「やっとスタートラインに立ったような気がする」
2001年5月3日。今、私が取材をしているアスリートが「3歳」の誕生日を迎えました。
そのアスリートの名は太田哲也。かつて「日本一のフェラーリ使い」と呼ばれるほどの
名ドライバーでした。私の目の前にいる太田哲也氏はどこにでもいる普通の人のように見えました。ただ一つの事を除いては…
ちょうど3年前の98年5月3日、全日本GT選手権において不慮の事故に巻き込まれた太田氏は瀕死の重傷を負いました。(この事故はニュースにもなりご存知の方も多いかもしれません)一命は取り止めたものの待っていたのは、重度の火傷と辛いリハビリの日々。
手術を担当した医師から言われたのは…「3年経てば人前に出られるようになる」
そして、様々な困難を努力と執念で乗り越え3年目を迎えた今、私の目の前で家族と共に「3歳の誕生日」を祝う太田氏。その姿を見て私は今まで経験したことの無い「強い力」を感じました。
現在、太田氏はリハビリを続けるものの、その眼差しは新しい事に挑戦できる「喜び」を感じる、希望に満ちた「アスリート」の目をしています。
そしてこう語ってくれました。
「やっとスタートラインに立ったような気がする」
その太田氏がこの「3年」を一つの区切りとして、渾身の書き下ろしを発表しました。
「クラッシュ~絶望を希望に変える瞬間(とき)」(太田哲也・著 幻冬舎・刊)
この本は事故の悲惨さなど訴えたものではなく、純粋に「生きること」と向いあった
太田哲也氏の強いメッセージが込められています。
更にGET SPORTSでは太田哲也氏の新たなる挑戦を描くべく、8月の放送を目指し、現在取材進行中です。
【テレビ朝日 GET SPORTS ディレクター 片山 淳】
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