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2025.7.2

絶賛上映中-タイ映画『親友かよ』
トニーとジャンプが語る「役作りまでのプロセスと、映画を通して伝えたい感情」

トニー/アンソニー・ブイサレート(ぺー役)と、ジャンプ/ピシットポン・エークポンピシット(ジョー役)の2人にインタビュー。
タイ語、フランス語、英語を使いこなすトニーと、歌が上手く音楽が好きなジョーは、ワークショップで信頼関係を築き、大きなプレッシャーに打ち勝つまで共に時間を過ごしました。役から離れた今、彼らが作品を客観的に見て感じることを率直に言葉にしてくれました。


―まず、映画の話をする前に、役柄ではなく、プライベートのお互いのことを紹介しあってください

ジャンプ: トニーはすごく顔とスタイルが良い若者です。チャーミングで、素敵な笑顔。才能にも溢れています。さらに、まだまだ見せてないポテンシャルがいろいろあります。一見自信があるように見えるけれど、実はそうでもなく、周りの人を気遣っていることも知っています。とても心が綺麗な人です。

トニー: ジャンプは初対面の時からまずイケメンだなと思っていました。また、すごく大人な考え方を持っていて、考え方も賢いです。心が綺麗だし、勤勉、歌声も綺麗。ジャンプの顔を見るとカワイイ顔をしているのでそこまで身長が高く見えないですが、実は背が高いです。

ジャンプ: 同じぐらいじゃない?僕は185cmです。トニーは僕のことを沢山褒めてくれるね(笑)

トニー: 僕は183か184cmだと思うけど、カッコいいから184cmだと言っています(笑)

―チューレンの由来も聞かせてください

トニー:アントニーという名前が生まれた経緯は、僕が生まれた時に僕の母が映画「インディアナジョーンズ」にはまっていて、僕の名前をインディアナにすると言いだしたところ、父が初めて母に反対したのです。結局アントニー・ブイサレートになりました。もしかしたらペーを演じたのはインディアナ・ブイサレートになっていたかもしれません(笑)

ジャンプ:ジャンプというニックネームはそもそも僕の母からのアイデアです。僕の母のニックネームはジョーって言います。映画と似ていますね。タイでジョーと言うとカンガルーを意味するニックネームなので、父に「カンガルーが飛び跳ねるから“ジャンプ”はどう?」と言われ決まりました。実は本名の“ピシットポン”にも裏話があります。タイでは基本的にはニックネームを使って呼び合いますが、ピシットポンには「特別なパワーのある人」という意味があります。父がいろいろ探してつけてくれました。
―ここから、映画についておききします。まず今回の役について教えてください

アンソニー:ペー役を演じました。ペーはあまり勉強が得意ではないのですが、あることに対してはすごく情熱がある。そのあることというのは、映画作りに対する情熱です。

ジャンプ:ジョーを演じました。ジョーはさわやかで真面目な高校生です。夢に向かっていくような人です。実はジョーの中には野心があり、秘密も持っています。彼が死んだ後にその秘密がみんなにバレてしまいます。どんなお話かは映画をご覧ください。

―最初に台本を読んだ時どう感じましたか?

トニー:僕はまずこの映画に出演できることをすごくラッキーだと思っています。この前の作品が同じ映画制作会社(GDH)の作品だった映画だったので、まさか自分が選ばれるとは思っていなかったからです。監督にとって初めての映画監督作品だったので、選ばれたからには監督を失望させないように精一杯頑張りたいと思いました。僕を選んだことを後悔してほしくなかったのです。僕を選んだことを誇りに思ってほしいと思いました。

ジャンプ:僕もこの役に決まり、GDHの作品に参加することができてとても嬉しかったです。脚本を読んだ時に自分のキャラクターが自分とリンクするところがあり、驚きました。この役を演じることができたらとても楽しいだろうなと思いました。アッター監督とプロデューサーの皆さんに機会をもらうことができて嬉しかったですし、一緒に共演した役者はみんな精一杯頑張っていたので、共演者にも出会えてとても良かったと思っています。

―アッター監督は二人のケミストリーがとてもよかったと言っていましたが、お二人はどう感じましたか?

トニー:そう思いました。なぜかというと、二人とも「この役を演じたい」という情熱が高かったからだと思います。僕たちはかなり早く役になりきれたので撮影がスムーズでした。実際に撮影している最中も本当に相性がいいなと自分でも思いました。

ジャンプ:そうですね。僕たちは二人とも高校時代の友情にすごく思い入れがあり、その気持ちを役に取り入れることができました。だからケミストリーが良かったのだと思います。

―ワークショップではどのようなことをしましたか?

ジャンプ:まず、ワークショップではコネクション作り、人間関係作りをしました。体をリラックスさせて、キャラクターの世界に入り込めるようなことをしました。ただ時間があまりなかったので、結構ワークショップはぎっしり詰め込まれていたと思います。また、アッター監督と話す機会があったのが良かったです。監督に直接どんなことを伝えたいのか?などと聞きました。また、監督としての方向性も聞きました。監督は演技をする際に各シーンの情報をくれました。例えば、このシーンではどんなことを伝えたいかという話をしてくれました。ただ、撮影中に監督は「どんどんアイデアを出していいよ」と言ってくれ、僕たちに演技の自由をくれたのです。そこからは僕たちがアイデアを出すこともあったし、監督からもアイデアを出してくれることがありました。監督は僕たちのアイデアに心を開き、きちんと聞いてくれました。

トニー:基本的にはジャンプが言ったようにアイスブレイキング。友人同士の役を演じるので、共演者同士で仲良くなるように努力をしました。体をつかみ合って力を抜いて体重を掛け合いお互いの信用関係を築くという動作がありました。また、自分の経験を人に話して聞かせたりして、互いに壁を作らないという作業もしました。自分にとってはこのアクティビティがすごく演技に役立ったと思います。一番いい方法だったかもしれません

―自分でこの作品を宣伝するとしたら、どのような言葉で宣伝をしますか?

トニー:多分この映画を見たらすごく良いものを持ち帰れるし、いい気分になると思います。もしかしたら自分の情熱を見つけるかもしれないし、周りにいる友達の価値に改めて気付くかもしれない。友達というのは大好きだけどあまりにも身近だから、その大切さを忘れがちですよね。それを思い出せるのがこの映画だと思います。

ジャンプ:伝えたいのは、多分この映画には皆さんにも多分関係する(リンクする)部分があると思うということです。学生時代の友情の話ですが、一人の人生というのはすごく複雑な層(レイヤー)で成り立っている。一見爽やかに見えるけれども内面の奥の奥では違う気持ちも隠れているかもしれません。この映画では人間の複雑さを見せていると思いますし、何かしら自分と関係するところや似たようなものを見つけることができるのではないでしょうか。人生の刺激となる映画じゃないかなと思っています。

―最後に今後の出演予定、制作中作品について教えてください

ジャンプ:まずトニーの最新作は「Taste」というドラマです。僕も見るのをすごい楽しみにしています。また、これから僕が出演する映画も楽しみにしていてください。

トニー:ジャンプが言ってしまったのですが(笑)、最新作のドラマは(タイで)2025年6月から始まり、ワクワクするメッセージ性のあるドラマです!
【作品情報】
『親友かよ』

【ストーリー】
高校3年生のペーは転校先で隣席になったジョーと知り合う。初対面で「友達になりたい」と言う人懐っこいジョーに対し、「もうすぐ卒業だから」と会話に乗り気になれないペー。そんな矢先、ジョーは不慮の事故で亡くなってしまう。ぺーはジョーが書いたエッセイを見つけ、それが実はコンテストで受賞していたことを知る。ある日、短編映画のコンテストに入賞すると試験免除で大学の映画学科に入学できると知ったペー。父親から大学受験に失敗したら家業の製粉工場で働くように言われていたペーは、その呪縛から逃れるためにジョーの“親友”だと嘘をつき、彼のエッセイを利用した短編映画を撮ることを画策。そこに、唯一ペーの嘘を知るジョーの本当の親友・ボーケーや、撮影のために準備されたiMacに目が眩んだ映画オタクたちが現れ、学校全体を巻き込んでの映画撮影が始まる。新しくできた仲間との創意工夫に満ちた楽しい撮影が進むにつれ、席が隣だっただけのジョーの魅力を知っていくペーだったが、ジョーの思いもよらない秘密を知ることになる。

©2023 GDH 559 AND HOUSETON CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
全国順次公開中 (2025年7月4日現在)

通訳:高杉美和
Special thanks to: 株式会社インターフィルム、株式会社ビー・アンド・ディー、GDH559 Company Limited
トニー/アンソニー・ブイサレート (ペー役)
Tony Anthony Buisseret

2004年9月20日生まれ。ベルギー人の父とタイ人の母の元に生まれたアンソニーは『ふたごのユーとミー 忘れられない夏』(23)で映画デビュー。2作目の映画出演となる本作『親友かよ』では『ふたごのユーとミー 忘れられない夏(英題:You & Me & Me)』で共演したティティヤー・ジラポーンシン(ボーケー役)と再びタッグを組んでいる。
ジャンプ/ピシットポン・エークポンピシット(ジョー役)
Jump Pisitpol Ekaphongpisit

2000年9月27日生まれ。大学卒業後、2020年にドラマ「ラブ・バイ・チャンス2/A Chance To Love」に出演。その後ミュージック・ビデオへの出演など活躍の場を広げる。2022年には、ドラマ「Why You... Y Me?」に出演し実際に自身が務めるバンド「Evening Sunday」のリードボーカルを演じた。『親友かよ』が長編映画デビュー作。