障がい者福祉

第39回全日本視覚障害者柔道大会

第39回全日本視覚障害者柔道大会が講道館の大道場にて行われました。

視覚障がい者の柔道は通常のルールとは異なり、最初に組み合った状態から試合開始となります。それゆえに接近戦での技の掛け合いが見どころとなる競技です。試合では視覚以外の感覚、例えば襟をつかむ釣り手の感覚や息遣いなどから、相手の動きを感じ取っています。

男子71㎏級 櫻井徹也(左) - 藤本聰(右)

男子71㎏級 櫻井徹也(左) - 藤本聰(右)

お互いが組み合ったところで試合が始まると、大きな掛け声とともに、次々に技が繰り出されました。そのスピードはとても速く、少し目を離している間に試合が決まってしまうこともありました。そのように一瞬にして勝負が決まるため、他のスポーツ同様、カメラ画像による判定も行われ、目が離せない白熱した戦いが行われました。一本や技ありの瞬間には畳に身体を打ちつける大きな音が場内に響き渡りました。

その真摯に相手に向かっていく姿には、それぞれの選手が日々積み重ねた鍛錬がにじみ出ているようでした。

会場には選手のご家族もいらっしゃり、試合中の家族への掛け声や、たくさんの温かい声援と拍手が聞かれました。

女子52㎏級 島田沙和(手前) - 藤原由衣(奥)

女子52㎏級 島田沙和(手前) - 藤原由衣(奥)

男子81㎏級 佐々木嘉幸(左) - 田原琉汐(右)

男子81㎏級 佐々木嘉幸(左) - 田原琉汐(右)

すべての試合を終え、順位がきまった後の選手たちは打って変わって笑顔がこぼれ、お互いを称えあう姿も見られ、とてもほほえましい光景でした。同時に、その姿はまた明日からの修練を予感させるものでもありました。

勝負をかけた自分への厳しさと、相手への尊敬を持って、真摯に向き合う姿の中にも温かさが垣間見えるように感じられた大会でした。そして細かなルールや規定を設けることで、障がいを障がいと感じさせない勝負が可能となることや、障がいがあってもなくてもスポーツの楽しみを享受できることを実感し、障がい者スポーツの懐の深さについてあらためて認識することができました。

日程

2024年10月27日(日)

場所

講道館(東京都文京区)

主催

(特非)日本視覚障害者柔道連盟

後援

スポーツ庁、厚生労働省 ほか

協賛

三井住友海上あいおい生命保険株式会社(大会特別協賛)ほか

後援・助成

テレビ朝日福祉文化事業団