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2024.7.24
タイ発“新世代”ホラー・ムービー『フンパヨン 呪物に隠された闇』
主演Up(アップ/プーンパット・イアン=サマン)スペシャルインタビュー

主演のUp(アップ/プーンパット・イアン=サマン)に、俳優論から信仰に関する考え方まで聞いてみました
━━まず、古(いにしえ)より伝わる特級呪物“フンパヨン”が今回の大きなキーアイテムとなりますが、タイの呪物に関する事情を教えてください。
Up:もともと、呪物は展示するものではなく、それぞれがこっそり持っているものです。呪物がある場所などは、どちらかというと秘密の場所です。なぜかというと、黒魔術にも関係するものがあるからです。呪物を持っているタイ人も多いですが、どちらかというと仏像を崇拝する人が多いと思います。
━━フンパヨン とは何か、ネタバレにならない程度に教えてください。
Up : 実はこの作品に出演が決まってから、フンパヨンの存在を知りました。フンパヨンの材料は何でもよくて、木の葉っぱでも、土でも、何から作ってもいいんです。そこに、きちんと修業した呪術師が命を吹き込むんです。フンパヨンには良い面と悪い面があります。 良い面では、お守りになることがある。たとえば、自分の身代わりになってくれることもある。一方、悪い面ではフンパヨンを使って他人に危害を加えることができる。つまり、持っている人次第で、どういう存在になるのかが変わるということです。
━━難しい役どころでしたが、どのように役に向き合いましたか?
Up : 最初に監督から連絡をもらい、あらすじと脚本が送られてきました。挑戦しがいのある役だと感じたので、是非参加したいと思い、オーディションに参加しました。 実際にオーディションに合格したあと、リサーチとしてタイにある自閉症の子供の財団に行きました。そこにいた子供たちと話をし、ほかの人とは違うけどとても能力があると感じました。財団の理事長とも話をし、より理解が深まりました。そこから、「テ」という役のキャラクターを作り上げていきました。映画の本編には描かれていませんが、テの子供時代からのテのバックグラウンドも設定し、役に入り込みました。
━━役に入り込むために共演者と撮影期間中もなるべく話をしないようにしている俳優さんもいますが、Upさんはどのように共演者の方々と接していましたか?
Up : 役者によってメソッドがあるので、共演者と話をしない俳優がいるのも理解できます。プロフェッショナルな世界なので、疲れすぎると撮影に悪影響が出てしまうと思っています。ただ僕自身は、共演者とむしろ話した方がリラックスすることができました。
━━役から抜けるのが大変だったのではないですか?
Up : そうですね。テの場合は、撮影後も役はしばらく自分の中に残っていました。ワークショップからかなり長いの付き合いだったことと、役になりきらないといけなかったからです。 最後は、テに「ありがとう」と感謝しながら、鞄や衣装を1枚づつ脱いだり外したりしました。身につけていたフンパヨンも外しました。
━━ひとくちに「ホラー」映画とだけでは表しづらい作品だと思うのですが、アップさんはこの映画をどのように表現されますか?
Up : 映画の種類分けという意味ではホラーですが、コメディの要素も入っています。ただ、監督が表現したかったのは、自分の利益のために宗教を利用して人をだます悪人がいるということです。何事にも二面性があると思いますが、悪い面というのはなかなか語られてこなかったと思います。
━━ドラマ、音楽に続き、日本でもホラーというジャンルはとても人気があります。日本のホラー映画や海外のホラー映画はみたことがありますか?
Up : 互いの国で共通に人気があるものがあるのは、嬉しいですね。僕は怖がりですぐ驚いてしまうので、ホラー自体、あまり観ません。貞子が出てくる「リング」なども怖かったです。「パラノーマル・アクティビティ」や「エクソシスト」も同じく怖かったし、大きな音とかですぐに驚いてしまいます。役者なので、ホラー映画をみると色々想像してしまいがちで、より怖くなってしまいます。
━━演じるにあたり、監督からどのような演技指導がありましたか?
Up : 監督自身は信仰心が深く、タンブン(タイ語で“徳を積む”という意味)などをしています。悪い面も良い面も持ち合わせているのが人間で、その人間らしい面を描いているのが本作です。1人の人間が100%良い人ということもないが、100%悪い人ということもない。ただ、一番恐ろしいのは人間なんだなということが、この映画を見ればわかるかと思います。
━━日本で公開されることを知ったとき、どう思いましたか?
Up : とてもうれしかったです。役者も監督もスタッフも精いっぱい頑張ってつくったのでぜひみてほしいです。ここにたどり着くまでに、宗教の関係で映倫の規定に引っかかったり、とても色々なことがありました。タイ以外の国で公開されると知ったときは、とてもうれしかったです。
━━この映画では、兄弟や両親という家族に関する事柄も出てきます。タイでは両親や家族について、どのような考えを教えられて育つのですか?
Up : 国によって親との距離は少し違うかもしれませんが、僕は子供の時から、「親が年をとったらちゃんと面倒見るんだよ」と言われてきました。
━━宗教に関する映画でしたが、日本ではタイほど多くの人が出家しないので、出家について聞かせてくだい。
Up : 育ててくれた親の恩に報いるためにすることと言われています。僕はまだしていませんが、出家をすることで多くの徳を積めると考えられています。
Up:もともと、呪物は展示するものではなく、それぞれがこっそり持っているものです。呪物がある場所などは、どちらかというと秘密の場所です。なぜかというと、黒魔術にも関係するものがあるからです。呪物を持っているタイ人も多いですが、どちらかというと仏像を崇拝する人が多いと思います。
━━フンパヨン とは何か、ネタバレにならない程度に教えてください。
Up : 実はこの作品に出演が決まってから、フンパヨンの存在を知りました。フンパヨンの材料は何でもよくて、木の葉っぱでも、土でも、何から作ってもいいんです。そこに、きちんと修業した呪術師が命を吹き込むんです。フンパヨンには良い面と悪い面があります。 良い面では、お守りになることがある。たとえば、自分の身代わりになってくれることもある。一方、悪い面ではフンパヨンを使って他人に危害を加えることができる。つまり、持っている人次第で、どういう存在になるのかが変わるということです。
━━難しい役どころでしたが、どのように役に向き合いましたか?
Up : 最初に監督から連絡をもらい、あらすじと脚本が送られてきました。挑戦しがいのある役だと感じたので、是非参加したいと思い、オーディションに参加しました。 実際にオーディションに合格したあと、リサーチとしてタイにある自閉症の子供の財団に行きました。そこにいた子供たちと話をし、ほかの人とは違うけどとても能力があると感じました。財団の理事長とも話をし、より理解が深まりました。そこから、「テ」という役のキャラクターを作り上げていきました。映画の本編には描かれていませんが、テの子供時代からのテのバックグラウンドも設定し、役に入り込みました。
━━役に入り込むために共演者と撮影期間中もなるべく話をしないようにしている俳優さんもいますが、Upさんはどのように共演者の方々と接していましたか?
Up : 役者によってメソッドがあるので、共演者と話をしない俳優がいるのも理解できます。プロフェッショナルな世界なので、疲れすぎると撮影に悪影響が出てしまうと思っています。ただ僕自身は、共演者とむしろ話した方がリラックスすることができました。
━━役から抜けるのが大変だったのではないですか?
Up : そうですね。テの場合は、撮影後も役はしばらく自分の中に残っていました。ワークショップからかなり長いの付き合いだったことと、役になりきらないといけなかったからです。 最後は、テに「ありがとう」と感謝しながら、鞄や衣装を1枚づつ脱いだり外したりしました。身につけていたフンパヨンも外しました。
━━ひとくちに「ホラー」映画とだけでは表しづらい作品だと思うのですが、アップさんはこの映画をどのように表現されますか?
Up : 映画の種類分けという意味ではホラーですが、コメディの要素も入っています。ただ、監督が表現したかったのは、自分の利益のために宗教を利用して人をだます悪人がいるということです。何事にも二面性があると思いますが、悪い面というのはなかなか語られてこなかったと思います。
━━ドラマ、音楽に続き、日本でもホラーというジャンルはとても人気があります。日本のホラー映画や海外のホラー映画はみたことがありますか?
Up : 互いの国で共通に人気があるものがあるのは、嬉しいですね。僕は怖がりですぐ驚いてしまうので、ホラー自体、あまり観ません。貞子が出てくる「リング」なども怖かったです。「パラノーマル・アクティビティ」や「エクソシスト」も同じく怖かったし、大きな音とかですぐに驚いてしまいます。役者なので、ホラー映画をみると色々想像してしまいがちで、より怖くなってしまいます。
━━演じるにあたり、監督からどのような演技指導がありましたか?
Up : 監督自身は信仰心が深く、タンブン(タイ語で“徳を積む”という意味)などをしています。悪い面も良い面も持ち合わせているのが人間で、その人間らしい面を描いているのが本作です。1人の人間が100%良い人ということもないが、100%悪い人ということもない。ただ、一番恐ろしいのは人間なんだなということが、この映画を見ればわかるかと思います。
━━日本で公開されることを知ったとき、どう思いましたか?
Up : とてもうれしかったです。役者も監督もスタッフも精いっぱい頑張ってつくったのでぜひみてほしいです。ここにたどり着くまでに、宗教の関係で映倫の規定に引っかかったり、とても色々なことがありました。タイ以外の国で公開されると知ったときは、とてもうれしかったです。
━━この映画では、兄弟や両親という家族に関する事柄も出てきます。タイでは両親や家族について、どのような考えを教えられて育つのですか?
Up : 国によって親との距離は少し違うかもしれませんが、僕は子供の時から、「親が年をとったらちゃんと面倒見るんだよ」と言われてきました。
━━宗教に関する映画でしたが、日本ではタイほど多くの人が出家しないので、出家について聞かせてくだい。
Up : 育ててくれた親の恩に報いるためにすることと言われています。僕はまだしていませんが、出家をすることで多くの徳を積めると考えられています。
━━GMMTV所属のPhuwinとの共演でしたが、まわりの共演者から刺激を受けたことはありますか?
Up : すべての役が面白いといます。すべての役柄がとても魅力的。Phuwin(プーウィン・タンサックユーン)をはじめ、みんな大変そうな現場でしたが、頑張っていました。Bank(バンク)が演じたクンは、特殊メイクに時間がかかっていて、6時から12時までメイクをしていたと聞きました。共演者たちはみんな一生懸命で、出会えてうれしいと思える人々でした。
━━撮影場所はどの地域でしたか?
Up : チャンタブリー、サラブリーなど、だいたい地方でした。アクセスが大変な場所が多かったです。
━━Upさん目線で宣伝をするならどのような表現になりますか?
Up : この映画は怖さだけではなく、全編を通して、いろいろなことを考えるきっかけをくれる映画です。
監督の意図も入っているし、細かい点も、細部までとても見どころ満載の作品です。また、「フンパヨン」は、ずいぶん前からタイ人の生活と共に昔からありましたが、現在ではそこまで最近はあまり知られなくなってしまいました。監督はフンパヨンをあえて使い、改めてタイ人に注目してもらえるよう、映画という形で表現をしました。みなさんもきっと映画を楽しめると思います。
Up : すべての役が面白いといます。すべての役柄がとても魅力的。Phuwin(プーウィン・タンサックユーン)をはじめ、みんな大変そうな現場でしたが、頑張っていました。Bank(バンク)が演じたクンは、特殊メイクに時間がかかっていて、6時から12時までメイクをしていたと聞きました。共演者たちはみんな一生懸命で、出会えてうれしいと思える人々でした。
━━撮影場所はどの地域でしたか?
Up : チャンタブリー、サラブリーなど、だいたい地方でした。アクセスが大変な場所が多かったです。
━━Upさん目線で宣伝をするならどのような表現になりますか?
Up : この映画は怖さだけではなく、全編を通して、いろいろなことを考えるきっかけをくれる映画です。
監督の意図も入っているし、細かい点も、細部までとても見どころ満載の作品です。また、「フンパヨン」は、ずいぶん前からタイ人の生活と共に昔からありましたが、現在ではそこまで最近はあまり知られなくなってしまいました。監督はフンパヨンをあえて使い、改めてタイ人に注目してもらえるよう、映画という形で表現をしました。みなさんもきっと映画を楽しめると思います。
━━最後に、日本とUpさんご自身のことも少しだけ聞かせてください。日本には数回来日していますが、日本でびっくりしたことはありますか?
Up : ほんとんどない。年上を尊敬する、他人を尊重するなど、日本とタイは文化が似ているからかな?
━━チューレン(ニックネーム)の由来を教えてください
Up : 生まれたときに、叔母さんが「アーフ」というチューレンを付けてくれたのですが、親戚の中で「言いにくい」ということになり、すぐに「アップ」になりました。
━━マヨネーズが好きとお聞きしましたが、日本で美味しいマヨネーズ料理に出会いましたか?
Up : まだ出会っていないのですが、アニメの「銀魂」の真似で、マヨネーズを器いっぱいにかけて食べる「マヨネーズ丼」というのを観ました。インスタグラムでそれを真似してやっている投稿を見て、一度でいいから食べてみたいと思いました(笑)
━━旅に必ず持っていくものがあったら教えてください
Up : カバンです。必要なものをすべてを詰めているので、2、3日道に迷っても生き残れます。お菓子や薬、お経の本まで入っています。お守りも入っています。お菓子は賞味期限が切れてるかもしれないけどね(笑)
通訳:高杉美和
協力:ギークピクチュアズ、東京ニュース通信社(タイドラマガイド「D」編集部)
Interpreter: Miwa TAKASUGI
Special Thanks to: Geek pictures, Tokyo News Service,Ltd and Thai Drama Guide “D”
Up : ほんとんどない。年上を尊敬する、他人を尊重するなど、日本とタイは文化が似ているからかな?
━━チューレン(ニックネーム)の由来を教えてください
Up : 生まれたときに、叔母さんが「アーフ」というチューレンを付けてくれたのですが、親戚の中で「言いにくい」ということになり、すぐに「アップ」になりました。
━━マヨネーズが好きとお聞きしましたが、日本で美味しいマヨネーズ料理に出会いましたか?
Up : まだ出会っていないのですが、アニメの「銀魂」の真似で、マヨネーズを器いっぱいにかけて食べる「マヨネーズ丼」というのを観ました。インスタグラムでそれを真似してやっている投稿を見て、一度でいいから食べてみたいと思いました(笑)
━━旅に必ず持っていくものがあったら教えてください
Up : カバンです。必要なものをすべてを詰めているので、2、3日道に迷っても生き残れます。お菓子や薬、お経の本まで入っています。お守りも入っています。お菓子は賞味期限が切れてるかもしれないけどね(笑)
通訳:高杉美和
協力:ギークピクチュアズ、東京ニュース通信社(タイドラマガイド「D」編集部)
Interpreter: Miwa TAKASUGI
Special Thanks to: Geek pictures, Tokyo News Service,Ltd and Thai Drama Guide “D”
映画『フンパヨン 呪物に隠された闇』
【あらすじ】
出家したティーに会うため、旅に出たターム(プーウィン)。ドンシンタム島の寺院で、 ティーが住職を殺して消えたという噂を耳にする。 ティーが人殺しをしたと思えないタームは、困惑しながらも、その土地に留まることを決意。 島の案内をしてくれるのは、テ(アップ)。 やがて、その村の人々は、人形(フンパヨン)に妄信的な信仰をいることがわかる。さらに女性が行方不明になり、村を恐怖に陥れる奇怪な出来事が次々と起こっていく・・・。
【作品情報】
監督 :ポンタリット・チョーティグリッサダーソーポン
キャスト:
プーンパット・イアン=サマン(アップ)
プーウィン・タンサックユーン(プーウィン)
クナティップ・ピンプラダブ(ニック)、
タソーン・クリンニウム(エミ)
プーリパット・ウェーチャウォンサーデーチャーワット(ジェームス)
製作会社:ファイブスター・プロダクション
配給:ギークピクチュアズ
配給協力:ギグリーボックス
2023年作品/“HOON PAYON”/タイ映画/上映時間:107分/シネスコサイズ/字幕翻訳:高杉美和
© Five Star Production Co., Ltd. 2023
劇場情報などは公式ホームページとSNSへ
公式HP:https://hoonpayon-movie.com/
公式SNS X 、Instagram:@hoonpayon_movie
【あらすじ】
出家したティーに会うため、旅に出たターム(プーウィン)。ドンシンタム島の寺院で、 ティーが住職を殺して消えたという噂を耳にする。 ティーが人殺しをしたと思えないタームは、困惑しながらも、その土地に留まることを決意。 島の案内をしてくれるのは、テ(アップ)。 やがて、その村の人々は、人形(フンパヨン)に妄信的な信仰をいることがわかる。さらに女性が行方不明になり、村を恐怖に陥れる奇怪な出来事が次々と起こっていく・・・。
【作品情報】
監督 :ポンタリット・チョーティグリッサダーソーポン
キャスト:
プーンパット・イアン=サマン(アップ)
プーウィン・タンサックユーン(プーウィン)
クナティップ・ピンプラダブ(ニック)、
タソーン・クリンニウム(エミ)
プーリパット・ウェーチャウォンサーデーチャーワット(ジェームス)
製作会社:ファイブスター・プロダクション
配給:ギークピクチュアズ
配給協力:ギグリーボックス
2023年作品/“HOON PAYON”/タイ映画/上映時間:107分/シネスコサイズ/字幕翻訳:高杉美和
© Five Star Production Co., Ltd. 2023
劇場情報などは公式ホームページとSNSへ
公式HP:https://hoonpayon-movie.com/
公式SNS X 、Instagram:@hoonpayon_movie