Q:100mまでのタイムとかも全然理想的ではない?

清水:今年に関しては9秒4の頭では最低でもいきたかったし、もしくは9秒3っていう数字が出せればおもしろいんではないかな、と。 

Q:9秒3とか9秒4の頭とかってすごい微妙な違いで私たちにはわからないんですけど

清水:100分の1、2違ったら全然スピードが変わっちゃうんで。最初の100mもコンマ1違ったらトータルのタイムがコンマ5とか6とか世界記録も出ないような記録になってしまう。体感スピードが全然違います。

Q:組み立てって自分の中で決まってますよね?

清水:決まってないです。

Q:数えてみたんですけど、そういうの決めてるわけではない?

清水:全然決めてないです。数えたことも1回もない。

Q:感覚だけをたよりに?     

清水:もちろん区間分けはしてますよ。でもこの100mは何歩で、とかそういう考え方はしたことないですね。

Q:コーナーはコーナー、ストレートのときはストレートっていう動き方?

清水:力の使い方とか。車と一緒でパワーを伝える部分とかアクティブな部分を利用するとか。

Q:車って似てます?

清水:また別物だと思うんですけど。

Q:F1とか好きじゃないですか?

清水:そうですね

Q:それってイメージが重なるのかなって。

清水:また全然スピードが違うし。イメージとしては車のように、と思って攻めていきたいと思って。

Q:結構レーサーの方とかに話とか聞かれたりするんですよね?

清水:そうでもないですけど。

Q:共通する世界でもない?

清水:バイクの世界とは共通する部分もあったかな?4輪よりも2輪の方が、例えば1mm動かした時にもうコントロール性が変わってしまう。バイクも前輪1mm下げただけでとか、僕らも歯を0.2,3mmずらしただけでもコントロール性が変わってしまうんで。あとハイサイドがおきるとか、コーナーのバンプとか、大きな部分でも似てると言うか。

Q:自転車トレとかやって、筋肉の破壊と再生を試みて、それで脳(思考)の限界も押し上げるっていうことされてるじゃないですか。それって長野後から?

清水:いや、昔からやっていたというか。

Q:それが激しくなっているというか

清水:激しくなってはいないと思うんですけど、内容がやっぱり変わってきてますよね。どうしても学習能力がからだにはあるんで、1度入った刺激を覚 えてしまってもうその刺激には慣れてしまってもうトレーニングにはならない。だから同じような量でもやり方を変えたり。刺激を変えないと、筋肉が覚えてしまうからちょっとずつ変えないと。ただ量を増やせばいいってものじゃない。それの繰り返しで。

Q:そこで限界が変わっていくっていうのは?

清水:明かに体でも感じるし、数値にすればもっとわかると思うんです。

Q:武田豊樹選手とは一緒に練習を続けていますが、影響を受けた所とかあるんですか?

清水:昔から一緒にいるんで。長いですからね。10年以上になりますかね。知り合って。

Q:一心同体みたいに見えるんですけど。リンクで一緒にスケートされてるのとか。

清水:やることはいつも別々なんですけどね。彼も彼なりにオリジナル性を持ってるし、すごい自分の考えをもっていて、僕も僕で持ってるし、それをすべて真似しようとしないし、だからどこがいいとかもちょっとわからない。見えない部分っていうのはありますよね。

Q:すごい関係だなって思うんですけど。清水さんについていけるのも。

清水:僕のほうがついていってる感じですよ。トレーニングしたら僕勝てないですよ。勝てるっていったら瞬発力とかで、あとパワー系とか。その他になったら全然。

Q:以前より何かスピードへの探求心とか増されてるんだなって。スピードに飢えてるとかそういう発言を聞いて。

清水:それ載ってたんですか、新聞に?

Q:載ってた,載ってた。あとインタビューでもおっしゃってたじゃないですか。あと、「世界最速のタイトルが欲しい」というのがすごい言葉で印象に残ってるんですけど、それはご自身の中であんまり変わってないんですか?

清水:昔から求めるものは結局そこにあるんだろうなって。別になにかの大会勝したとしても,タイムが遅ければ納得いかないし。タイム出したにしろ,例えば金メダル取ったとか,世界チャンピオンになったとか、そういうのを全部とったとしても、次に求めるものは結局「最速」でしかない。逆にタイトルを何も取ってなくても、求めるのは「最速」。

Q:オリンピックではない。

清水:昔はやっぱり,ナショナルチーム入ってなかった頃は,世界大会に出たいっていうのが目標だったんで。でも世界大会に出て世界ジュニア記録を出す、とかやっぱり今考えても、細かい目標設定は「記録」だったと思いますね。