく良くとても気に入ったので、次にピシットポンも呼び、トニーと一緒に演技をしてもらったところ、ケミストリーがとても良かったのでこの二人に決めました。
―撮影の中で、心が揺さぶられる瞬間があったかと思います。印象的だったことを教えてください。
映画の後半部分でペーとジョーがバスの中で会話しているシーンがすごくいい雰囲気だなと思いました。また、夜のシーンでジョーも友人たちの映画作りのシーンに参加したところがファンタジックな雰囲気で良かったです。あの瞬間は役者にもスタッフにもマジックが生まれた瞬間でした。自分の映画作りの経験としてとても印象的でした。
―役者にはどのような指示をしましたか
私が選んだ役者は、ストーリーやキャラクターになるべく合う人を選んでいるので、ほとんどの役者が映画に出たことがありませんでした。そのため、多くの役者が自分のキャラクターになりきろうと努力するのですが、そうするとすぐに間違えてしまうのです。彼らには「キャラクターになりきろうとしなくていい。自分らしく演じることが最も正しいこと」と伝え、微調整をしていきました。
―プロデューサーのBazさんとの仕事はいかがでしたか?
Bazさんとの仕事はすごく良かったです。彼も、もともと監督なので監督というものがどれだけ沢山のものを背負うかということをよく知っていたので、私に「余白」を残してくれたのです。彼は、彼のスタイルは僕とは違うということを認識してくれていたので、私にたくさん余白を残してくれ、自分自身が成長できたと感じました。
―監督にとって親友と言える存在とは?
自分は親友という言葉を特に定義はしていません。良い友というのは”お互いに良い感情を持っているもの”だと思います。
―まず、どのようなきっかけで制作をすることになましたか?
まず、これは私の初めての監督作品です。学生を登場人物にした映画を撮りたいと思いました。今後、歳を取ったらあのこのテーマには共感できないのではないかと思ったからです。映画を作るという経験は、自分の実体験に基づいています。歳をとってこの作品を見た時に、自分が友達と楽しく映画を作っていた思い出があるということを認識したかったので、友情と映画作りに関して映画にしました。
―経験に基づくお話なのですね?
そうです。高校時代に亡くなったある友達のことを思い出したからです。実は彼とは短い期間の付き合いだったので、親友とは言えませんでした。彼は死んでしまったけれども、もし今生きていたらどのような職業についているのだろうか…など、その友達のことがずっと心の中にありました。「親友かよ」という映画を撮り終えた後に、私は自信を持って彼の友だったと言えるようになりました。この映画を作り終わった後に彼のお母さんに会いに行き、「あなたの息子さんが、私のインスピレーションになって映画を作りました。友達はみんな彼のことを忘れていません」と伝えました。
―どのような経緯で俳優のキャスティングを行いましたか?
まず、最初にジョー役の役者を探しました。実はピシットポン(ジャンプ)のことは全く知らなかったのです。たまたま脚本を書き終えた時に私がGDH(映画会社)にプレゼンテーションをしなくてはならない時期で、偶然作っていた資料に若い子の写真をあの貼らなければならなかったのです。たまたまピシットポンの写真を見つけて貼り付け、資料に使いました。その後、せっかく写真を使ったのでオーディションを受けてもらおうかと思い来てもらったら、キャラクターにぴったりだったのです。脚本を書いていた時にも思いましたが、ジョー役は少しでも演技を間違えてしまうとすぐに“ウザイ人”になってしまうという危惧がありました。でも彼はぴったりでした。その次に、ペー役を探しましたが、かなり長い時間がかかりました。そんな中、プロデューサーからアントニー(トニー)をオーディションに呼んでみてはどうかと提案してくれました。私は何も期待せず、彼にオーディションに来てもらったのです。なぜ期待をしていなかったかというと、脚本を書いている時に、このキャラクターがハーフという設定は全く考えていなかったので、とりあえず演技を見せてもらおうと思いました。実際にオーディションに来た彼は、すごく良くとても気に入ったので、次にピシットポンも呼び、トニーと一緒に演技をしてもらったところ、ケミストリーがとても良かったのでこの二人に決めました。
―撮影の中で、心が揺さぶられる瞬間があったかと思います。印象的だったことを教えてください。
映画の後半部分でペーとジョーがバスの中で会話しているシーンがすごくいい雰囲気だなと思いました。また、夜のシーンでジョーも友人たちの映画作りのシーンに参加したところがファンタジックな雰囲気で良かったです。あの瞬間は役者にもスタッフにもマジックが生まれた瞬間でした。自分の映画作りの経験としてとても印象的でした。
―役者にはどのような指示をしましたか
私が選んだ役者は、ストーリーやキャラクターになるべく合う人を選んでいるので、ほとんどの役者が映画に出たことがありませんでした。そのため、多くの役者が自分のキャラクターになりきろうと努力するのですが、そうするとすぐに間違えてしまうのです。彼らには「キャラクターになりきろうとしなくていい。自分らしく演じることが最も正しいこと」と伝え、微調整をしていきました。
―プロデューサーのBazさんとの仕事はいかがでしたか?
Bazさんとの仕事はすごく良かったです。彼も、もともと監督なので監督というものがどれだけ沢山のものを背負うかということをよく知っていたので、私に「余白」を残してくれたのです。彼は、彼のスタイルは僕とは違うということを認識してくれていたので、私にたくさん余白を残してくれ、自分自身が成長できたと感じました。
―監督にとって親友と言える存在とは?
自分は親友という言葉を特に定義はしていません。良い友というのは”お互いに良い感情を持っているもの”だと思います。

―日本映画やドラマで好きな作品はありますか?
たくさんあります。映画なら是枝(裕和)監督の作品が大好きで、最近では劇場で「怪物」を見ました。なんて凄いのだろうと感心しました。是枝監督の作品はほぼ全て見ていますし、他にも多くの日本人監督の作品を見ています。日本の音楽も大好きですし、漫画やアニメも好きな作品が沢山あります。
―日本を題材にして映画を作るとしたら何をテーマにしたいですか?
日本の音楽にとても興味があります。
―映画「親友かよ」は、どのようなところに注目してみてもらいたいですか?
とにかく私はこの作品が日本で劇場公開されることをとても嬉しく思っています。日本が好きで、多くの影響を受けている国だからです。撮影中に卓球をするシーンがあり大きなピンポン玉を使っていました。スタッフたちと「このピンポン玉ってドラゴンボールみたいだね」って言いながら撮影を続けていました。作者の鳥山先生の作品が大好きだったので、この映画は偶然ですけど、鳥山先生に敬意を表していることも伝わればいいなと思っています。
―自分でこの作品を宣伝するとしたら、どのような言葉で宣伝をしますか?
それぞれに人生を変えられた友達がいると思います。そういう意味では、これは“あなたの映画”でもあるかと思います。表面的には高校生の映画に見えるかもしれませんが、ただの高校生活を描いた映画ではないと思っています。大人でも若者でも色々な人が自分の人生を通り過ぎ、今があります。「高校生が映画を制作する」という話ではなく、自分の人生の中で関わった人での中で、関わりは短くとも、ずっと影響を与えて続けている人を描いた映画だと思っています。そういう意味では、大人も若者も関係ないと思います。
たくさんあります。映画なら是枝(裕和)監督の作品が大好きで、最近では劇場で「怪物」を見ました。なんて凄いのだろうと感心しました。是枝監督の作品はほぼ全て見ていますし、他にも多くの日本人監督の作品を見ています。日本の音楽も大好きですし、漫画やアニメも好きな作品が沢山あります。
―日本を題材にして映画を作るとしたら何をテーマにしたいですか?
日本の音楽にとても興味があります。
―映画「親友かよ」は、どのようなところに注目してみてもらいたいですか?
とにかく私はこの作品が日本で劇場公開されることをとても嬉しく思っています。日本が好きで、多くの影響を受けている国だからです。撮影中に卓球をするシーンがあり大きなピンポン玉を使っていました。スタッフたちと「このピンポン玉ってドラゴンボールみたいだね」って言いながら撮影を続けていました。作者の鳥山先生の作品が大好きだったので、この映画は偶然ですけど、鳥山先生に敬意を表していることも伝わればいいなと思っています。
―自分でこの作品を宣伝するとしたら、どのような言葉で宣伝をしますか?
それぞれに人生を変えられた友達がいると思います。そういう意味では、これは“あなたの映画”でもあるかと思います。表面的には高校生の映画に見えるかもしれませんが、ただの高校生活を描いた映画ではないと思っています。大人でも若者でも色々な人が自分の人生を通り過ぎ、今があります。「高校生が映画を制作する」という話ではなく、自分の人生の中で関わった人での中で、関わりは短くとも、ずっと影響を与えて続けている人を描いた映画だと思っています。そういう意味では、大人も若者も関係ないと思います。

【作品情報】
『親友かよ』
【ストーリー】
高校3年生のペーは転校先で隣席になったジョーと知り合う。初対面で「友達になりたい」と言う人懐っこいジョーに対し、「もうすぐ卒業だから」と会話に乗り気になれないペー。そんな矢先、ジョーは不慮の事故で亡くなってしまう。ぺーはジョーが書いたエッセイを見つけ、それが実はコンテストで受賞していたことを知る。ある日、短編映画のコンテストに入賞すると試験免除で大学の映画学科に入学できると知ったペー。父親から大学受験に失敗したら家業の製粉工場で働くように言われていたペーは、その呪縛から逃れるためにジョーの“親友”だと嘘をつき、彼のエッセイを利用した短編映画を撮ることを画策。そこに、唯一ペーの嘘を知るジョーの本当の親友・ボーケーや、撮影のために準備されたiMacに目が眩んだ映画オタクたちが現れ、学校全体を巻き込んでの映画撮影が始まる。新しくできた仲間との創意工夫に満ちた楽しい撮影が進むにつれ、席が隣だっただけのジョーの魅力を知っていくペーだったが、ジョーの思いもよらない秘密を知ることになる。
©2023 GDH 559 AND HOUSETON CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
全国順次公開中 (2025年7月4日現在)
通訳:高杉美和
Special thanks to: 株式会社インターフィルム、株式会社ビー・アンド・ディー、GDH559 Company Limited
『親友かよ』
【ストーリー】
高校3年生のペーは転校先で隣席になったジョーと知り合う。初対面で「友達になりたい」と言う人懐っこいジョーに対し、「もうすぐ卒業だから」と会話に乗り気になれないペー。そんな矢先、ジョーは不慮の事故で亡くなってしまう。ぺーはジョーが書いたエッセイを見つけ、それが実はコンテストで受賞していたことを知る。ある日、短編映画のコンテストに入賞すると試験免除で大学の映画学科に入学できると知ったペー。父親から大学受験に失敗したら家業の製粉工場で働くように言われていたペーは、その呪縛から逃れるためにジョーの“親友”だと嘘をつき、彼のエッセイを利用した短編映画を撮ることを画策。そこに、唯一ペーの嘘を知るジョーの本当の親友・ボーケーや、撮影のために準備されたiMacに目が眩んだ映画オタクたちが現れ、学校全体を巻き込んでの映画撮影が始まる。新しくできた仲間との創意工夫に満ちた楽しい撮影が進むにつれ、席が隣だっただけのジョーの魅力を知っていくペーだったが、ジョーの思いもよらない秘密を知ることになる。
©2023 GDH 559 AND HOUSETON CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
全国順次公開中 (2025年7月4日現在)
通訳:高杉美和
Special thanks to: 株式会社インターフィルム、株式会社ビー・アンド・ディー、GDH559 Company Limited

監督・脚本 Screenwriter & Director
アッター・ヘムワディー Ta Atta Hemwadee
1991年10月1日生まれ。キングモンクット工学大学建築学部映画学科で学んだ後、キャリアをスタート。ミュージック・ビデオやCMの監督として本格的に活動を始める。脚本も手掛けた『親友かよ』(23)で長編映画デビューを果たした。
アッター・ヘムワディー Ta Atta Hemwadee
1991年10月1日生まれ。キングモンクット工学大学建築学部映画学科で学んだ後、キャリアをスタート。ミュージック・ビデオやCMの監督として本格的に活動を始める。脚本も手掛けた『親友かよ』(23)で長編映画デビューを果たした。

