■ ファイナル進出を決める「ポイント制」とは?
すべての選手が目指す『グランプリファイナル』へは、あと何ポイント必要?
 グランプリシリーズ最大の見どころは、各種目40名近い出場選手のなかから、誰がグランプリファイナルに進めるか?ということ。
 2005年、2006年は5名、2007年は3名の日本選手が出場を決め、注目を集めたグランプリファイナル。世界のトップスケーターが一同に会する最も見ごたえのある一戦だが、ファイナル以前に6戦あるグランプリシリーズも、見逃せない。一試合ごとの順位でファイナル進出のためのポイントが得られるため、誰が残っていくか、誰が脱落していくか、スリリングな展開を毎週毎週楽しめるからだ。
 ファイナルに進出できるのは各種目とも、たった6名(6組)。
 選手は各試合での順位にそれぞれポイントが与えられ、出場した試合(1選手2試合まで)のポイント数の合計で、上位6名がファイナリストに選ばれる。
各順位に与えられるポイントは以下のとおり。

1位 15point
2位 13point
3位 11point
4位  9point
5位  7point
6位  5point
7位  4point
8位  3point
9位以下 0point
(*ペアのみ、7位以下が0point)

 例えば昨年の男子シングル、高橋大輔はアメリカ大会と日本大会で1位。15+15で合計30ポイント獲得。パトリック・チャン(カナダ)はアメリカ大会で3位、フランス大会で1位。11+15で合計26ポイント獲得、となる。
 たとえ一試合で高得点を得て表彰台に立っても、もう一試合で大きな失敗をするとファイナルには残れない。昨年、安藤美姫サラ・マイアー(スイス)、トマシュ・ベルネル(チェコ)らが1試合で2位となったが、もう一試合で崩れ、4位や6位に。ファイナル進出は逃してしまった。
 一発勝負に強い選手ではなく、コンスタントに良い成績を上げられる選手、真の実力者がが勝ち残れるシステムといっていいだろう。
 ファイナル進出のためのボーダーラインは24ポイント前後と予想される。2試合戦って2度表彰台に乗ったとしても、昨年のジョアニー・ロシェット(カナダ)のように、3位が2回(22ポイント)では少し厳しい。一度は優勝、もう一度も3位までに入っておきたい(26−30ポイント)ところだ。また昨年のキャロライン・ジャン(アメリカ)のように、優勝がなくとも手堅く2位、3位を一度ずつとっておけば(24ポイント)ファイナルが見えてくることもある。
 ちなみに昨シーズンの上位陣獲得ポイントは以下の通り。今年も一戦が終わるごとにポイント表をチェックしてみよう。

女子シングル順位(2007年)
順位 名 前(国) 各大会 合計
第1戦 第2戦 第3戦 第4戦 第5戦 第6戦
1 キム・ヨナ (KOR) 15 15 30
2 浅田真央 (JPN) 15 15 30
3 キミー・マイズナー (USA) 15 13 28
4 カロリーナ・コストナー (ITA) 11 15 26
5 中野友加里 (JPN) 13 13 26
6 キャロライン・ジャン (USA) 11 13 24
7 サラ・マイアー (SUI) 9 13 22
8 安藤美姫 (JPN) 13 9 22
9 ジョアニー・ロシェット (CAN) 11 11 22
10 アシュリー・ワグナー (USA) 7 11 18
男子シングル順位(2007年)
順位 名 前(国) 各大会 合計
第1戦 第2戦 第3戦 第4戦 第5戦 第6戦
1 高橋大輔 (JPN) 15 15 30
2 ジョニー・ウィアー (USA) 15 15 30
3 パトリック・チャン (CAN) 11 15 26
4 エバン・ライザチェック (USA) 13 13 26
5 ステファン・ランビエール (SUI) 11 13 24
6 ケビン・バンデルペレン (BEL) 13 9 22
7 スティーブン・キャリエール (USA) 9 11 20
8 ジェフリー・バトル (CAN) 11 9 20
9 トマシュ・ベルネル (CZE) 5 13 18
10 アルバン・プレオベール (FRA) 7 11 18
ポイント同点の際のファイナル進出順位決定法
  1. 同ポイントを取った選手の出場試合の順位を比較。最も好成績だった試合の順位が高い選手が上位となる。(昨年のカロリーナ・コストナー中野友加里は26ポイントで同順位だが、一試合で優勝があるコストナーの方が順位は上)
  2. ポイントも順位も同じ場合、各選手が今シリーズで取ったスコアが比較され、高得点の選手が上位となる。(高橋大輔とジョニー・ウィアーはともに2戦2勝、ポイントが30点で同点、順位も同じだが、高橋大輔の日本大会スコアが234.22、ウィアーの中国大会スコアが231.78。高橋の方が順位1位となった)
この決定法は6位に同ポイント選手が並んだ場合のファイナル進出者を決める際に重要になる。またファイナルでのショートプログラム滑走順も、この順位の6位からスタートとなる


Copyright © tv asahi All Rights Reserved.
tv asahi