競泳:佐藤久佳×南原清隆 Chapter2
「世界と比べると、まだ1秒以上遅れているので。」


唯一とも言える弱点『自由形』の強化に取り組みだした水泳ニッポン
2006年1月、運命のカギを握る若きスイマーに南原清隆が直撃!
そのインタビューの全貌を明らかに!

南原清隆(以下、南):日本の水泳陣の悲願として、とにかくフリーリレーで決勝出たいんだ、と。メドレーも、メダルとりたいんだと。佐藤君とか内田翔君(群馬SS)がそれを担う選手になる、ならなきゃ困るみたいになったんですけど、そこらへんの意識は?

佐藤久佳(以下、佐):去年初めて、50秒きったというのがあるので、誰にも負けたくないって気持ちも出てきましたし、49秒出たことによって世界にまた一歩近づいたと思うので、やるからには世界、国際大会に出場、ではなくて、戦えるんだってなっていきたいんで。

南:今の段階はどうですか?

佐:まだ、たぶん、戦えるというのではないと思うんで、これからもっと力をつけて、いろんな経験をつんでいって、やっぱり勝負はオリンピックだと思うので。

南:北京・・・日本じゃ誰にも負けたくないですか?

佐:そうですね、はい、はじめて50秒をきっても、その次で負けてしまったら、結局あのときだけだったのか?って思われるのが嫌なんで、やっぱりこれから誰にも負けたくないです。

南:そしたらメドレーリレーの選手に選ばれたいですか?リレー泳いでみて。

佐:世界水泳のときは予選4位だったので、決勝ではスタンドから見ている側だったんで、「なんで、ここにいるんだろう?」と思ったりとか、違う選手が泳いでいて悔しい気持ちになりましたね。

南:自由形に対するこだわりは?

佐:今は自分のメイン種目になってきているんで、リレーとかではなくて、標準記録をきって、正式な個人の種目のほうで選ばれたいですね。

南:2月25日、26日にはジャパンオープン、世界との対戦が待っています。

佐:やっぱり、短水路は技術的なことが一番出てくると思うので、そこでどれだけ周りに差がつけられるかが、一番重要だと思うので。僕はバサロが得意なので、ターン後のバサロでどれだけもぐれて、どれだけリードできるかを短水路では試してみたいですね。

 

南:自分の性格は自分ではどういう感じ?

佐:あんまり思っていることを外に、表に出すってことはあまりしないですね。

南:内に秘めて、そういう人って、1回決めたら頑固なんですよね。

佐:練習中は-、練習が好きなほうでは無いので、思っていても練習はサボってしまうときがあるんですよ。きつくなってくると、そこを耐えることが大事なんですけど、妥協してしまったり。

南:今後、将来の夢というのは?

佐:北京で、出るだけではなくて、出るからには決勝に残って、メダルも取れたら。

南:何秒くらいの争いになりますかね?

佐:やっぱりもう2年後なので、47秒出さないと、メダルが届かない範囲まではくるんじゃないかなと思っていますね。

南:あと2秒近く、そこを埋めるイメージはありますか?

佐:2秒とまではいかないですけど、1秒ちょっとならいけるかなというイメージはあります。

南:北京でメダルを取る、とるでいいんですか?

佐:とりあえず、とるで。笑

南:有言実行なんだけども、本当にできる有言をいいますよね、今年中に何秒出します?

佐:今年中に48秒が出るのが一番いいですけど、いきなり1秒縮めるのは難しいと思うので、とりあえず、派遣標準記録Ⅱの49秒3をきります。

南:きります?それは見果てぬ夢ではなくて?

佐:絶対、きります。


佐藤久佳×南原清隆 インタビューEND

佐藤久佳(日本大学1年) プロフィール
1987(昭和62)年1月12日、北海道・苫小牧市生まれ、19歳。3歳から地元のスイミングクラブで水泳を始める。東京・日大豊山高に進学し、3年時の昨年はインターハイ200個メ1位、400個メ2位。日大に進学した昨年、日本選手権100自2位、世界水泳100自予選敗退、400継予選ではアンカーを務めた。1メートル79、67キロ。

【編集:GET SPORTS ディレクター 山西雄大】


 
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