史上初めて、国際スケート連盟公認で行われる、フィギュアスケートの団体戦――今大会の開催、実はかなり歴史的な出来事だ。

　個人競技であるフィギュアスケート、これまでの公式戦ではあくまで選手個人（あるいはペア、ダンス個々の組）が競技主体となって行われてきた。もちろん、野球やサッカーのようにチームで協力して勝利をもぎ取る、といった側面はないし、同じ個人競技でも、体操やスキーならば団体戦、水泳や陸上ならばリレーなどがあるが、そうしたチーム戦の試合形式もフィギュアスケートにはいっさいなかった。

　ただ、「フィギュアスケートといえばアメリカだね」「今はロシアが最強だね」などと、時代時代でフィギュアスケート大国と呼ばれる国はあったけれど、国を単位としたチームに「世界一」の称号が正式に贈られることは、これまで一度もなかったのだ。

　国際スケート連盟が設立されてから１１７年。フィギュアスケート史上でも記念すべき第一回の公式団体戦が、東京・代々木国立競技場にて開幕する。

　参加するチームは、今シーズンの成績をポイント化し、男子シングル、女子シングル、アイスダンス、ペアすべての種目で結果を出している６カ国。ポイント順でアメリカ、カナダ、日本、ロシア、フランス、中国――各国の精鋭たちが集まる。参加メンバーを見ると、今シーズン世界チャンピオンのエバン・ライザチェックを筆頭に世界選手権メダリスト、グランプリファイナルメダリスト、世界ジュニアメダリストらが続々集結予定だ。彼らを迎え撃つ日本勢も、安藤美姫、浅田真央、小塚崇彦、織田信成と、シングルは全員が世界選手権またはグランプリファイナルのメダリストという最強の布陣が整った。

　世界最強の５チームと、史上最強の４人をそろえた日本チーム。史上初の「フィギュアスケート世界一国家」となるのはいったいどのチームか？　ファンならずとも見逃せない大会となりそうだ。

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