中:それはやっぱりしっかりやらないといけないところだと思うけど。さっき中田ヒデの話が出て、頼もしいって感じたっていったじゃないですか。自分としては今シーズン入る前に、清水から出るって話、マスコミにも出たりしたんですけど、その真意としては、やっぱり自分はここでやってては

森:真意としては、去年も何試合も出て、本当にいろんな所で聞かれましたけど、この先にステップアップするには、例えばフランス戦負けて帰ってきました、ぬるい環境でやってるからだっていろんな所で言う方は言うわけですよ。Jリーグでたいしたフォワードがいないのに、とか失礼なこと言う人がいるけど。それはあながち嘘とも言えないと思うわけですよ。Jリーグでやるよりは、海外でこんなとんでもないやつら相手にディフェンスしてたら、この先もう少し伸びるだろうとかね。ただそんな簡単にいけるものじゃないから。そんな場が用意されてるわけでもないし。だからある意味刺激がほしいというのは一番だったかな。

中:海外っていう可能性がなくても他のチームに移って、新たな環境でよりいろんなことを

森:そうですね。それも思ったし。海外に行くチャンスを現実的に考えて、来年ワールドカップだな、と。その前に行って、試合に出なくてコンディション崩してっていうのもありえるじゃないですか。そういった中でいろいろ考えた結果、結局は今に落ち着いてるわけですけど。だからけして調子に乗ってるとか、ぬるい環境でやってるとか、なんか色々言われようが常に自分はどうすればうまくなれるかっていうの毎日考えて、やってるわけですけどね。

中:その選択肢のたまたまひとつだったと。

森:そうですね。だからそれでもやっぱり今一番悩んでることは、そういうとこですよ。

中:自分がどうやってレベルアップしていくか。やっぱそれはこの間5−0で負けて、あんなすごいやつらと毎日やってれば、それはグラウンドにも慣れるし、相手にも慣れるしレベルアップするにも決まってるけど、それがすぐ環境に飛びこめるかというと、言葉の問題もあるし、行くチームがあるかということもあるし、外国人枠もあるし、クリアしなければいけない問題が多すぎる。

森:それはもちろんいろんなジレンマもあるしね、どうすればいいかなってのはありますけど、本当に結局は今の置かれた環境で200%がんばるしかないわけで。

中:これから先十分可能性はあるということで

森:そうですね。もちろん行きたいと思ってます。

中:若い選手が海外移籍を口にすることに対してどう思う

森:若手が今の20才前後のことですよね。日本人がどんどん海外出て、もちろん日本のサッカー界は活性化されると思うんですよね。ただみんながみんな行ったらJリーグはどうなっちゃうんだっていうふうに思いますけどね。でも個人的には海外っていうのは憧れだから行きたいし、日本代表が強くなるためにももちろん行ったほうがいいと思います。

中:大義名分があるからね。例えばプロ野球だったら全員流出しちゃったら、プロ野球はどうなるんだっていうのがあるけど、サッカーだったら流出しても日本代表が強くなる、そういうよさがありますよね。

森:ほんとにサッカーすごいなーって思いましたけどね。どこに行っても本当に国と国との対決って感じじゃないですか。

中:それはある意味すばらしいって、サッカーってすごいよねって感じますよね。

森:去年からホームページとか始めて、いろんなメールも来るし、いろんな意見があるわけじゃないですか。些細なこととかでも熱くなってるわけじゃないですか。すごいなぁと思いますよ、それだけでも。だから本当にサッカーに関する思いというか、例えば僕がプレイヤーであって、サッカーへの関わり方ですか。ファンからすれば僕らがサポーターだって思ってるわけじゃないですか。いろいろな関わり方があるとは思うんだけど、そういうの全部含めてのサッカー界。その中でも僕ら日本にいるわけだから、日本サッカー界がどんどん盛り上がっていけばいいなってすっごい思うんですよ。そう思ったらあんまり野次とかでも。例えば「ふざけんな」みたいな手紙がきても、あんまり気になんなくなったかな。こいつらがいるからサッカー界があるんだと思うしね。最近そう思えるようになってきましたね。

中:僕も最近いろいろ中傷の手紙、メールが多いんですけども、確かにそれだけ熱くなってるってことは、俺が言った事に対して反応してるわけだから、それに反応する人がでてきただけでも日本サッカー界は大きくなってるんだなって

森:それは思いますよ。もちろん目の前で「ふざけんなよ」とか言われたらこっちも「お前なんだよ」ってなっちゃうけど

中:多分言わないと思うんだけどね

森:だから本当におもしろいもんだよね。そういう風に思ったらふっと肩の力も抜けるんだよね。

中:次はコンフェデ杯なんですけど、コンフェデ杯が来年のいいレッスンになると思うんですけど、

森:そうですね。時期も同じで。

中:それでやる相手もブラジル、カメルーン、カナダって本大会でも、まあブラジルとは同じ組になる可能性低いと思うんだけど、そういう相手とやるわけじゃないですか。それに関しては。まあそれでメンバー8割決まるとトルシエは言ってるんですけど、そういうこと、それはまあ抜きにして、コンフェデについてはどういうふうに捉えてる、自分の中で?

森:そうですね。正直言ってコンフェデの前に今回スペイン行って、帰ってきてからJリーグのほうがセレッソ、札幌、鹿島、ジュビロ。立て続けにあって。本当に立て続けにあった後、サウジアラビアに行って、まあ2試合やって帰ってくるわけじゃないですか。中1日で。30ナン度の中ですよね、きっと。で、帰ってきたらそこからコンフェデですか、もし入ってたら。ていう段階なんで、まずはそこのコンフェデの時期に行く前に怪我しないように。本当にそういう風に思ってますよ。

中:現実的に捉えられないくらい試合が詰まってますよね。

森:だから怪我しないようにってのもあるし、それまでの1試合1試合充実させていきたいな、と思うし。本当にその積み重ねだと思うんですよ。自分が伸びてく伸びてかないというのは。

中:コンフェデに関してはそれぐらい、自分の中では1つ1つ乗り越えた先にあるから、今どうこうっていう…

森:今どうこうっていうのはあんまりないですね。あーブラジルとやるんだ、楽しみだなぁと。

中:カメルーンとやるんだ、カナダとやるんだって

森:カメルーンは、みんな身体能力高いんだろうなあとか、カナダはアメリカみたいなんだろうな、とか。

中:まあオジェックやってるんですけど、元浦和レッズ監督の。そういうことまったく、注目されると思うんですけど、それはまあ自分としてはその前にあることしっかり乗り越えなきゃまずいけない、と。

森:そうですね。

中:怪我をしないっていうことが一番大事ですからね

森:そうですね。個人的には、一つ一つのプレーにもっと集中したいですね。

中:多分そういう厳しい状況の中で、世界の向こうの選手達はやってるわけで、そういう中でも集中してやってけば自分もレベルアップしていけるっていう風に思ってるっていうのありますよね。

森:そうですね。

中:後は2002年に向けてちょうど1年ちょっとなんですけど、今この状態で日本はW杯でベスト16に入れると思いますか?

森:難しいこといいますね。実際難しくないですね。個人的にはもちろん「入れると思いますか」って言われたらもちろん「入れます」っていうけど

中:今の状態でも?

森:今の状態で行くことはまずありえないから。

中:じゃあまず自分としてはベスト16になるために

森:でも例えば今の状態、フランスに負けた後でもう一回フランスとしますって言われても、じゃあ「次のフランスは勝てますか」って言われたときに「負けます」なんて絶対言わないから。「もちろん入れます」と言って、本当に入れるようにしっかりやろうよってそういう気持ちを持っています。

中:で、今回フランス戦があって、スペイン戦があっていろいろ試合これから積み重なっていくわけじゃないですか。全部それも2002年に向けての試合なわけだし、そういうことも踏まえた上で来年の今ごろの森岡隆三は、自分の考えているぎりぎりの、すごいプレーをする選手とダメな選手、幅も広がっているわけだろうし。もっといろんな意味できっちり物事が座って考えられると。もっと余裕をもって考えられると。そういうふうになってるでしょうね。きっと。

森:なってたいですけどね。最近のことは分からないと思うんですけど

中:この試合ふくめて、こういう試合があってよかったな、と言えるようになりたいという感じですか?
森:そうですね。二度とやりたくないですけどね、こういう試合は。こういう試合っていうか、ズタズタにはされたくないなっていうのは本当にありますけど。タイミング的には今でよかったなって思います。コレが例えば10月とかでこうなったら、やっぱりあぶないなって思うじゃないですか。

中:危ないですね。時間ないからね。1年以上前の試合でいい意味でピリっとしたって感じですかね。

森:ほんとサッカー人生の中で、こんだけの相手であんだけしっかりやってきてくれたわけじゃないですか。そういうこともなかなかないだろうし、まあいい経験が出来たなァとは思います。

中:今日はホンと長々とありがとうございました。2002年に向けてトルシエ監督とコミュニケーションをとっていただいて、チームのよきリーダーとしてがんばってください。期待してます。

森:はい、ありがとうございます。