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今浦和レッズのクラブハウスでのインタビューが最後の取材だった。「野人は死なない」。岡野雅行が放った言葉は、これまで私が感じていたことと全く同じだった。ワールドカップまでちょうど1年と迫った時期だからこそ、是非放送したい企画。それが「岡野雅行〜野人は死なず〜」だった。
岡野選手の企画制作を決意した2001年1月、岡野選手とカメラのない場所で3時間近く話をした。「『Vゴールの岡野』って言われるのが一番辛い」という言葉が心に響いていた。それが、全ての出発点だった。野人・岡野が己の生き様をそのままプレーに表わしていることも彼の口から直接聞いて、妙に納得した記憶もある。
取材を進めるうちに強く感じるようになったのは、野人・岡野の人間としての魅力だった。岡野雅行という人間は、可能性を信じて走り続けてきた選手である。無名時代が長かった故に強烈なハングリー精神も備えている。「代表復帰は無理」と周囲が言えば言うほど、この男はそんな理屈を超えようとする。野人はそんな男である。
最後に企画の最後にテロップで流れたの詩の全文を添えます。
人は可能性を持って生まれてくる
人生を切り開くには、たった一つの才能でもいい
才能が輝く時
人は可能性の扉を開くのだ
誰かに教えてもらう訳ではない
才能は己の努力で探すモノ
己の力で磨くモノ
夢をその手につかんだ時
より大きな可能性を、強く信じる
いかなる結果になろうとも
信じた道を進む勇気が、人を強くする
その者に、幸多からんことを願う
新たなる物語の可能性を、願う
〜岡野雅行選手と全ての人々に捧ぐ〜
【GET SPORTS】サッカー担当ディレクター 河原 康博
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