遠藤:今の流してるやり方ですよね。違いがねえ、わからないんですよ。

黒木:じゃあ、ちょっとわかりやすくします。セットで投げたらわかるかも。最初は、開きますね、流します。 (開く投げ方で投げる)肩を見ないで、体を見てください。もう一回開きますよ。 (開く投げ方で投げる) 

遠藤:はい、わかりました。じゃ、次とめてください。

黒木:(止める投げ方で投げる)

遠藤:はー。違いがわかりました。(と黒木のほうへ近づいていく)なんとなくですけど、

黒木:なんとなくですか?

遠藤:でもわかりました。え、なんて言ったらええんやろ。(とボールを黒木に渡す)

黒木:バッターの気持ちになって見るとわかると思うんですよ。バッターになってください、こうやって開いてイチニノサンで全部球見えるでしょ。こうやって。止めると、こうやって、フッと出てくるでしょ、これなんです。

遠藤:うんうんうん、確かにそうですね、ここで消えてますもんね、止めるからポンとでてくる。

黒木:突然、球がポンって出てくるから。教えちゃおうかな、じゃあ。(と自分のグローブを置く。遠藤に近づいて)一本背負いってこうでしょ、それで、ここ(左腕)を(後ろに)引きながら押してください。この力加減を覚えてくださいよ。はい、(左腕を)ここ(胸の前)に止めて、こういうイメージ。で、押してください。どっちが強いですか?

遠藤:こっちのほうが強いですねえ。

黒木:ということは球がそれだけ速いということですよ。

遠藤:また、ええこと聞いちゃった。草野球チームで採用します。この練習方法。

遠藤:本当そうですね、もう一回いいですか?(また、手を当ててもらう)

黒木:これで思いきって「おりゃ−」ってなげても、

遠藤:(力をいれる)×2      

黒木:でしょ。押さえてこういうイメージで。  

遠藤:(力をいれる)

黒木:ちょっと弱い。これをクッと、こういうイメージで。

遠藤:(力をいれる)こっちの方が強いですね、ここの瞬間の力が。

黒木:そういうこと。

遠藤:(笑顔で)教えてもらいました。


 

黒木:でも、なんとなくわかるでしょ、違いが。投げててボールがばらつかないですか、開いて投げてると。

遠藤:それはありますね。でもこれですると、なんか一定のところにスコーンと。

黒木:ここが決まっていれば、軌道って全部決まりますよね。ここだったら、ここで離れようが、こんなとこで離れようが全然バラバラでしょ。ここ止めて、こういうふうに投げれば、動きがこのラインしかないでしょ。 開いて投げると、こういうラインでしょ。だからタイミング合わないと強いボール投げられないと思うんですよ、僕は。

遠藤:僕でも初めてだから、まだ調子いいこと「あ、ほんまや!」って言えないですけどでも、そうやと思いますわ。こっちのほうが力入るし、一定の軌道でいけると思います。

黒木:だって、頭に近いほうが強いでしょ、力が。これだったら頭から離れるでしょ。

遠藤:どうしても力が逃げてしまいますもんね。

黒木:ここでこう押すのか、ここでこう押すのか、どっちかの違いですよね。

遠藤:すごいこと教えてもらいまして、ありがとうございます。

黒木:いえ、これを草野球で採用してください。

遠藤:来年、千葉ロッテの入団テスト受けさせてください。スパスパこれでいってたら

黒木:(笑)凄い球投げるなって。

遠藤:どうもありがとうございました。